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カテゴリ:戯曲 ぐゎらん堂書店の店長さんの事
ご無沙汰しておりま~す! ちょっとまえに、お気に入りのtakatobaabaさんから、トイレの環境 ポスター(的なもの~?)について、描いてみない~?と、お誘いを 頂いて・・・アハハ~、描いてみました。 何だか、中学生っぽい感じですが。(お恥ずかしい・・・へへへ。) baabaさ~ん・・・もしも、使ってもいいかなぁ~、なんて、思ったら、 プリントアウトして、使って下さ~い。 因に、ぬりえバージョンも、ご利用下さい! 戯曲 ぐぁらん堂書店の店長さんの事 ***** ***** 青年 新聞に載る程の良い事も悪い事もやっ ちゃいません。 デモシカ やったやった云っても、結局、君 ら若者は何もやっちゃいないじゃないか。 青年 やってない事自体、重荷なのです。 店長 君ーー。 青年 そう、考え過ぎはわかってます。そん な事、誰れだって同じ思いです。でも、自 分が可愛いから、早く楽な気持ちにさせて やりたいから、こうしてあやまっているの でしょう。 デモシカ 青年にありがちな、精神的な乱れ ですな・・・あやまりたければ、あやまれ ばいいでしょう。 青年 ああっ!! 僕はなんてダメな人間なんだ っ!! 自分の事しか考えない、自分が可愛く て仕方が無い、自分を助ける為なら、何で もしかねない僕自身が、たまらなく嫌なん だ!! 過去が重荷になれば、きっとそれを忘 れてしまう。忘れちゃいけない事でも、き っと忘れてしまう。苦しむ自分を、一刻も 早く助けてやりたくて仕方ないんだ!! 事実、 僕はあやまって、あやまる事で許してもら おうとしている。お叱りの言葉を待ってい るんだ。僕はもう嫌だーー。 章子 青年ーー。 青年 僕はーー。 店長 君ーー。 デモシカ 私は君を叱る事も、なぐさめる事 もしてやれんよ。 店長 それは、あなたの云う、反省の為です か? デモシカ (ちょっと考えて)そうかな?ど うだろうかーー。 玉夫 忙しい身の上だからねえ……。 野呂 人非人!! やっぱりあんたはデモシカ教 師だ!! デモシカ なに?! 野呂 どうして叱ってやらないんだよ!! 玉夫 ♪ しか~られて~ しか~られ~て~ あの子は街までお使いに~ デモシカ だから分からんのだよ!! 私には。 野呂 分からないですますんですか? デモシカ もういい。私はこの店から、一刻 も早く離れたいよ。 デモシカ先生は花道を去ろうとする。 青年 デモシカ先生!! デモシカ (立ち止まり)何か? 青年 僕も教師になろうと思った学生のひと りでした。 デモシカ (振り返り)ほう。 青年 でも、なれませんでした。 デモシカ そうかね。 青年 でも、決して単なる興味半分でやった 事ではありません。かと云って、履歴書に 書くと幾らか格好が良いからと云うわけで もありません。 デモシカ 当たり前だよ。そんな……。 青年 僕、教育実習にも行かせて頂きました。 デモシカ そうかね。 青年 僕は結局、試験も受けてないんです。 デモシカ そう云う学生が多いんだよ。成程 ね。近頃は、免許だけとっておこうって人 が多いんだよ。安易に教育実習に来られる と困るんだよね。君だって知ってるだろ? 学校側だって、実習生を受け入れる義務は ひとつも無いんだよ。好意で受け入れてく れてるんだよ。それにもまして、本職でも ない君等、実習生が教えている生徒達には、 練習に使える時間なんて無いんだよ。彼ら には大切な時間であり、取り返しのつかな い時間なんだよ。本番なんだよ。 玉夫 まな板本番!! 店長 ばかもん!! 玉夫をロープに飛ばして、戻って来 たところを、アックスボンバーを食 らわす。 青年 よく分かってます。 玉夫 ♪ 本は~なん度でも、読みかえせて も 人の人生は、繰り返せない 一冊の本の、歳月の重さ 君に借りたまま、返せない愛 返せない愛がある~ 玉夫はふらふらバタンと倒れる。 