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カテゴリ:勤
花束やアレンジメントを注文される際、“可愛らしく”や“豪華に”といった全体の雰囲気や、“ピンクの花で…”“この花を入れてください”と色味や花を指定したりと、要望を言ってくださると、こちらとしても作りやすい
しかし、なかには何を聞いても『お任せします』と仰るお客様もいる お客様にしてみれば、花の事はわからないから、餅は餅屋で一任してくれているのかもしれないが、自分としてはセンスと腕を試されているようで、そんなお客様はちょっと手強い すべてお任せといっても、贈る相手の性別や年齢、誕生日や送別会と言ったシチュエーションで変わってくるので、花を選びながら、口数の少ないお客様から、誕生日に奥様に渡す花束ということを聞き出した さて、何の花を使おうか? 花や色味の指定があると、ある程度使える花は決まってしまうが、すべてお任せとなると、一から花材が選べる 店頭には売れ筋商品の花ばかり並べているだけでは、花を選ぶ楽しさも半減するので、“こんな花もあるんだと、興味を惹く為に、ちょっと目先の変わった花も用意している それは花の種類だけに言うのではなく、バラやカーネーションといった花であれば、赤やピンクといった定番の色だけではなく、目先の変わった色のものも用意している 色々な花があれば、売れる花もあれば、当然売れない花もある そんな時、決まって自分の耳元で悪魔が囁く “売れない花を使っちゃえよ” 言葉にすると聞こえは悪いが、やはり折角仕入れたものを、このまま売れずにダメにしてしまうのは忍びない 大輪のガーベラで、明るい煉瓦色をした『セリーナ』 茶色い花は他の花に合わせにくいのか、スタッフ、お客様共々、受けはあまり良くないようである 自分は原色の明るい色は苦手で、寒色系やくすんだ色の花のほうが好みなので、このガーベラは割と気に入っている 今回の注文の花束は、メインにガーベラ『セリーナ』を使用することに決めた いくら売れゆきが良くない花を使用するからといって、有り合わせで作ったような花束を作るわけではない 今回でいえば、茶色いガーベラを引き立てるように、かといって、誕生日に渡すお祝いの花束なので暗いトーンになりすぎないよう花材を選ぶ 同じ大輪系のオレンジのガーベラに、赤い縁取りが入った黄色いバラ、リューカデンドロンという茶褐色の花と、全体的を赤茶系にまとめ、アクセントとして紫色のチューリップを入れた 赤紫色の和紙でラッピングすると、シックで上品な仕上がりとなった 自分でいうのもなんだが、我ながらにしては上出来だったが、その花束を見て、お客様が満足されたかどうかは顔の表情からは読み取れなかった 花束やアレンジメントを頼むとき、すべてお任せするということは、そのスタッフの人のセンスを買うことになる が、必ずしも満足いく作品を提供してくれるとは限らない 相手に花を贈るのであれば、多少なりともどんな花を贈りたいのか自分で思い描いて注文したほうが、出来上がったものに対して思い入れが入って、渡して喜んでもらったときの喜びは一入だと自分は思う お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年02月14日 19時02分20秒
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