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カテゴリ:舞
今年初の観劇
『ANJIN イングリッシュサムライ』 シェイクスピアの時代のイギリスと、徳川家康の時代の日本をまたにかけた男がいた その男の名は、ウィリアム・アダムズ=三浦按針 英国人船乗り、のちに日本史上ただひとりの青い目のサムライ その激動の人生と、徳川家康、宣教師、割拠する戦国武将たち、外国人商人たちとの交流と葛藤を描く大歴史劇 (公演ポスターより) 勉強嫌いだったので、とにかく歴史に疎い自分 ちょっと難しくないかな?と思ったが、この作品を通して、三浦按針という人物像に興味を持ったこともあって、惹きこまれるようにして観劇した 歴史的背景が分かっていれば、尚一層楽しめたかもしれない 今回の作品は一部英語のセリフがあるので、字幕が表示される 舞台中央の上部、それから上手下手の両端それぞれに電光掲示板が取り付けられている まず字幕でセリフの意味を理解し、それから舞台に視線を移すので、どうも作品に集中することができない それと、自分はかなり下手寄りの座席で観劇したのだが、視界に入る電光掲示板と舞台の位置関係の収まりがいまいち悪く、終始視線をキョロキョロ左右に動かしっぱなし そのせいもあってか、観終わったあとすごく疲れた… この作品、とにかく凄い! 何と言ったらいいのだろう 重厚というか、格式が高いというか… 観る者を寄せつけない張り詰めた空気のようなものが舞台には漂っている それは、実話を基にしているという重みもあるが、なんといっても出演者の方々の迫真のこもった演技があったからこそ成しえた業かもしれない 徳川家康を演じた市村正親氏の圧倒的な存在感と迫真の演技 母国と日本国の狭間で揺れる三浦按針を巧みに演じたオーウェン・ティール氏 欲望のままに生きる淀殿を凄みある演技で魅せた床嶋佳子氏 役者の方々それぞれが役に生きていて、その時代の一片を垣間見たような錯覚を覚えるほど、見事に舞台上という限られた空間のなかで世界観を作り上げていた そんななか、特に印象に残ったのは、藤原竜也氏 宣教師という役どころで、セリフの殆どが英語なのだが、見事なまでに流暢に披露 気迫のこもった演技に、役者魂を見たような気がした 歴史の渦のなかに呑みこまれ、運命を弄ばれた人々 辿り着いたその結末は、哀しく、あまりにも切ない 時代という言葉で簡単に片付けることは、決して出来ない事実 長い年月を経た今、自分は何を思うのか? 難しいことはわからないけれど、ただただ切なさだけが胸をギュッと強く締めつけていた 舞台 『ANJIN イングリッシュサムライ』 天王洲銀河劇場 2009年12月10日(木)~2010年1月18日(月)まで 出演/徳川家康…市村正親/ウィリアム・アダムズ(三浦按針)…オーウェン・ティール/宣教師ドメニコ…藤原竜也/徳川秀忠…高橋和也/淀殿…床嶋佳子/島津義弘…植本潤/本多正純…小林勝也 ほか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年02月09日 19時28分28秒
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