デモシカ その、よく分かってる君が、どう してやめて仕舞うんだい?それを無責任と 云わずして、何を無責任と云おう!! 青年 はい。僕は無責任です。でも、精一杯 やったつもりです。僕には教える事なんて できない。でも、共に生きて行きたかった。 いっしょに人間になっていきたかった……。 只、それだけだったんです。でも、きっと、 動機が不純だったのでしょう。 デモシカ 何故かね? 青年 別に、教師でなくてもよかったんです。 でも、きっと人間らしいものだと思ったか らです。人間に自分から関わって行きたい、 能動的に生きてみたい、より人間らしく生 きられるんじゃないかって・・・ デモシカ それはそうさ。人間は教育される ことによって人間に成り得るのだから。 章子 それじゃ、あんたが教師をあきらめた ってことはーー。 青年 僕は、人間らしく生きる事をあきらめ たのです。 店長 野呂 玉夫 ええっ?! デモシカ 青年 無理だったんです。 店長 人間らしくったって、どんな生き方だ って、大方は人間らしいものじゃないか? 青年 そうですね。例えば、戦争を起こす事 だって、下着どろぼうをする事だって、人 間らしい事と云えるかも知れませんしね。 野呂 下着ドロの件では、僕もれっきとした 人間と云えますね。 玉夫 (寝転んだまま)野呂さん!! 野呂 ん?! 玉夫(起き上がって)そんな事が問題なん すか? 野呂 いや、別に……。 青年 僕は、小さい頃から人間を好まなかっ た。好まないと云うよりも、人間には興味 を持っていなかったんです。どちらかと云 えば、人間以外の動物や植物を好んだんで す。人間と目が合う事を好まない僕は、よ く動物と見詰め合った。彼らは裏切らない。 好きなものは好きだし、嫌いなものは嫌い だ。僕は安心して彼らと付き合えた。動物 と話せる自信があった。でも、それは単な る僕側の意見でしかなかった。僕はやはり エゴイストだった。自分の欲望の為のペッ トとして動物を飼ってきたし、何匹も殺し てきた。勿論、殺す気で殺したわけじゃな い。それこそ、本気で愛していたつもりだ った。愛するなんて言葉、使いたくないけ ど、本当に大切だったーー。そんな風に思 ってるある日、友人が精神病になってしま った。 章子 友達がーー。 青年 精神病になって行く友人に、どうして 僕は気が付かなかったんだろう。 章子 鈍感だからか?! 青年 結局はそうでしょう。僕は友人を助け てあげられなかった。ひょっとすると、僕 も彼をそうしてしまった要因のひとつだっ たのかも知れない。僕の中で彼は、そんな に大切な存在ではなかったのです。僕は増 す増す人間から遠ざかった。けれども、動 物も僕を受け入れてはくれなかった。動物 達にとっても、僕はやっかい者だったし、 加害者に成り得る者だった。そして思った んです。 店長 何を? 青年 自分から求めちゃならない。只、彼ら が僕を必要とする時だけ、僕は最善を尽く して働きかけようと。 店長 自分から求めちゃいけないかな?! 野呂 時と場合によっては……。 玉夫 なんと消極的な事よ。 青年 そして僕の残された道はーー。 章子 泥沼だった? 青年 いいえ、アススァルトです。 章子 本当に?! 青年 僕は思ったんです。人間らしく生きて みよう、とーー。動物になれなかった僕で す。人間になってなれるものなら、人間と して生きてみようと。そして選んだのが、 教師の道だったんです。 デモシカ 教師がアスファルトかねーー。 玉夫 雰囲気じゃねえか……。 ***** ***** くたびれたので、今日はここまで・・・とっぴんぱらりのぷ~。 今日は、とっても暖かで・・・ベランダは、過ごしやすいです~。 お洗濯から、湯気が立ってま~す。 アハハ~、でも、うちの場合、家の中は妙に、寒いんですが・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年02月03日 10時30分17秒
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