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「近年水主町へ町方より事々敷談しありて、御水主の余力に「さなだ」をおらすべしとて手始ありし、水主町には勘定方役の手元にて銀子取替数々の機こしらへ渡し、織ならはせしに自が染色も備前さなだとは劣り、店にても捌けがたく見取も下直になりて引合ざれば、今は織ものなく機代等取替の銀子償ひかた六ヶ敷とぞ聞、是また見込ちがひどもにや。」(文政十二年(1829)『秘話独断』) 近年、水主町へ町方より「事々敷」話があって、御水主(加子)の内職に「真田織」を織らせるが良かろうということになり、水主町には勘定所が資金を前貸して数々の織機を拵え渡し織らせたが、染色も備前真田より劣り、店でも売れないので値段も安く、引き合わないため、今では誰も織る者もなく、機代等前貸の返済も困難だということである。これもまた見込違いであった。 下級武士の生活救済のために考え出された「真田織」も、「是また見込ちがひ」となり、殖産興業政策も失敗であったとしています。 「近々阿蘭陀領事官長崎奉行支配之もの附添出府休泊相成候、宿々は非常之手当致し、且蘭人見物之ため無用之もの猥ニ宿へ立入、猥成儀無之様、猶取締其外之儀可有之候 一蘭人見物之もの毎々群集いたし、通行差支候所も有之由ニ付、宿村役人共見計途中相詰、往来附添之ものより差図次第相制、尤宿組二階見世先等ニて事々敷見物いたし候儀は無之様、所役人共より兼て可申聞置候」(安政五年(1858)『広島県史』) 近々オランダ領事官が、長崎奉行支配の者の付添で江戸に行くため宿泊することになった。宿々は非常の場合の手当をし、オランダ人見物のため無用の者が勝手に宿へ立ちいるなど、みだりなことがないよう取り締りなさい。オランダ人を見物するため毎々群集して、通行に差支える所もあるとのことなので、宿村の役人共は見計らって途中に待機し、付添の者の差図により整理をしなさい。宿の二階や店先等で「事々敷」見物することのないよう、所の役人共より事前に触知らせなさい。 【事事しい】ことごとしい。(『広辞苑』) おおげさである。仰山(ぎようさん)である。たいそうである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/07/23 12:07:29 AM
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