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Comments

jiq@ Re:歌集紹介 『ねばならず』 足立尚彦(04/15) 歌詠みで忙しかったのでしょう、久し振り…
ちみ0526@ Re:歌集紹介 『ねばならず』 足立尚彦(04/15) 自分の「お気に入りのブログ」欄を見て、…
風間祥@ あれ、 二回も送信されちゃった。 ごめんなさい…
Aug 28, 2004
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薔薇の花たち


敗北を認めてしまふ 陽の下にただくれなゐの薔薇の咲(ひら)けば

四季咲きの薔薇の絡まる隣家には何も語らぬ若者がゐる

セピア色の暮しのなかの華としてコンソメスープに浮かぶ絹さや

地球儀に捜すこの街はろばろし空のこころで人を思へば

サイレンで始る九月 東京は寒天のうへの暮しのやうだ

どのやうに歩いてみてもゼロとなる運命なのか 風に向き合ふ

平等にひとつの心臓もちながら空を飛ぶ鳥、地を歩むわれ

鷺草もヲリヅルランも花時はあるかなきかの風にあかるし

明日ひとに逢ふと約しぬ二番目に咲く薔薇のやや小さき蕾

ジョセフィーヌ 蕾の薔薇を編みながら次の庭師の生誕を待つ


『眩』第六十号  2004.9



*題詠マラソン2004  こころに残った歌


088:句 篠田 美也 2004年08月14日 (土) 22時51分

迷はずに蕪村の句集を選びたるその過不足のなき指のかたちを

065:水色 多喜エリ 2004年08月16日 (月) 01時17分

水色の範囲内には収まっているはず君に吐いた嘘、嘘

012:裸足 藤原龍一郎 2004年08月16日 (月) 11時15分

国のためなる官能の絶頂の記憶の底のアベベの裸足

065:水色 落合和男 2004年08月17日 (火) 00時05分

正しさはつね明朗なひとのもの水色の空よいまに見ておれ

095:油 萩原留衣 2004年08月19日 (木) 08時56分

揺れることで丈夫に育つ植物のその逞しさを油絵にする

098:溺 原田 町 2004年08月20日 (金) 11時16分

八重洲ブックセンター万巻の書の海にカナヅチのわれは溺れてしまう

020:遊 コズエ 2004年08月20日 (金) 19時44分

水槽の回遊魚たちいつまでも同じ場所とは知らずに死んだ

083:皮 遊木 2004年08月21日 (土) 11時07分

この星はどこへ行くのか薄皮の上を走ってランナー一人

073:廊 高澤志帆 2004年08月21日 (土) 18時17分

恋人に会ふやう退社後かよひたりまだ売れてない画廊の裸婦に







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Last updated  Aug 28, 2004 03:48:02 PM
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