カテゴリ:カテゴリ未分類
母が亡くなって最初の一週間
常に彼女の気配をあたしは感じていた。 夜やたら物音がする ドアをノックする音がする グッドタイミングでパチンコ玉が落ちる。 幽霊なんて今まで一度も見たことないんだけど 「あぁ、この人自分が死んだことにまだ気づいてないんだな」 って、素直に思えるほどその存在を感じていた。 それがあることを境に気配を感じなくなった。 ある日キーホルダーをカバンのポケットに入れておいた。 車に乗ろうとカバンを開くと なぜか車の鍵だけがキーホルダーから外れていた。 そんなことは今まで一度もなかった。 もちろんただの偶然なんだろうけど あたしにはそれが母からのメッセージに思えて仕方なかった。 「いってらっしゃい。気をつけてね」 私の母は双極性障害だった。 私が20歳の時からだからもう23年ほどになる。 正直一言では言い表せないほど とにかく大変だった。 母が亡くなってなかなか涙が止まらなかったので 彼女がとった行動で嫌だったことをリストアップしていたら 山ほどありすぎて涙がピタッと止まるくらい 母は沢山の問題行動を起こして来た。 よく精神疾患は家族の愛が大きなサポートになる なんて言われるが サポートする方としてはほんとにとにかく大変なのだ。 正直逃げ出したくなったことは何百回もあった。 実際一時期友達の家を転々として帰らなかったこともあった。 母が問題行動を起こすとよく父が嘆いていた 「もう一緒に暮らせない」 そんな父に母が亡くなった後聞いてみた 「やっと解放された感じ?それとも悲しい?」 「なんかね、楽しい思い出しか思い出せない」 昨晩母が夢に出てきた。 いつも通りダイニングでぺちゃくちゃ喋りながら いつも通り何かを食べてる。 でも夢の中のあたしはこれが夢で母が死んでいることを知っていた。 はっきりと聞こえる母の声。 もう2度と聞くことのできない母の声が 夢の中だとこんなにもはっきりと聞こえる。 夢から覚めたあたしはほんとに涙を流していた。 母とあたしの関係はまさに愛憎だった。 ずっと逃げ出したかった。 ずっと逃げ出せないと思ってた。 それなのにサヨナラもなくあっけなく行ってしまった母。 寂しがりやで わがままで スーパー甘えん坊のあなたが 痛い思いや恐怖を感じずに 逝けたかどうか今でもたまに考えてしまいます。 (精神疾患を抱えている人やその家族の方が気分を害されたらごめんなさい。 でも23年間双極性障害を抱えた母と過ごしたわたしの正直な気持ちを書きました) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
大切な方が亡くなると数ヶ月、数年と毎日のように亡くなられた方の事を思い出します。
きっと、もう会えないから頭の中で過去を振り返ってしまうのでしょうね。 そして心の中で生き続けていくと思います。 (2019.05.05 10:00:43)
明太子男さんへ
コメントありがとうございます( ´ ▽ ` ) そうですね、亡くなってやっと母と向き合えてる気がします。 たまに思い出しては涙することもあるかもしれませんが、人生諸行無常。時間をかけて対応していきます。 (2019.05.05 17:55:51) |
|