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2012年03月05日
XML
カテゴリ:洋画

製作現場こそまさに地獄!!

地獄の黙示録

Apocalypse Now
アメリカ(1980年2月)153分
 
■ 監督 フランシス・フォード・コッポラ
■ 出演者 マーロン・ブランド/ マーティン・シーン/ デニス・ホッパー/ ロバート・デュヴァル


..........................................................................................................
- INTRO -

今は去ること はるかな昔・・・

文部省の推薦とやらで当時我がクラスは引率付きで都市汲んだりまで出向いて
映画館で本作を鑑賞する事になった

テスト後のイベントとして定着した映画鑑賞であったが、数本の候補がある中
なぜこの映画を選んだかについてはまず「超大作だから」「お金が掛ってるから」
何となく「コッポラの名前を聞いていたから」 の他

圧倒的だったのは 戦争映画だったから である

ベトナム戦争の狂気を描いているという事は映画評論家の批評で知っていたが
ベトナム戦争はともかく、「狂気」といえば、

何となくレコード屋のロックのコーナーに陳列されていた
黒地にプリズムのジャケットのイメージがある程度で、

狂った様に戦闘をする事を批判する映画なのだろうなどと軽々しく想像しながら
何の予備知識無しに本作に挑む 烏合の衆 が見たものは

ナパーム弾投下の物凄いスペクタクルシーンの後は打って変わったように
延々と川をさかのぼる主人公達の疲弊した姿を捉えた重々しいばかりの映像で

明らかに選ぶのを失敗した、という声が
各所から上って来そうな淀んだ空気の場内を尻目に、主人公達は目的地に到着し

既にドン引きの学童達に更に追い討ちをかけるのは、
6月の空よりも重々しく展開する

人生初体験のシュールな芝居であった。

バカな学童達の頭の機能はゆうに処理能力を超えるばかりの
思考を停止(居眠り)させるには充分な超大作であった。

帰りの電車の中でクラスメイト達は口々に
「クレイマー・クレイマー」にすれば良かったね、きっと面白かったよ と・・・

昔の学校とは学童の情緒をかくも過大評価した機関であったとつくづく思う。


Vietnamese UH-1 pushed over board, Operation Frequent Wind
A South Vietnamese UH-1H is pushed overboard
to make room for a Cessna O-1 landing.

(画像参照: wikimedia)

さて、
ベトナム戦争と言われて当時のブログ主がイメージした事は、

稲穂が茂る田畑を横切る戦車をあぜ道から見ている農民の後姿を写した写真と
甲板に溢れたヘリコプターを海に人力で落としている映像、の2つである。

頭の弱い学童であったが、ベトナム戦争でこの二つをイメージ出来たことは
我ながらツボを得た洞察力と言えるであろうか。

なにしろ前者の写真は、
アメリカ軍が南ベトナムの民意を損なう行為を写したものであり、

後者は
サイゴンが陥落しアメリカ空母の甲板に 避難する南ベトナム政府関係者
溢れかえる姿を撮影したものだからである。


当時は気が付かなかったが、
前者の写真の戦車は田畑を横切っていると言うよりは
明らかに稲穂にキャタピラの轍の跡を付けようとして
わざと田畑のど真ん中を進んでいる様に見える

彼らにとっては稲も単なる長い草でしか無く
戦車で 気晴らしで踏み潰していた に違いない。

農民は自分達を支援に来た筈の米軍に自分の田畑が荒らされ、
あぜ道で呆然として立ち尽くしている。

この、日本人であれば誰でも理解できる「心情」を、
「米」を主食にしないアメリカ人の到底理解する事の無い、

自覚無き蛮行が写された写真が1つ目のイメージである。



クチでは支援と語り ベトナムをまるで新兵器の実験場にする様な戦闘を繰り広げ
兵士のきばらしにベトナムの人々が食する 命の糧
踏み潰しベトナム国内を戦闘によって散々荒して行く

そんな不誠実なアメリカを 憎む気持ちはベトナム全土に拡がり
いつしか南と北の民衆が互いに手を取り 共にアメリカ排除へ向けて

激しい抵抗を始める事になる

奇しくも 共通の敵を見出した事により
こうして南北ベトナムは統合されて行くのである

南北の争いだった戦いは、いつの間にか ベトナム対アメリカの戦いへと変化し
世界情勢の変化と、ベトナムの民意を失った連合軍は 各地で撤退を余儀なくされ

終戦間近には アメリカ寄りだった南ベトナム政府はベトナムから追われ、
パニックで米軍空母に押し寄せた政府関係者で甲板がごった返した姿を
撮影したのが

2つ目のイメージである。

ベトナム戦争の真実とは、世界一を自負するアメリカの思いあがりと不誠実が
民意の前に 失墜 した敗戦であったと言える。

そもそもブログ主が本作の真意を理解するに到る情緒を形成するのも、
本作鑑賞から数年を経ての話で あっ た・・・

..........................................................................................................
-STORY-

現地人部隊を組織・訓練するため、
ナン河上流のジャングル奥地に潜入したカーツ大佐が
その後、後方との連絡を絶ち、ジャングルの奥地に「王国」を築いて
自らそこの支配者に収まっているとの情報から、

軍部は特殊行動班のウィラード大尉を現地に派遣し
河をさかのぼりカーツ大佐を暗殺する密名を下す。

..........................................................................................................
-解説-

