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墨田区の建築家 「気まぐれブログ」

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2012年07月12日
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建築の寿命ってどのくらいか知っているでしょうか?学生の頃、建築材料学の深尾先生が「鉄筋コンクリートの寿命はどのくらいでしょう?」と、学生の意識調査をしました。まだ建築の事も良くわからないので、コンクリートと言えば石と同じように固いので「∞」と書きました。∞はインフィニティーと言い無限を表す記号です。ところが正解は60年という事でした。鉄筋コンクリートは、型枠を組みコンクリートを流し込んで形を作る構造です。コンクリートの中には鉄筋が入っており、鉄が引っ張り、コンクリートが圧縮を受け持つことで双方の長所を併せ持つ19世紀の大発明です。弱点として鉄筋がさびることで、コンクリート面を押し出しひび割れが発生し、そこから更に雨水や、二酸化炭素が入り込み鉄筋のさびが進行するという悪循環に陥る事です。ですから、鉄筋のさびにつながるコンクリートのひび割れやジャンカ(セメント量が少なくスキマが出来ている様子)は良くありません。60年というのは、設計通りに工事が良好に行われた場合の寿命です。それでは、世の中の建築はちゃんと施工されているのでしょうか?実は、そうとは言い切れません。

都市基盤整備公団(その後都市再生機構、愛称として「UR」)が1989年から1992年まで分譲した分譲マンション八王子の「ベルコリーヌ南大沢」。建設当時はイタリア中世の山岳都市をイメージしたとして業界でも話題になったデザイナーズマンションでした。ところが、施工不良がひどく、壁から水が漏るので不審に思い内装のボードをはがすと、コンクリートが十分回っておらず、砂利が見える状態で、その砂利を指でかき取ると砂利がボロボロと取れて外につながってしまったとのこと。これでは、人類の優れた発明、鉄筋コンクリートも60年持つどころか、小さな地震にさえ耐えられるものではないです。その後、住民の訴えから、建設後15年程でようやく建て替えることを決定、分譲した42棟の内20棟で建替えが進んでいます。

これは、たまたま施工不良が見つかった物件ですが、コンクリートの施工不良は巷では良く起こっていると思います。コンクリートは大発明ですが、シンプルでコンクリートが流し込み易い形なら問題は少ないのですが、住宅のように壁が薄かったするとコンクリートの流し込みにくいのです。そのため施工者はコンクリートの水分量を多くして流し込み易くします。しかし、そうするとコンクリートが固まったあと、空隙(スキマ)の多いコンクリートになってしまうのです。私は、水セメント比を50%以下にする様に施工者に言います。水セメント比は小さい程セメントが多くて隙間が少ないコンクリートになります。しかし、言わない限り必ずと言って良い程55%程度、場合によっては60%になっていることもあります。
ローマ皇帝ハドリアヌス帝は、起源125年にパンテオン神殿を建てました。これは、コンクリートを使って建てた建物で、建設後1900年にもなろうとしているのに立派に建っています。
わずか20年ももたないコンクリートを打つなんて日本人は、いまだにローマ帝国の足元にも及びません。∞のコンクリートを目指したいものです。
現代風水建築家?金谷直政
かなや設計





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最終更新日  2012年07月12日 11時01分33秒
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