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カテゴリ:思
職場に、以前勤めていた男性が懐かしい顔を覗かせてくれた
何年ぶりだろうか? すぐには思い出せないほど、久しぶりである 特にこれといって用事があるわけではなく、たまたま近くを通りかかったので、顔を出してくれたんだとか なんだか、そういうのって嬉しいよね 近況を聞くと、腎臓を患ってしまい、今は自宅で朝昼晩と1日3回透析をうけているのだという それを聞いて、驚きのあまり、思わず返す言葉が見つからなかった 前々から身体は丈夫とはいえなかったけれど、そこまで体調が悪くなっていたとは… 腎臓を患ったことに関しては、様々な要因があるようなのだが、仕事がハードだったこともあって、体調の異変に気づきながらも病院になかなか行かず、結果的に今に至っているという それで、そのスタッフにこう言われた 「くれぐれも無理はしないでくださいね」 経験した者だからこそ言える、すごく重みのある言葉 自分が仕事で多少なり無理をしている姿をその男性も知っているので、声を掛けてくれたんだと思う 本来なら、腎臓を患って普通の生活がなかなか儘ならない男性に対して、自分が勇気づけて励まさなければならない立場なのに、逆に心配してもらうだなんて… 腎臓の病気や透析に関しては、ほとんどと言っていいほど知識を持っていないのだが、男性の話によると、病状は回復に向かうことはなく、現状維持、もしくは悪化の一途を辿るのみなんだとか 自分の前では、おどけた表情を見せるなどして気丈に振舞ってはいるものの、時々ふと覗かせる寂しげな表情に、彼が抱えている大きな闇を垣間見たような気がした その闇を自分は払拭してあげることができない 彼の話にただただ耳を傾けるだけである 何か声を掛けてあげたいという気持ちは自分の中で渦巻いているのだが、その思いをうまく言葉にすることができない 我ながら、言葉のボキャブラリーの少なさには嘆きたくなる 結局、ろくな言葉を掛けることもできないまま、つかの間の再会の時は終わった 大病を患ってもなお前向きに生きようとする男性の姿には、大きく揺さぶられるものがあった 生きることへの執着心にも似た人間の力強さを見たと同時に、どんな状況下に置かれてもそれらの事実を受け止めて生きていかねばならないという、抵抗する術がない人間の非力さをも見た 去っていく彼の後姿を見ながら、言葉では言い表すことのできない悶々とした感情を抱くのであった お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年03月20日 08時43分39秒
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