映画バトンに挑戦-その2
3.自分のこれまでに見た、忘れられない映画(その1)沢山ありすぎてとても書ききれませんので、中から数作を順次書き上げてみます。★バベッドの晩餐会http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD11980/index.html我が人生で最高の映画。まだこれを越えるものはありません。シンプルな映像と物語に詰まった、フルコース以上の満足感。ユトランドの厳しい暗い空気。百年一日のごとき村のくらし。敬虔な信仰心。慎ましい生活。そういったものが織り成す錦が、それでも年とともに次第に色あせた錦が、みるみる色鮮やかに蘇り人々に善意と信仰心を取り戻させる。それはまるで魔法の杖のひと振りのような、バベットの手から生まれる芸術の力。後半はただ食べるシーンなのに、観ている私も映画の中の村人同様、神の導きを受けたように見終えた後長らく幸せでした。宝くじであたった1万フランを一晩の12人のフルコースに使ってしまっても、供することに幸せを感るバベットの「芸術家に貧しい人は居ない」という言葉をこの上なく美しく感じた名作でした。最近、ネットで探し回り中古ビデオを手に入れました。生涯大事にしたいと思う映画です。★哀愁ビビアン・リー、ロバート・テイラー主演 1939年製作たった二度だけ、レンタルビデオで観ましたが、以後近所のビデオ店から無くなりました。メロドラマの原点と言われ、日本で戦後一世を風靡した「君の名は」は、全くこの映画を下地にしているらしいです。(さすがに「君の名は」を知っている年代ではございません。^^;;)この映画の何が好きだといって、悪い人が出てこないのですよね。誰も邪魔をする人などいない恋なのに、戦争という時代が愛する二人を引き裂き、ヒロインの人生を翻弄する。製作年を見ると第二次大戦の直前なのを、この文を書くにあたり調べて知り驚きました。当初は反戦を意識した映画かと思っていましたが、戦争と戦争の狭間の時代、ひょっとしたら当時は全く当たり前の空気を、いま観ているからかもしれません。そしてもっと驚きなのは、この映画「風と共に去りぬ」と同じ年に製作されていること。。ビビアン・リーはあの勝気でわがままなスカーレットと、純情で心優しく弱々しい踊り子を、同時に役作りしたと思われます。美しさはどちらと決められないものの、こちらの可憐な雰囲気は、同じ女でもため息が出て、少しスカーレットのしたたかさが欲しいくらいです。(笑)最高に美しいビビアン・リーを史上最高のメロドラマで、バスタオル(ハンカチくらいでは追いつかない)を用意してぜひとも再会したい映画です。★ぼくの美しい人だから (1990年)アメリカ出演: スーザン・サランドン, ジェームズ・スペイダー監督: ルイス・マンドーキ www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002T1Z30/初めて観たのは私が映画の中のノーラと同年代の頃。子育てに区切りがついて、さて自分の為に生きてみるか思ったとき、はたと若い頃の肌の張りも体力もないのを思い知らされます。もっと違う人生があるのではないか・・・と、夫との関係をじっくり見つめはじめるのもこの頃。ときめきだって求めたいけれど、自分にとても自信がもてないで、心の中で煙がくすぶり出す時です。43歳のノーラと27歳のマックスの恋愛は、そんなときの私にとても勇気をくれました。年の違いと性格や暮らしぶりの違いからくる、マックスの戸惑いとノーラの自尊心などが、細やかで丁寧に描かれ、夢のような話に現実味を与えています。スーザン・サランドンが下層だけど、信念と向上心のある女性を好演していて、この映画で私は彼女を好きになりました。マックス役のジェームズ・スペイダーがほんとに貴公子風にきれいで、その癖セクシーで、役だと知りながらもノーラが妬ましいけれど、だからこそまたもらう勇気も大きいのです。時々鑑賞し気持ちを引き立たせてもらいます。ちなみに原作の小説は、さらに深くて読み応えがありました。