高校を卒業したばかりのまひろは、血の繋がらない祖母と暮らすことになった! 自分に正直に生きてきた70代の女性と、彼女の家に下宿する個性的な面々との生活を描く家族小説。『読楽』連載を加筆修正。
まひろの家族事情は、ちょっと複雑。実の両親は幼い頃に離婚。父親は再婚した母親とともに事故で死亡。義母の妹に引き取られるも、彼女が結婚した相手の転勤で北海道へ行くことになるが、高校卒業間近だったので、同行せず、新しい父親の母が住む家に引っ越すことになった。義理の祖母となった三原伽羅は、詩人で小説家で画家で、女優だったうこともある多才な女性。彼女が住む東京の下町にある古い洋館には、新進の芸術家、建築家志望の学生、バーを営む歌手の女性といった個性的な面々が住んでいる。新しい環境の中、ユニークな同居人たちとともに暮らすまひろの日常を描く。
本書は、家族事情がちょっと複雑な高校卒業したばかりのまひろが、東京の下町にある古い洋館に住む義理の祖母とそこに住む個性的な同居人たちとの暮らし日々を描いた物語。老若男女を問わず人柄も良く才能に溢れる登場人物たちと主人公まひろとの生活は淡々とした中にも、成長を見守る登場人物たちの優しさが描かれていて、面白かったです。
【満足度】 ★★★★