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aituに乾杯

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2019.05.25
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カテゴリ:おもひでぽろぽろ



                                                                                      
そんなに
昔のことではないのに
なぜだか
鎌倉時代の古文書でも見るような気がした

父の小学校の卒業写真と卒業証書が
田舎の生家の納戸の奥から出てきたと
今住んでいるいとこから連絡があった

鎌倉時代と違って今は便利な世の中で
当の写真を送らなくても
スマホで写真に撮って一瞬のうちに送ることができる

別に特別感慨に耽ることもない
自分の卒業写真や婚礼写真といっしょで
ほとんど見直すこともなく
ああそんな時代もあったんだと思うくらいだ

でも
このころの父はすでに父親を病気で亡くしている
他に男の兄弟はなく姉妹だけで
稲作には不向きなシラス台地で主にサツマイモや大根や煙草を育て
貧しい家計を支えていたと聞く
卒業するその小さな胸に
どんな思いが去来したのだろう

もっとも父は大きな声でよく笑う人だった
当時は当然のようにその日その日を闊達に生きていたのかもしれない
僕が小学校に入るころ
高度成長に合わせてみながみな
田舎の生活に見切りをつけて都会に出稼ぎに出た
小さいころはよく父にどつかれたけれど
盆と正月に帰省してくる父が待ち遠しくて仕方なかった

あれっ!
なんだか気が付くと
鎌倉時代の古文書のようなものは
自分自身の思い出にすり替わっている

学校の歴史のテストに
なんでこんな古臭いもんを勉強せなあかんの?
とぼやいていたクラスメートがいた

彼も同じく今頃は還暦を過ぎている
その歴史の意義に彼ももうそろそろ気付くころだろうか?
 





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最終更新日  2019.05.25 12:30:02
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