純粋な戦争映画では無い本作は、
歴史的事実や史実にのっとった戦略を描いたものでは無く

戦争の狂気そのものを描いており
軍事行動を中心に描く通常の戦争巨編とは 一線を画す 作品です


猶予う様に意味深なミステリアスなシーンが延々と続き
一人の兵士が見たベトナム戦争の姿を追体験する形で
鑑賞者に訴える手法を取っており

当時のアメリカにとって、
南ベトナムの支援目的にに派遣された米軍が行った軍事行動が
南ベトナムばかりか、アメリカ全土で民意を失い

その挙げ句敗戦した戦争を描くのは
アメリカに取って触れられたくない「傷」であった事からも

映画化にあたりハリウッドが懐疑的であった点でも 異色作と言える作品です


□■
本作本来の目的はベトナム戦争の様々な面を更に掘り下げて
戦争の裏に潜む 道徳問題まで踏み込むものでしたが
映画制作を進めるにつれ 徐々にそれ自体が 一人歩き をはじめて行き

当初ベトナム戦争を扱った唯一のアメリカ映画を目指したという
コッポラの思惑とは外れ

映画製作 そのものが映画のストーリーとリンクした
壮絶なものになって行きました

それを物語る様に 撮影期間は延長に延長を重ね制作費は莫大に肥大していきます


撮影当時 まだ明確なラストシーンが決まらないまま
残るクライマックスの撮影に挑み

コッポラの現場での思い付きで進行する演出には
脚本すら存在しなかったと言います

出演者にはモチーフのみ与えて延々アドリブによる手探りな撮影を続け
ベトナム戦争で疲弊していた兵士達さながらの、何時終るともしれぬ撮影現場に
スタッフの疲労は頂点に達し、まさに撮影現場こそ 地獄絵図 と化します

そうして完成したラストは、鑑賞者に解釈を委ねるような
難解な造りの結末となって行くのでした


■□
本作の「鍵」となる マーチン・シーン 演じる主人公ウィラード大尉は
観客と同じ様に見知らぬ国の戦争を見つめる瞳で
戦闘に参加せず戦闘行為の驚異を唯只 見つめる事に終始 しています

その様な中で唯一取った行動は
ジャングルの奥地でさながらどこかの共産国をミニマル化した様な王国を作った
マーロン・ブランド 演じるカーツ大佐を殺害した事でした

その行動を、狂人に脅威を感じた自衛的行動と取るか
心の奥底の「何か」に駆り立てられた発作的行為と取るか

「2001年宇宙の旅」のボウマン飛行士が
狂ったコンピューターを停止して行く中で

人間の脳を模して造られたシステムの最後に残ったユニットが
「恐怖」であった様に

ラストのカーツ大佐が残した言葉が人間の生存する 本能
物語ったモノだったのかどうかは

鑑賞した方自身が判断するのが良いのでしょう☆

M「こんな悪魔でも
携帯は守れるらしいぜw」


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最終更新日  2021年12月14日 02時19分36秒
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Re:地獄の黙示録 - 製作現場こそまさに地獄!! 95点(03/05)   kiboring さん
だいぶ昔に見たハズなんだけど、ぜんぜん記憶が無いんです。
Voyagerさんの記事を見て、見直してみようかなぁと思いました。でも気合いがいるですね。 (2012年03月05日 23時11分23秒)

Re[1]:地獄の黙示録 - 製作現場こそまさに地獄!! 95点(03/05)   Voyager6434 さん
kiboringさんこんばんは

>だいぶ昔に見たハズなんだけど、ぜんぜん記憶が無いんです。
>Voyagerさんの記事を見て、見直してみようかなぁと思いました。でも気合いがいるですね。
-----

私は何年おきかに観てる気がします。

コッポラは本作でシンセサイザーの冨田勲に音楽を依頼
するつもりだった位に音楽を重要視した作品になってますので
The Doorsの主題歌で始まるオープニングでゾクゾクした
記憶があるのでしたら、あっという間の2時間半だと思いますw

デビッド・フィンチャーとか五感に訴える様な映像作家が登場して
最近はこのタイプの問題作も意外とすんなり入って行ける様な
映画環境になった様な気がします。 (2012年03月06日 01時27分25秒)

おはようございます。   龍5777 さん
「雨をうけ 蕾ふくらむ 梅の木々」
とうとう梅の開花が見られそうです。梅の蕾が雨をうけ大きく膨らんでいます、待ち遠しい気持ちです。
ご挨拶の一句。・・・・龍 (2012年03月06日 09時15分17秒)

Re:地獄の黙示録 - 製作現場こそまさに地獄!! 95点(03/05)   リフレもも さん
今晩はリフレももです。

名前は何度も聞いたことのあるタイトルだったけど一度も見たことありませんでした。

今度手にとってみようかと思いました☆ (2012年03月06日 18時58分24秒)

Re:おはようございます。(03/05)   Voyager6434 さん
龍5777さんこんばんは

>「雨をうけ 蕾ふくらむ 梅の木々」
>とうとう梅の開花が見られそうです。梅の蕾が雨をうけ大きく膨らんでいます、待ち遠しい気持ちです。
>ご挨拶の一句。・・・・龍
-----

いつもありがとうございます!
日々が過ごしやすくなり、開花が楽しみな季節になりましたね。 (2012年03月07日 01時10分45秒)

Re[1]:地獄の黙示録 - 製作現場こそまさに地獄!! 95点(03/05)   Voyager6434 さん
リフレももさんこんばんは

>今晩はリフレももです。

>名前は何度も聞いたことのあるタイトルだったけど
 一度も見たことありませんでした。

>今度手にとってみようかと思いました☆
-----

おお、それは逆に羨ましい!
是非、初体験をお楽しみくださいw (2012年03月07日 01時13分19秒)

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