新米駅伝監督・成竹と学生ナンバーワンランナー神原は、戦時下に箱根駅伝開催に尽力したとある大学生の日記を受け取った。箱根を走ることに命を賭けて挑み散っていった青年たちの熱い想い、青春を令和の現代と交錯させて描く。
ボストンマラソンの会場で、とある選手から古びたボロボロの日記を受け取った新米駅伝監督・成竹と学生ナンバーワンランナー神原。それは、戦時下に箱根駅伝開催に尽力したとある大学生の日記だった。その日記から過去を覗いた二人が思い知ったのは、美談でも爽やかな青春でもない、戦中戦後の彼らの壮絶な軌跡。そこには「どうしても、箱根駅伝を走ってから死にたい」という切実で一途な学生達の想いが溢れていた。 現代の「当たり前」は昔の人々が死ぬ気で勝ちとってきた想いの積み重ねと知った彼らは……。そして、戦時下の駅伝を調べ、追う彼らに起きた、信じられないような奇跡とは。
本書は、現在と戦時中を行き来しながら箱根駅伝を描いた作品。箱根駅伝は今年で第100回を迎えましたが、戦時下の箱根駅伝を描く昭和パートと現代の令和パートが交錯して描かれており、戦時中、戦後の開催に尽力した学生たちの想いには胸が熱くなりました。
【満足度】 ★★★★