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April 3, 2007
XML
テーマ:Jazz(1967)
カテゴリ:Album
Traveling Miles

トラヴェリング・マイルス / カサンドラ・ウィルソン
Traveling Miles / Cassandra Wilson


オリジナル盤発売日:1999年3月23日
レーベル:Blue Note

[パーソネル]

カサンドラ・ウィルソン(vo,produce)
ロニー・プラキシコ(b)
マーヴィン・スーウェル(g)
ケヴィン・プレイト(g)
エリック・ルイス(p)
ミノ・シネル(perc)

ゲスト:
パット・メセニー(g)
レジーナ・カーター(vln)
ステファン・ハリス(vib)
デイヴ・ホランド(b)
スティヴ・コールマン(sax)
アンジェリーク・キジョー(vo)
オル・ダラ(cor)


[収録曲]

1.Run the Voodoo Down ラン・ザ・ヴードゥー・ダウン
2.Traveling Miles トラヴェリング・マイルス
3.Right Here, Right Now ライト・ヒア・ライト・ナウ
4.Time After Time タイム・アフター・タイム
5.When The Sun Goes Down ホエン・ザ・サン・ゴーズ・ダウン
6.Seven Steps セヴン・ステップス
7.Some Day My Prince Will Come いつか王子様が
8.Never Broken ネヴァー・ブロークン
9.Resurrection Blues (Tutu) レザレクション・ブルース
10.Sky And Sea (Blue In Green) スカイ・アンド・シー
11.Piper パイパー
12.Voodoo Reprise ヴードゥー・リプライズ
13.Prancing プランシング(日本盤ボーナス・トラック)

----------

1996年の名作『ニュー・ムーン・ドーター』から3年ぶりの、
1999年、カサンドラ・ウィルソンのアルバムです。
マイルス・デイヴィスへのオマージュをテーマに、
マイルスのさまざまな時期の代表曲や、カサンドラの作品をまじえて、
マイルスへ、そしてさらにジャズへ捧げるアルバムとしています。

なぜマイルスかということについてカサンドラは、
子供のころ最初に聴いた人であり、空間の使い方や少ない音数での効果的な音の使い方とか、
いろいろな面でずっと影響を受けた人であるからと説明しています。
そして、このアルバムは、
「トリビュート(捧げたもの、賛辞したもの)というよりは、
オマージュ(敬意を表したもの)という感じよね。
マイルスの哲学というか、精神をテーマにしたアルバムなのよ」。
なお、マイルスは時代と共に常にスタイルを変えていった人ですが、
どの時期のマイルスが一番好きかということについては、
「とくに、ある時期ということはない。
マイルスの常に前に進んで、常に音楽を変えていった様が好きなので。
音楽というものは常に進化していくもの、それを体現していたマイルスが好きなのよ」。

このアルバムに収められている作品は、マイルスのオリジナル曲でけではなく、
歌詞のないものにはカサンドラが歌詞を付け、他人の曲ながら、マイルスが取り上げていた曲、
そして、マイルスの世界をイメージしたカサンドラのオリジナル曲で構成されています。
カサンドラは、このアルバムを、単なるマイルスに捧げるというだけではなく、
同時にアフリカから脈々と続く先祖代々の人々へ、
そしてジャズ全体へのトリビュートとして作ったのだと言います。
「だからマイルスのレパートリー曲に、ただ歌詞をつけて歌っているだけではないのよ。
生涯前進し、変化を怖れなかったマイルスのスピリットを心情とし、
彼に捧げるオリジナル曲も4曲書き、彼へのオマージュにしているの」。

マイルスの影響についてカサンドラは、
「実は、私も気がついていなかったの。
でもよく人からマイルスのトランペット・プレイと、私の歌い方の類似点を指摘される。
音楽のうちにスペースを持たせようとする点、
また、インプロヴァイザーとして音の選択のしかたに、確かに似ているところがある。
そう思って振り返ってみると、私の一番古い記憶に、ミュージシャンだった父が持っていた
マイルスの『スケッチ・オブ・スペイン』のレコード・ジャケットで遊んでいたことだった。
マイルスはすごいわ。
今という瞬間に生命を燃やす大切さを、音楽を通して教えてくれた。
過去の音楽的業績に安住しないで、いつも前に進んでいく勇気も。
いまだに『ビッチェズ・ブリュー』以降のエレクトリックなマイルスに批判の声があるようだけれど、
もういいかげん理解してもいい頃なんじゃない?」。

1曲目、ラン・ザ・ヴードゥー・ダウン。
このアルバムの冒頭は問題作『ビッチェズ・ブリュー』の中から、
「ラン・ザ・ヴォードゥー・ダウン」から始まります。

2曲目、トラヴェリング・マイルス。
4年前に、エレピで作ったというオリジナルです。

3曲目、ライト・ヒア・ライト・ナウ。
リハで遊んでいてできたというオリジナルです。

4曲目、タイム・アフター・タイム。
シンディ・ローパーの1984年のヒット曲のカヴァーで、
マイルスのアルバム『ユア・アンダー・アレスト』に収録されたもの。
この曲を取り上げたとき、マイルスは批判されましたが、
死ぬまで演奏し続け、彼の墓石にこのメロディー・ラインが記されたように、
マイルスにとっては特別な曲だったことでしょう。

5曲目、ホエン・ザ・サン・ゴーズ・ダウン。
ただギターを刻んでいてできたというオリジナルです。

6曲目、セヴン・ステップス
アルバム『セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン』の同名曲。
歌詞はゴスペル的な趣を持たせたものをつけています。

7曲目、いつか王子様が。
同名のマイルスのアルバムに収録されている曲です。
マイルスの愛奏曲。

8曲目、ネヴァー・ブロークン
原題は「ESP」で、同名のアルバムの収録されているものです。
今回付けた歌詞の内容から、タイトルを変えました。

9曲目、レザレクション・ブルース
原題は「TUTU」で、同名のアルバムに収録されている曲です。

10曲目、スカイ・アンド・シー。
原題は「ブルー・イン・グリーン」で、
マイルスのアルバム『カインド・オブ・ブルー』に収録されているものです。
この曲はカサンドラのお気に入りで、
自身のデビュー・アルバム『マイ・ポイント・オブ・ヴュー』で、
すでに歌詞を付けて歌っていました。

11曲目、パイパー。
アルバム『スケッチ・オブ・スペイン』にトリビュートしたオリジナルです。

12曲目、ヴードゥー・リプライズ。
このアルバム1曲目に収録された曲の、アフリカ・ベナン出身の在仏モダン派、
アンジェリーク・キジョーを迎えた別テイクです。
カサンドラは「彼女が加わることによって、
より本物感が出ると思った」と語っています。

このアルバムは、パット・メセニーら有名ゲストも多いですが、
カサンドラ自身のプロデュースによる彼女ならではの、
リリカルなマイルス・サウンドが表現されています。

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Last updated  April 3, 2007 05:13:49 PM
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