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言葉を“面白狩る”

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2006/11/07
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「婚姻は人之大礼ニて子孫相続之為ニ候得は甚以重んずべき事ニ候、然ルニ当世此道を取失ひ、色情のミニ泥ミ重キ礼義を失ひ、小店身軽之者共差向相対ニて夫婦ニ相成、依之ハ父母兄弟之存意をも背キ、我儘之次第も間々有之不行儀之事ニ候」(寛政三年(1791)「堀川町覚書」)
婚姻は人の大切な儀式であり、子孫相続のためであるので、はなはだ重んずべきことである。ところが今はこの道を取り失ない、色情のみに泥み、重き礼義を失なっている。小店などに雇われた身軽な連中は、とりあえず二人の考えだけで夫婦になり、父母兄弟の考えにも背き我儘な行いが間々あり、不行儀なことである。

泥む】なずむ。(『広辞苑』)
(1)行きなやむ。はかばかしく進まない。とどこおる。(2)離れずにからみつく。(3)なやみ苦しむ。気分が晴れない。(4)拘泥(こうでい)する。こだわる。(5)かかずらわって、その事に苦心をする。(6)執着する。思いつめる。惚れる。


今はあまり使われない言葉で、「なずむ」と読むとは知りませんでした。「拘泥」の「泥」と聞いて、意味もなんとなく分りました。この例文の使い方は、(6)執着する。でしょうか。

この文書は、広島城下の町人に宛てたもので、多分、町奉行が出したものと思われます。
この文書を逆に読むと、「此道」から最も自由であったのは「小店身軽之者共」だった、と理解できそうです。どのように「身軽」であったのか、興味のあるところです。






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最終更新日  2006/11/07 09:44:51 PM



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