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2015年08月24日
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カテゴリ:洋画 [SF]

不都合な真実を元にした新たな形の社会派アクション
キャプテン・アメリカ
ウィンター・ソルジャー

CAPTAIN AMERICA: THE WINTER SOLDIER
2014年4月19日公開 アメリカ 136分

■監督 アンソニー・ルッソ/ ジョー・ルッソ
■出演 クリス・エヴァンス/ スカーレット・ヨハンソン/ セバスチャン・スタン
    アンソニー・マッキー/ コビー・スマルダーズ/ ロバート・レッドフォード


- INTRO -


国際情勢や政治を取り上げた作品は社会派映画と呼ばれ
シリアスなタッチのサスペンス映画として
70年代に数多くの名作が制作されて来ましたが

「ジャック・ライアン・シリーズ」の様な
ポリティカル・アクション映画が登場するのは
90年代に入ってからになり

それまで社会派にアクションの要素はそぐわないものとして
捉えられて来た印象があります


一方で国際情勢を盛り込んだ作品は
一見子供向け娯楽作品の様な映画にも古くから見られ

見た限りではほとんど意識されない様な形で
物語に導入されて来た歴史があり

本作の場合も 若い世代にとってほとんど意味が分からない様な
多分に政治色の濃いプロットが用いられ作られていました

■■


本作の46分過ぎのシールド本部が映る場面に
ワシントンのポトマック川を挟んでCの字の形をした丸いビルが映るのですが

これはウォーターゲートビルと言って
かの「ウォーターゲート事件」の舞台になった建物です


「ウォーターゲート事件」と言うのは

金からドルの交換停止によるドルショック「ニクソン・ショック」や
「ベトナム戦争」敗戦などによる政府の支持率急落によって

ニクソン大統領の次の任期の選挙が不利になった事で
有力な情報を集めようと

「ウォーターゲート・ビル」にある対立候補の民主党事務所に
盗聴器を仕掛けた事が新聞にすっぱ抜かれた事をきっかけに

任期中に辞任に追い込まれるという
アメリカ大統領による一連の不祥事の事を言いますが

今の世代の方にとって アメリカの不祥事は
「スノーデン事件」の方がピンと来るのかもしれません


ちなみに「エドワード・スノーデン事件」とは
政府がマイクロソフト他大手IT企業が運営するサーバーにアクセスし
ユーザーのデータを収集し監視している事を
元CIA局員のエドワード・スノーデン氏が告発した事件を言います


何気なく映された建物でしたが
この様な政治的な趣旨をを示唆する「サイン」としての
意味合いが含まれていた訳です


これらは近くて遠い外国の
日本とは違った国際情勢の中での
自分とは何の関係の無い過去の事件の様に

捉えられて来ましたが

つい最近、日本政府や大手企業などを対象にした
米国による盗聴疑惑が報道された事からも

今や情報社会と呼ばれる今日の私達の周りの状況は
大きく変わって来ていると言えます


■■■


さて、これら事件の意味する所として
米国政府は国民を守るどころか実は監視をし
国を信じていた国民の「信頼」を裏切っていたという事実に

国の「信頼性」を揺らがせる深刻な問題がある訳ですが

ある意味私達は
しばしば「信頼」の揺らぐ事柄に出遭い
その都度「信頼性」の重要性を感じながら

日々の生活をより豊かに送る為に日々情報収集をし
日常を送っていると言えます

しかし情報の「信頼性」一つ取ってみても
得た情報の「比較」は出来ても

情報そのものの「信頼性」を確かめる方法は無く
そのまま「受け入れる」しか方法が無いのが現状な訳です


従って得た情報の「信頼性」に置いて

「信じるか否か」という
答えの定かで無い問いかけに囚われるのでは無く

「信じるに値するか否か」という

情報を得る事による価値感を
先ずは考える必要があるのでは と思うのでした☆


という訳で今回は

アメコミ大手のMARVELがディズニーとタッグを組み
この夏公開を控えたSFアクション超大作

『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』の前日譚に当たる
『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』をご紹介します



- STORY -
アベンジャーズの戦いから2年。
シールドの一員として活動していたキャプテン・アメリカは
シールドの新たな防衛システムに疑問を抱く。

そんな中、何者かの陰謀に巻き込まれ
ブラック・ウィドウとともに命を狙われるキャプテン・アメリカだったが…。(allcinema)


