やおい君の日常的でない生活

「イバラギ」と云う、太平洋に面した県が我が国に存在すると長年信じられてきた。
「イバラギ(Ibaragi)」は「イバラキ(Ibaraki)」と呼称されることもごく希にある。


先日、通販を利用した際に「1500円以上送料無料*ただし離島・茨城は別途送料がかかります」と書いてあったので詳細をネットで調べてみた。

結論から述べると、イバラギと云う県は我が国に存在しなかった。
21世紀になり超光速航行技術が確立されると人類は本格的な宇宙開発と植民に着手した。
地球自体銀河系の辺境に位置しているが、そこから更にに外れた渦状技にイバラギ系第3惑星「イバラギ」は存在した。
重力0.9G、酸素・水素・ヘリウムの混合した大気を持つ惑星。
日本の航空自衛隊の下部組織として暫定的に創設された航空宇宙軍の探査船が惑星・イバラギに降り立ち調査を開始した。

イバラギ星人は実在した。
日本語と酷似した言語を持ち、農耕が行われていた。
人口約8万のこの星を植民地化するのは容易だった。
日本政府は隣接する都道府県との境界に時空不連続帯を設置し、「茨城県」と云う県が存在するかのように国民を欺いていたのだ。

魔夜峰央『やおい君の日常的でない生活』、表題作の他
「時の流れに」(「COMICOMI」1984SF増刊・春)
「翔んで埼玉」PART I-III(「花とゆめ」1982年冬の別冊～1983年夏の別冊)を採録。

尚、現在茨城県にお住まいの方はこのブログは読み飛ばしてください(笑)



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