カテゴリ:洋画 [ドラマ]
- 新作映画レビュー - 『アバター』以前から 構想された3Dがこの映画の製作を可能にした理由とは ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 LIFE OF PI アメリカ 127分 2013年1月25日公開 出演 :スラージ・シャルマ、イルファン・カーン、アディル・フセイン、タブー 監督 :アン・リー 第85回アカデミー賞 監督賞、作曲賞、撮影賞、視覚効果賞 受賞 アカデミー協会の偏見に遭い 『ブロークバック・マウンテン』でオスカーを逃した 今回11部門でノミネートのアン・リー監督初の3D作品の本作 『アバター』 公開よりも何年も前から 3Dで検討されていたというが アン・リー自身、3D無しでは映画化は成り立たなかったと語った その理由とは・・・ △▼△▼△ 忘れていると思いますが、これでもウチは映画レビューのサイトです(爆) 新作はスルーし あえて旧作をレビューするという 硬派なサイト作りがウチの信条でしたが そりゃまあ、たまには新作を解説しますよ・・・(笑) ただ・・・ 『トビウオがまるで高速で飛ぶ鳥の様で衝撃的だった』 とか 『夜の海を巨大な鯨が跳ねるスペクタクルに満ちた幻想美』 とか 『虎と少年だけなのに引き込まれるストーリー』 とか 『虎とどう共存したのかが見どころ』 とか 『面白いからお薦め』 の様な、解説は全くしません(爆) その手のレビューは 他のレビュアーさんにお任せするとしてw さて、 今回は吹き替え3Dで鑑賞しました 本作の3Dは非常にクオリティーの高いもので 『エアベンダー』 での 飛び出す絵本的 幼稚な技術は一切無く 目の悪い私でも 目を疲労させるものでもありませんでした 今回主人公の吹き替えを担当したのは 今や日本を代表する俳優へと成長した 本木(モックン)雅弘で、声優の中でも違和感の無い 何の問題のない吹き替えを愉しめました どこかの 『プロ×テウス』 の棒読み女王 剛××芽 とは比べ様の無い 吹き替えクオリティーで ストレス無しの鑑賞なのでご安心下さいw 本作は 主人公の口で語られる脅威に満ちたサバイバルを 聴き手のライターの立場で体験する2時間となります 元々この聴き手のライターの役は 『スパイダーマン』 の トビー・マグワイア が配役されていましたが 撮影まで終えながら 別の配役にした理由は 全て無名のキャストで締められた本作に もはやハリウッドスターとなったトビー・マグワイアは 聴き手の役には浮くと判断したアン・リーの采配でした これは何よりも本作が 3Dで語ることによって 観客が新鮮な視点から鑑賞する事を狙った理由からでもあります 本作にはすべてのアン・リー作品の根底に流れている 『純粋性』 その信念を語る物語 があり それを非常に巨大なスケールで描いています 3Dでなければならなかった最大の理由は 『海』 の描写でした アン・リー監督は 海を人生の苦難にたとえ 穏やかな時もあれば 荒れ狂う時もある 優雅に波を乗り切る事もあれば、為す術もなく巨大な波に飲まれる事もある そんな心象風景を海に例えて映像で100%表現するには 奥行きのある映像でなければならなかったと語りました また、監督は海を 『砂漠』 と例え 数々の宗教を学んだ主人公の心の葛藤と孤独を 砂漠で孤立して途方に暮れる様として表現したかった狙いもあった様です 『シェルタリング・スカイ』 で360度全て砂漠の中で絶望と孤立を表現した ベルトリッチとは真逆の 360度大海原の中で孤立した中で生きるとは何かを表現したアン・リーの 力強く感情を揺さぶる作品作りが可能にした 映像体験だと思います 最先端のデジタル技術と驚異の映像美が話題の本作ですが 何よりも本作が 『脅威の映像美』 が謳い文句の既成のCG作品郡と 完全に一線を画し、これ程の話題になる理由が いつものアン・リー作品に見られる 信念の中に生きる姿の美しさ そのものにあるからだと思うのです 本作には、この手の映画にありがちな 『本題』 に入るまでのプロットの 『助長感』 が一切無く それでいて本題となる漂流までの場面が丁重に描写されており 主人公の非凡さと信条を魅力ある映像的体験で飽きさせる事無く 観客に印象付けて行きます 原作者は 動物園は動物を、宗教は人を どちらも閉じ込める場所と人は見ている と話し その上で、遭難を人生の試練として描き 宗教心では無く 信仰心を伝えたかったのだと語りました 『遭難』 も海上という空間に閉じ込められた一つの場所です 『人生とは』 という大いなる命題を描くには それら全てが 必要な要素だったのでは無いでしょうか 本作では 人とは決して相まみえないモノとの 『共存』 を描いているのも 全てを失った少年の この大きな 『挑戦』 を その内面を壮大に描く事で 物語を伝える価値、物語を共有する事の意味を 映像的体験で 観客に伝えようとしている そんなテーマを持った作品だからなのだと思うのです 共有はお手軽、共有は無料 そんな価値観無き価値を持った現代にこそ この映画のテーマが重く響くのでは無いでしょうか 少年と虎の運命は そしてその結末は・・・それは是非 劇場でご確認下さい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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おはようございます!