- 解説 -

【政治スリラーとしての側面】

本作はアメリカン・コミックスの大手MARVELがディズニーと組んで
同社が出版するアメコミ・ヒーローを主人公にした
巨額の制作費をかけ
マーベル・シネマティック・ユニバースと呼ばれる一連の作品の

この夏公開された『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』へ繋がる
急展開を迎えた問題作で

前作に当たる(2011)『キャプテン・アメリカ/ ザ・ファースト・アベンジャー』では
戦時中を舞台に、善悪がはっきりとした戦時中の世界での
勧善懲悪に近いヒーロー作品として描かれた事に対し
政治的駆け引きとテロリズムが行われる現代を舞台に

それぞれの立場の主張が交差するグレーな世界に置いて

70年後の世界で目覚めた主人公が
過去の価値観とは違った現代社会に戸惑いながらも受け入れつつ

時には納得出来ない不条理さに立ち向かいながら
正義を貫き 巨大な陰謀に立ち向かう姿を描く意欲作となっております

■■


本作は
スーパーヒーローが 国の欺瞞に真正面から立ち向かう
痛快娯楽アクション大作で

硬派なミリタリー系アクション映画としても
見応え満載の造りになっておりますが

911事件以降のセキュリティー過剰な風潮が高まるアメリカで
「ウォーターゲート事件」や「スノーデン事件」をモチーフに

監視社会と偏狭な考えに取り憑かれる事への危険性と

安全の為に どこまで人々が自由を犠牲に出来るのか、
どこまで安全を政府にゆだねて良いのかを問う

「政治スリラー」としての側面を持った作品でもあり

70年前の白黒がはっきり分かれた世界から来た主人公の眼から観た
現代の常識の不条理と不都合な真実を語らせメスを入れる

新たな形の社会派アクション映画とも言える作品になっています


【名優ロバート・レッドフォード】

ロバート・レッドフォードはアメリカン・ニューシネマの旗手として
70年代に『明日に向かって撃て』『スティング』等の大ヒット作に出演した

ハリウッドを代表する大スターです

一方で、『普通の人々』ではアカデミー監督賞を受賞する映画作家という顔を持ち
映画を大手産業主導の大作志向のものから離れて、

個人的で小規模な編成で制作する インディペンデント系作品を世に送り出した
先駆者の一人でもあり

若手映画人の育成を目的として設立した
サンダンス・インスティテュートの主催者でもあります

俳優としては社会派俳優としての側面を持ち
本作でもモチーフとして使われた

ウォーターゲート事件を映画化した『大統領の陰謀』や
わざと戦争を起こしてアメリカの敵を排除しようとするCIAの陰謀を描いた
『コンドル』などの問題作に出演して来ました

小規模体制の映画作りを続けてきたインディペンデント映画の主催者にとっては
大規模な出資を元にした超大作を作るディズニー作品は
言わば敵とも言える存在なのですが

社会派映画の「顔」としてだけではなく、反体制側の「代表」としての存在感が
本作にマッチしたキャスティングになった様に思われました


【アメリカの戦争とテロリズムの縮図を見る構成】

空中空母ヘリキャリアによるテロリスト一掃作戦を阻止するスペクタクルが
本作のクライマックスになりますが

これは絵空事では無く

近年日本でも大きく取り上げられる アメリカの対テロ無人攻撃機
「ドローン」による対テロ作戦が元になっています

これは戦争をしないと宣言したオバマ政権でのアメリカで
国民や兵士を危険にさらさず
ブッシュ政権の時の様な従来の戦争での多くの血を流す事無く
民間人の犠牲を最小限にして、

アメリカに脅威をもたらすテロリストを排除する為の
攻撃システムとして使用された
「新たな戦争」「実体なき戦争」と呼ばれるもので

空中空母がテロリストを一掃する本作のプロットと一致する訳です

この「ドローン」攻撃によって誤爆による無実の民間人や
アメリカ人数名が巻き込まれる事件が多数起こっており
本作が問題定義をする所でもあります


また、本作の「ウィンター・ソルジャー」とは
ベトナムで行われた戦争犯罪を告発する集会の総称で

72年に「ウィンター・ソルジャー ベトナム帰還兵の告白」というタイトルの
ドキュメンタリー映画として制作されながら短期間の公開後封印され

日本では2010年の6月に公開され 長い間お蔵入りしていた いわゆる
アメリカにとっての「不都合な真実」が描かれた作品のタイトルでもあり

それを敵超人兵士の名前に当てたのも
意味深いものがあった訳でした☆



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最終更新日  2017年03月12日 13時42分04秒
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