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カテゴリ:本
「巡礼」を読み終わってから暫く後に、友人と粗大ゴミのことで意見交換したことがあった。戦中・戦後の物のない時代を経験してきた身には、物を捨てることが下手というより「もったいない」が先行してしまい「いつか役立つ」を信じて溜め込んでしまう「性」が染み付いている。 「巡礼」の主人公忠一になりうる要素はだれにあり、まわりから疎まれる老人にも輝けるときがあり、孤独が判断力を失わせていった。 戦後の暮らしぶりが非常に丁寧に描かれていて、自分と重ね合わせて読み進め貧しいながらも心の豊かさがあった時代を懐かしんでいた。 最後の章で多額のゴミ回収費を払ってきれいに片付けて、弟と一緒に四国巡礼の旅にでるので、本のタイトルになっている。橋本治さんはこの巡礼をさせたくて書き下ろしたほ本格的長編小説。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 22, 2010 09:26:14 PM
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