Guten Morgen ! ウワ~~ッ! とても素晴らしい分析と表現たっぷりの映画評論ですね。 とても感動しました! それにしても、映画に関する知識は超一流ですね! この映画は、テレビで広告を見ただけですが、観たいという強い欲求があります。何故だろう?・・・犬や猫が好きだからだろうか?猫は小動物ですが、よくよくその風貌を観察すると、まさに猛獣の虎を小さくしたものです。敵対する者には、「シュ~~」と歯をむき出して怒りますが、なつけば、すり寄ってきて、愛らしい「ニャ~~ン」という声で挨拶までしてくれます。・・・で、少年と猛獣の虎がどんな状態になるのかが、楽しみなのです。期待に反した結果になるかもしれませんが・・・・ P★☆! (2013年02月02日 07時03分27秒)
こんばんは~♪
足の怪我はかなりよくなってきました~ 結構、深い傷だったので自分で見てもビックリで・・・ 薬をつけるときに何度も気分が悪くなりましたが・・・ 傷も乾いてきて見ても平気なほどです。 痛みが早く消えてくれるといいんですけどね~ ちゃんとベッドで寝ますね~ (2013年02月03日 00時44分42秒)
REALISTさん
>おはようございます! >Guten Morgen ! > >ウワ~~ッ! >とても素晴らしい分析と表現たっぷりの映画評論ですね。 >とても感動しました! >それにしても、映画に関する知識は超一流ですね! >この映画は、テレビで広告を見ただけですが、観たいという強い欲求があります。何故だろう?・・・犬や猫が好きだからだろうか?猫は小動物ですが、よくよくその風貌を観察すると、まさに猛獣の虎を小さくしたものです。敵対する者には、「シュ~~」と歯をむき出して怒りますが、なつけば、すり寄ってきて、愛らしい「ニャ~~ン」という声で挨拶までしてくれます。・・・で、少年と猛獣の虎がどんな状態になるのかが、楽しみなのです。期待に反した結果になるかもしれませんが・・・・ >P★☆! ----- 嬉しいコメントをありがとうございます!!! 実は、当初この映画は ディズニー的なエンタメ系動物感動家族用子供映画だと思い込んで、完全にスルーするつもりでいました 監督がアン・リーと聞いて 『おっつ』っとなり 観方が180度変わりました その時点で、描いているテーマが 動物との友情や交流のようなものを扱うのではなく 人間が人間らしく生きることが幸せなように 動物は動物らしく生きることが幸せなのだ という様な点にスポットを当てるのだろうと 思っておりました・・・・コレ以上は言えません(笑) 宜しければ是非劇場でご確認下さい^^ (2013年02月03日 01時01分37秒)
いなあゆさん
>こんばんは~♪ >足の怪我はかなりよくなってきました~ >結構、深い傷だったので自分で見てもビックリで・・・ >薬をつけるときに何度も気分が悪くなりましたが・・・ >傷も乾いてきて見ても平気なほどです。 >痛みが早く消えてくれるといいんですけどね~ >ちゃんとベッドで寝ますね~ ----- こんばんは~☆ 何だか写真が痛々しくて驚きましたTT 私も覚えがありますが、結構深い傷を負った時って 本人にはそれ程の自覚は無いものですよね 後になって マジマジと傷跡を見て ゾッとするんですよねえw 痛みもそうなんですけど、まあ、余りアトが残らなければ 良いですね・・・ それでは、タップリと睡眠をとって下さい^^ (2013年02月03日 01時07分11秒)
●2/4 「映画ブログ」ぽち完了いたしました ^^^)/
(2013年02月04日 00時35分20秒)
こんばんわ。
ちょっと見たい映画ですがますます見たくなりましたね! 読んでいて「存在論」か何かこう…自身の中に有る世界=世界の中に有る自身に付いて考えさせられると云うか、違う様な…説明し難いなんと云えば良いのかどうか分かりませんが…見る時は船酔いしない対策をしたいと思います(^^; (2013年02月05日 18時39分05秒)
子午線001さん
>こんばんわ。 >ちょっと見たい映画ですがますます見たくなりましたね! >読んでいて「存在論」か何かこう… >自身の中に有る世界=世界の中に有る自身に付いて考えさせられると云うか、 >違う様な…説明し難いなんと云えば良いのかどうか分かりませんが… >見る時は船酔いしない対策をしたいと思います(^^; ----- 今晩は☆ その気になって頂けて レビュー身寄りに尽きるというものです♪ アリストテレスの『存在論』はマイケル・サンデルの著書によって 最近また注目されて来た哲学みたいですね 存在とは一体何なのかという 形而上学的帰結を映像化したとも 考えられますが、虎は虎で人間は人間という 有は有 無は無という 真理を解いたとも言えますね・・・ 夜中に考えることではないですが(爆) 原作者はそこを 多宗教で語る事でクリアしてますので ストイックさには欠けますが 日本人でも理解可能という点では 心に訴える作品となりましたね まあ、結構ズルイとも取れなくもないですが(笑) これを哲学でやると 『ブレードランナー』になって 単一の宗教だけでやると『風とライオン』になる所でwww ハリウッドが極たまに創りだす 魂を扱う作品 の一つになる事は 間違いないと思います。 (2013年02月06日 03時55分50秒)
参考になった( ..)φ
これ、ノーマークだったんですけど、 これから観ようかな。 3Dメガネ、いっぱい持ってるし~ ちょっと時間あったんで、 アクセス協力もしてきますわ。 友だち14人ほど連れてきた~ 少ないけど~ では、よい一日を♪ (2013年02月13日 10時22分05秒)
たがめ48さん
>参考になった( ..)φ > >これ、ノーマークだったんですけど、 >これから観ようかな。 >3Dメガネ、いっぱい持ってるし~ > >ちょっと時間あったんで、 >アクセス協力もしてきますわ。 >友だち14人ほど連れてきた~ >少ないけど~ > >では、よい一日を♪ ----- こちらにもコメントありがとうございます^^ この映画は見様によっては 出てるのは虎と子供だけですからねえ(爆) 映像は凄いので 観る価値有りです☆ 又々 頂きました~ 確かに アクセス増えてますよ~ありがとうございます☆ それでは又~ (2013年02月14日 07時03分02秒) |
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