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カテゴリ:制作方法
紙漉きのことはテレビで見たり、体験したりして、知っている人はけっこういるかもしれませんが、和紙の原料がどのようにできるかご存知でしょうか? そもそも紙は木からできているのです。 いまさらな話しですが、たまに知らない人もいるのです。 特に子どもは「石油か何かから工場でできるもの」と思っている子がいます。 工場でできるということは、間違いではないですが…。 これは自宅でもできるのです。 楮の木から ↓ 和紙が自宅でできるのです。 和紙に使う木はおもに、楮(こうぞ)・三椏(みつまた)・雁皮(がんぴ)といったものです。 一般的には楮が一番多く使われています。他よりも繊維が長いので丈夫な紙になります。 楮から和紙ができるまでには2段階あります。 最初は、楮から原料(繊維)になるまで。 2段階目は原料(繊維)を使っての紙漉き。 今日は、1段階目の、楮から原料(繊維)になるまでを見てみましょう。 簡単にいうと、木の皮を煮て柔らかくし、叩いて原料の繊維にするわけです。 1 楮の木を切る。時期はおもに11月から2月の間といわれています。雪が積もる前に刈り取り、蒸し器に入る大きさに揃えます。 2 蒸す。これは皮を剥きやすくするためです。 3 皮を剥く。芯の部分は使いません。皮の方を使います。 4 黒皮を煮る。苛性ソーダを原料の約20%加えて煮ることで、繊維を接着している物質を溶かしてくれます。↓写真は煮て柔らかくなった楮の皮。 5 表皮、甘皮などを包丁の裏やスプーンなどで削り取る。 6 水洗い。この時に木の皮やゴミを丹念に取り除く。この後、天日に晒したり、雪に晒したりして漂白しますが、ここでは未晒しのまま使います。 7 叩解。小槌などで叩いて繊維を短くします。この作業によって繊維を長くしたり短くしたりすることができます。 こうしてできたものを原料として紙漉きをするわけです。 この方法で楮だけではなく、身近な樹木から紙を漉くこともできます。 ただし、あまり繊維の短いものは破れやすくなりますので、その場合、楮の繊維をまぜてあげるといいでしょう。 和紙造形では、通常できあがった繊維を使って作品制作にとりかかりますが、 体験として、こういった原料作りをすることが作品制作の役に立つこともあります。 この↓写真のように叩解前の繊維もありますので、これを手にいれて自分で叩くことで、繊維を自分好みの長さに調節することができます。以前の記事にあるように筆を持ちかえることが容易になるのです。 さて、ここまでが原料(繊維)の作り方です。 そして次の2段階目ではこの原料(繊維)使って紙漉きをしますが、 それに関しては、以前記事にしていますので、こちらをご覧ください。 これは和紙造形の紙漉き方法です。自宅で和紙を作ることができます。 読んでいただいてありがとうございます。 ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。 1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。 お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。 参考までにこのバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。 なにかを記入したりする必要などはまったくありません。 ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、 終了するのも自由です。 ●和紙造形の展覧会が開催されます。 「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」奇しくも同時開催。詳しくはこちらを。 2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて 10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで ) ●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。 Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。 http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年09月16日 16時19分45秒
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