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言葉を“面白狩る”

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2006/11/30
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カテゴリ:カテゴリ未分類

「町議(町会議員)」なら知っていますが、「町儀」という言葉は馴染がありません。

町儀・町義】ちょうぎ。(『国語大辞典』)
 江戸時代、町人が町内のものに対しつとめた義理づきあい。家屋敷の売買、質入れ、婚姻、養子、隠居、移転などが行なわれた時、名主、五人組、家主、書役などに対し、所定の金銭、品物を贈り、ひろめをすることなど。


と、辞書は説明しています。

「私居宅表五間裏入弐拾間弐尺、但表之方ニ入五間有之表借家弐竈御座候て、裏ニ本家居宅元より有来、此分ニ只今迄住宅仕居申候処、此度為勝手革屋町伯父医師三圭方へ引越一所ニ相成、右居宅本家借屋ニ仕度奉願候、尤御町儀諸役等之儀は元より表借屋ニ家代之者差置候ニ付、只今迄之通相勤させ申度奉存候」(天明二年(1782)「堀川町覚書」)
私の家は、表間口は五間、奥行(裏入)は弐拾間弐尺、表の方に奥行五間の表借家が弐竈あって、裏に本家居宅が元からあり、ここに今まで住んていましたが、このたび都合により革屋町の伯父医師三圭方へ引越して一緒に住むことにしました。そのため右の居宅本家を借屋にしたく思います。御町儀諸役等については、以前から表借屋に家代がいますので、今迄通り勤めさせます。

「御町儀諸役」と書いてあるので、辞書の説明とほぼ一致しますが、「つきあい」という私的なものでなく、町民としての「勤め」を意味するようです。

「一胡堂西光寺町中より拙僧に御預被成、然ル上ハ存命の内無怠可致守護事、
一万事町儀の差図を請相勤可申事」(『知新集』)

胡堂西光寺を町中より拙僧に御預けになったからには、存命の内は怠りなくお守りいたします。それについて万事町儀の差図を受けて勤めます。

こんどは「町儀の差図」とあるので、「町民としての勤め」から、今の町内会のような「町中」に意味が拡がっています。

「右御役付之方角へ、町ニ寄盆節季町儀より之為附届包銀其外品物相贈候儀有之由、是又右同断之事」(寛政三年(1791)『広島市史』)
藩の御役付の方へ、町によっては盆・節季に町儀よりの付届けとして、包銀やその外品物を贈るというが、これも止めなさい。

「町儀より之為附届」の文言から、“町内会”のような組織だと理解してよさそうです。当然、年寄などの町役人が中心になって運営していることだろうと思います。






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最終更新日  2006/11/30 07:45:42 AM



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