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カテゴリ:昭和
![]() 写真1 明治座 ![]() 写真2 新橋演舞場 前回、三年後に歌舞伎座もビルに入る話を致しました。明治時代に創設された明治座も、大正時代に創設された新橋演舞場も、既に近代的なビルに入っています。 最近では、劇場だけを独立して建設したのは、新宿区初台にある新国立劇場だけだと思います。民間経営の劇場では経済性と便利さの観点からビルを建ててその中に入るのは趨勢になっています。 現在の明治座は、浜町センタービル内に新明治座として営業しています。明治座の発足は明治26年(1893)ですから歌舞伎座の設立と同じくらい早い出発でした。上演するものも最初は歌舞伎、新派などでしたが、その後は時代物ばかりでなく現代物も盛んに取り上げるようになります。 少し前、明治座の前を通ったら、嘗てコント55号で漫才をしていた荻本健一と坂上二郎の幟が立っていました。ビルの横に幟が立ててあったので劇場だと分かる位で、ビルそのものはフラットで地味な建物です。(写真1) 現在の新橋演舞場は、日産自動車本社ビルとの複合ビルの中で営業しています。新橋演舞場は、大正14年(1925)銀座木挽町に新橋芸者の技芸向上を披露する場所として創設されました。そのため京都の都(みやこ)おどりに倣って東(あずま)おどりの舞台として開演し、今でも年に二度、春秋の東おどりが盛大に行われます。 それだけでなく、最近は前衛的なスーパー歌舞伎を上演して注目を浴びています。偶々近くを通りかかったら、新春公演で大勢の観客が開演を待っていました。 劇場は建屋を見るのではなく演劇をみるのですから、劇場そのものがビルに入っても一向に構いません。ビルに入って劇場内部の設備や装置が改善されて、観客の楽しみが増せばそれでよいのです。 それでも、華のある劇場がビルの中に入っているのですから、オフィスビル然とすましておらず、ビルの外観にもう少し派手な装飾を施したらよいのにと思います。浅草の大衆劇場のようにとは行きませんが、劇場ビルにはその前に立った人々をわくわくさせる工夫が必要だろうと考えます。 (以上) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.01.25 22:28:20
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