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2011年12月01日
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カテゴリ:邦画

難解な原作を、類まれな心象心理表現で敢闘
ノルウェイの森

 Norwegian Wood
 日本(2010年)133分
■監督 トラン・アン・ユン
■出演者
 松山ケンイチ /菊地凛子 /水原希子 /高良健吾 /霧島れいか


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本来は映画に「正解」というものは無くて、
出来不出来はあっても、成功失敗は興行収入を考慮しなければ

相対的な価値観の問題であり
多くは製作者や脚本に責任があるとしても、鑑賞者が判断すればいい事である

しかし小説を映画化する場合の脚本は 脚色 と呼ばれ、
責任の所在も はっきりとする場合もある事から、その限りでは無くなる場合がある

......................................................................................................................
-STORY-

ワタナベ(松山ケンイチ)は謎の自殺をとげた親友の恋人 直子(菊地凛子)と
大学のエキセントリックな女友達 緑(水原希子)との間で揺れ動きながら
愛憎と喪失感の深みの中を彷徨い苦悩する日々を送る。

......................................................................................................................
-解説-

ノスタルジックで難解な原作を
「青いパパイヤの香り」「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」
トラン・アン・ユンが映像化し

主人公達の心の深遠と心象を
壮大な映像詩によって鮮烈に浮かび上がらせた 問題作となっております


本作は、原作の混沌とした人物像と
何処へ向かうのか全く先が読めない 独特の展開に対して

神経の奥底に訴えかけるような鮮烈な映像と、60年代と現代との感覚の差異を切り口にして
映像体験的解釈
を試みた様な造りになっております


■ 只、本作のアプローチは原作の意図とは 明らかに 食い違って おり

ある意味 原作が全く違った形で成立してしまった
ほぼ トラン・アン・ユン監督のオリジナル作の一つという見方も出来る作品でもあります


原作の混沌とした人物像と独特の展開には 奥深い何か を感じ
それが物議の的となる 問題作なる所以なのですが

実はそれ自体に 意味は無く

これは原作全体の骨格となる
「大事な何かが抜け落ちている様な 危うさと儚さを持った構造」 の方に作品の鍵があり

独特で 言い様のない雰囲気を持つ内容と 多くを語らない原作者の作風に眼が行く余り
多くの読者が 振り回されている様な印象があります


原作の登場人物達は一様に 人としての情緒の何かを欠落した所があり
普通の行動が取れ無い為の 様々な苦悩が描かれておりますが

それは「普通」の人とは全く違った感性を持っており
普通では想像も出来ない様な 過酷な人生を歩んでいるという苦悩にも繋がるので

原作から 奥深い闇 を感じたり 難解 だと語られるのも

決して埋まる事の無い欠けた何かを求めて彷徨う主人公達の
心の旅を描いた物語だからなのだと思うのです


この単純な視点に映画製作者は気付いていないか
分かっていて 正面から描くのを避けたかの どちらかの理由の様な造りになっている所が

非常に興味深いものがあります



■ 本作では、原作で描かれる数々の重要な場面が
ストーリーの面に重点を置いた独自の解釈と再構成に終始した観念的な脚色により

様々な場面を積み重ねて作り出される、物語を支える為の柱に難点が見られる分
映像に説得力を持たせようとする力技が圧倒的な量を占めている点でも

興味深い作品に感じますが


本作のラストシーンを支える為の、
デパート屋上のワタナベと緑の再会する最重要シーンをカットしただけでは無く

ワタナベを緑の父親に語らせず、直子は精神錯乱として描き
ワタナベが突如レイコとベッドを共にしたり と

全ての過程を飛ばして描いている為に、場面と理由が噛み合わず 唐突感が著しく

60年代のノスタルジー というキーワードのみで これらのシーンを整合するのは
構造的に無理が見られる作品にも感じました


あるいは 緑を唐突な台詞回しをする ただの「ふしぎちゃん」に描く事が、

国民的作品にして 映像化不可能と言わしめた原作を 2時間程度にまとめる為の
製作者が示した キーワードだったのかもしれません



■ その反面、ユン監督 の新作映画としては
独自の切り口と雄大な映像美で描いた

独立した一本の映画として、奇跡的に成立した作品であり

驚くべき問題作として
世界的ベストセラーの映画化には十分な仕上がりとなったと言えると思います


■ ノルウェイの森は、原作のファンの方には一見の価値のある映画であり、
映画を一見した原作未読の方には、是非御一読願いたい素晴らしい作品というのが

本作を観た 正直な印象でした☆



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最終更新日  2015年02月19日 02時16分27秒
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