|
カテゴリ:カテゴリ未分類
「通用指紙之儀、以前は中長紙ニ相調候処、宝暦七年より仙固ニ相成候、然ル所仙固は墨付又はよこれニ紛レ候漉むら有之、度々其申出も有之候、依之当二月十五日出指紙より中長紙ニ相成候間、此段町新開へ触知せ候事、但、下地之指紙は其侭ニて通用可在之候、米建等素より新古之指別無之事」(天明二年(1782)「堀川町覚書」) 通用している差紙(米券)は、以前は中長紙で作成していたが、宝暦七年より画仙紙に変更した。ところが画仙紙は、文字か汚れか、紛らわしい漉き斑(むら)があり、たびたび申出もあったので、今年の二月十五日発行の差紙から元に復し中長紙になるので、町・新開へ触れ知せなさい。但し、今までの差紙はそのまま通用するので、米建等では勿論新古の違いはない。 この短い触書の中に“面白い言葉”が沢山見られます。 「指紙」は「差紙」です。「指」「差」ともに「さす」ですから、同じ使い方をしたものと思われます。「指支」は「差支」です。 「指別」を初めて見たときは、……?と思いましたが、「差別」(違い)のことだと解りました。 「他郡御代官通行之節、往還并村往還筋先案内之もの指出候義区々ニ有之候得共、以来は往還小路之無指別其村限長百姓壱人ツヽ指出、途中百姓とも行違ひ不敬之筋無之様可取計候事」(文化十二年(1815)『広島県史』) 他郡の御代官がお通りになるとき、往還や村往還の先案内の者の出し方が区々なので、以来は往還や小路に関係なく、その村の長百姓壱人出させて、途中で百姓とすれ違ったとき不敬のないようにしなさい。 紙の種類で「中長紙」はよくは分りません。「仙固」は、 【仙貨紙・仙花紙】(『広辞苑』) (天正年中、伊予の人兵頭仙貨の創製という) 質厚く、極めて強靱で、純白でない楮(こうぞ)製の和紙。袋紙または合羽の地紙とする。愛媛県宇和島原産。泉貨紙。 差紙(指紙)は米券ですから、厚手の紙を使ったのでしょう。すると、「中長紙」も「仙貨紙」と同じように厚手の丈夫な紙だろうと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006/11/28 12:07:31 AM
|