「ワン・モア・キス」と「カルーソ」
サムの誕生日にオペラに行こうと誘ったシャーロット。実は彼女はあまりクラシックが好きではありませんが、客やスタッフの前で激しくサムを詰ってしまった彼女は、サムに決定的な材料を与えてしまったことに気付いています。このまま彼の心を失うのは、今まで二人で力を合わせて積み上げてきたものは、諦めるに諦めきれません。何とかサムを繋ぎ止めたい・・・仲直りできないか・・・彼女が用意したのはサムの誕生日に合わせたオペラコンサートでした。シャーロットには、しばらくの間忍んで欲しい、それがサムの願いでした。しかし選択を迫られたあの大喧嘩以来、その願いが如何に自分勝手であるかを考えつづけていました。それでもシャーロットと仲直りをすべく、コンサートに行く準備をしていたところへサラがやってきます。とても運命的な歯車の転回で、この瞬間にサムはシャーロットとの別れを決意するでしょう。そして劇場でサムを待つシャーロットも、この瞬間にサムとの別れを決意する。このときに舞台で上演されている曲映画でオペラのアリアが使われるときは、ほとんど何らかのメッセージを含んでいますので、多分、この曲もそうだろうとは思っていました。が、私も極メジャーなオペラしか知りませんので、この時の哀しそうな曲は謎のままでした。この謎をとても丁寧に根気よく、しかも大きな犠牲を払ってまで見つけだし、教えてくださった熱心なジェリー熱の方がいらっしゃいます。(knonokさん、ありがとうございます。)この曲の題名は「カルーソ」世界的に有名だったイタリアのテノール歌手エンリコ・カルーソを歌ったものだそうです。エンリコ・カルーソについてはその半生が映画化されています。映画:「歌劇王カルーソ」「ワン・モア・キス」での参考サイトhttp://www.bfi.org.uk/sightandsound/review/466のサウンドトラックのところに以下の記述が。「"Caruso" by Lucio Dalla, performed by Julian Jensen」knonokさんは以前テレビの中継から録画したビデオをお持ちで、その字幕を丁寧に書き取ってくださいました。が、その作業の際に古いビデオデープは伸びて、もう使えなくなったとか。。(泣)そしてknonokさんの情報を元に検索した結果、パバロッティの歌でCDが出ているのを発見。早速注文したのは言うまでもありません。ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FLPU/ (上記のURL先頭に h をつけてくださいね。)☆「カルーソ」の歌詞(1998年「サッカー・フランス大会」開催のイベントでパリのシャン・ド・マルス会場にて「三大テノール夢の競演」の際にNHK放映の字幕からの転載です)カルーソ(ルチオ・ダルラ) 美しい海が 星たちを招き 強い風が吹いている とある古いバルコニー それはソレント湾に向いている そこで 一人の男が娘を抱きしめている 彼は さめざめと泣いた後 せきばらいで声を整え 再び歌を歌い始めた 僕は あなたが大好きだ そう とても とても好きだ あなたはこうして鎖を その熱い血で解き放ってくれる 海に光る明かりを見て アメリカでの夜を思った 海の光は夜釣りの打瀬網 そしてス クリューの残す白い波跡・・・ 彼は音楽に悲しみを感じ ピアノから立ち上がった けれど雲間に月が現れるのを見るうち 死さえも 何か甘く思えてくる 彼は娘の目を見た 海のように青い その娘の目を すると急に涙がこぼれ 彼はまた歌い始めた 僕は あなたが大好きだ そう とても とても好きだ あなたは こうして鎖を その熱い血で解き放ってくれる 不思議な力のあるオペラ・・・ オペラは 偽りから成るドラマでも 化粧と演技で 別人になれる けれど今 こんな近くに ひたむきな 彼女の目を見ると 言葉を忘れ 思いが乱れ そして 何もかもが小さくなる アメリカでの夜さえも 彼は振り返り 過ぎた人生を思う スクリューの波跡のような人生 それは紛れもなく終わりのある人生・・・ けれど彼はもう あまり考えなかった そう 何やら 幸せな気分になって 好きな歌をまた歌い始めた 僕は あなたが大好きだ そう とても とても好きだ あなたは こうして鎖を その熱い血で 解き放ってくれる 僕は あなたが大好きだ そう とても とても好きだ あなたは こうして鎖を その熱い血で解き放ってくれる その熱い血で 解き放ってくれる 解きはなってくれる・・・