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「金沢の工芸に磨き」　ユネスコの創造都市登録で市長


　国連教育科学文化機関（ユネスコ）が金沢市をクラフト（工芸）分野で「創造都市ネットワーク」に登録したことを受け、山出保同市長が１０日、市役所で会見し、「世界が近づいた感じがする。金沢の特色をなすのがクラフトであり、さらに磨きを掛けたい」と述べ、「世界工芸都市」としての魅力を高めていく考えを示した。
　山出市長は金沢経済同友会が中心となって２００１年から金沢創造都市会議が開催されてきたことに触れながら、「いろんな論理付けや研究を続けてきた素地があった」と述べ、経済界と一体となった取り組みがユネスコ側に評価されたとの見方を示した。

　登録後の取り組みとしては、「伝統工芸の高付加価値化や文化のビジネス化を進めなければならない。新しいことへの挑戦は金沢の宿命だ」と語った。

　「創造都市」「クラフト」などの言葉が市民には分かりにくいとの指摘があることについては、「もっと易しい言い方がないか、研究して見つけていきたい」と強調。「手仕事のまちという言い方でどうかという思いもある」「ユネスコという言葉を前に出した方がよいのではないか」などと語った。

　官民連携組織の金沢創造都市推進委員会の実行委員長である福光松太郎金沢経済同友会副代表幹事も会見に同席し、世界で１７都市目の登録となったことについて「少数精鋭のネットワークに金沢が認定され、世界的な格付けが上がる」と述べ、都市の品格が高まることを期待した。


　市役所前には１０日、「創造都市」登録を知らせる広告塔が設置され、山出市長と福光氏が除幕した。

　創造都市ネットワークはユネスコが２００４年に創設した制度で、七つの登録分野がある。金沢市は「クラフト＆フォークアート」での認定となり、クラフトに絞った登録は世界初となった。日本国内ではデザイン分野の名古屋、神戸両市に次いで３都市目となる。