虎魂悼罪

2024/04/03(水)21:49

落語界にパワハラは存在するのか?

少し前ですけどね、落語会でちょっと昔じゃあり得ない裁判がありました。 圓 三遊亭圓歌の元弟子で天歌が師匠からのパワハラ被害を訴えて訴訟して80万円の賠償を受け取る、と。 この問題は世間でもちょっと騒がれまして、今の時代だから天歌を擁護する声も多かった。 元は圓歌のファンだった天歌は弟子入りを一度断られるも再度押しかけて弟子入りを認められたという経緯があり、根っからの圓歌ファンだったんだろう。まぁ多分当時はまだ圓歌襲名前で歌之助だと思うけど。 その後、弟子入り後に暴言やパワハラ、暴力などがあって破門を経て今回の騒動になったんだけどさ…。 まぁ古い徒弟制度の残る世界で古典芸能の世界でもある以上は「令和の今の時代は~」が通用しない業界ではある。 オレ個人的な感想としては「まぁ、暴力はいかんよね」とは思う。 怒られる、叱られる、罵られるってのは他人同士なら人権だ名誉棄損だ言えるが、師弟ってのは疑似親子だからな。 とはいえ第三者から見ても4代目の圓歌の場合はサイコパスというか少し異常というか「やりすぎ」な感は否めないので「修行として受け入れろ」は無理があるレベルだ。 暴力を耐えられるかどうかってのは、受け手側が「そこに欠片でも愛を感じるか?」によって指導と暴力に分かれる。 DV被害を受けてる女が「なんで逃げないのか」は多分「でもこの人は私の事を好きなはず」という望みが少し残ってるからだろう。 ま、同じ男として断言するが自分のカミさんや彼女を殴る時点で愛はないけどな。 まぁ芸人なんてのは「芸は一流、人間性は3流」なんてことは珍しくもなく、それこそ横山やすしだって漫才師としては天才だけど人間としては未熟だ。 たけしだってフライデー殴りこんじゃうし松本人志だって女好きだし、霜降り明星の粗品だってM1王者だがギャンブラーで生涯借金3億円で電気まで止められてたのに競馬で勝った配当全額を能登にぶち込む狂気っぷりだ。 オマエは被災者の心配する前に電気代を払えと(笑) 1人の落語ファンとして、俺は双方に言いたいことがある。 どっちが良い悪いとか、どっち擁護するとかはオレの主観でしかないし下手に一般社会のルールで裁かれると労働基準監督署とか持ち出す馬鹿が出てきそうだし、あくまでオレの私見みたいなもんだけどさ。 まず天歌、今後も落語家として売れていきたいなら師匠を敵として司法に訴えるのは芸人として致命的にダサい。 今後、周りの落語家の中には「師匠に300万タカろうと法律に泣きついて80万しか取れなかった噺家」とみられる。 「奉行の出る三方一両損とかの根多かけたら野次飛びそうだな」とか揶揄される。 なんなら圓歌の一門や兄弟弟子は相当キレてる。圓歌の同門弟弟子の鬼丸とか「80万叩きつけて天歌をぶん殴ってやろうか」くらいキレてる。 裁判では4代目の圓歌に80万の賠償を命じたので勝敗で言えば裁判は天歌が勝って圓歌が負けた。 ただ、芸人として今後も高座に上がる場合、天歌は80万の代わりに色々なもん失った。それこそ大敗だ。 圓歌は逆に80万なんか屁でもない。むしろそれをネタとして高座のマクラに使って笑いをとれるまである。 しかも破門された上に裁判で争った元師匠と同じ落語協会で今後も活動をする。 これはもう寄席の顔付けとかにも影響してくる。 「どのツラ提げて戻ってきた?」と思われるだろうし。 師匠と喧嘩別れした噺家なんてのは結構いて、立川談志も柳家小さんの弟子だが最終的には破門され落語立川流として単独で活動を始めた。 なので落語協会や芸協の寄席には出ない期間が長かった。 離婚した夫婦が同じ町内会にいるみたいな状態だと、必然的に影響大きい方が有利だ。 協会の理事までやった圓歌と同じ組織で今後どう活動していくつもりなのかは知らんけど、どこかで和解する道を探るではなく裁判で白黒つけたからな。 破門されても元の師匠と上手くやれてる噺家はいる。小痴楽と文治だって今じゃ何のわだかまりも無い。 春風亭かけ橋と柳家三三だって三三に破門されて柳橋の元に移籍したかけ橋の二つ目昇進の会に元の師匠も三三も呼ばれてる。 まぁ三三の場合は大師匠の小三治を当時は小かじだった現かけ橋がしくじったとかいう噂なんで師弟の問題じゃないっぽいけど。 なんていうか、芸人ならもう少し違う解決法なかったか?というのが天歌への感想かな。 んで4代目三遊亭圓歌に対して。 俺は経緯どうあれ「弟子に訴訟起こされた」ってのは単純に師匠としての資質の問題だと思う。 落語の世界、弟子の扱いが酷い師匠なんて山ほどいる。でも、ほとんど訴訟にはならない。 なぜか? そりゃ師匠が我慢ならんと思えば破門にする生殺与奪権を持ってるから。 殴りたいくらい酷い弟子なら破門すればいい。使えない弟子、見込みのない弟子ならソイツの未来の事も考えて早めに引導渡すのも師匠の愛だったりする。 そういう意味で裁判まで起こされたのは芸人としてはちょっとダサい。 ただ園歌の場合は今後の芸人活動の中でなんぼでもリカバリーできるし笑いにもできるからな。 弟子入り志願者は来なくなるだろうけど。 でも談志も弟子の扱いは相当雑だったし、それも有名だったけど弟子入り志願は後を絶たなかったから人間性バグってても天才だと弟子は増えるのかもしれない。 ただ、談志は暴力大嫌いってのは有名だけどな。落語家が口じゃなく手が出るようじゃおしまいだと。 まぁハラスメントの定義とか今の時代難しいけどね。 圓歌の場合はシンプルにハラスメント以前に人格否定と暴力だから別の問題だけど。 ただ「師匠選びも芸のうち」とはこの世界昔から言われるからね。 師匠を司法に訴えるとか圓歌を師匠に選ぶあたり含めて天歌には才能が無かったんだと思うよ? 天歌の名前も破門で返上してるから今は吉原馬雀になってるのかな? 活動休止期間を考慮したのか落語協会の香盤(序列)も若干落ちたようだし、一体何がしたかったのか?と。 で…オレが一番危惧するのは師匠が弟子から訴訟されたという一件によって、今後は弟子を取る師匠が減るんじゃないかと。 ただでさえ居ても何の役にも立たないどころか面倒まで見て、問題起こせば代わりに頭下げてやる事もある弟子なんて存在は師匠からしたらメリット0でデメリットしかない。 それでも自分も先人たちから古典落語を教えてもらい今があるから、落語家の義務として後世に継承していかなければいかんだろうと弟子を取る。 少なくともオレがもし落語家で真打の立場だとしたら弟子入り志願の若者が来ても「とりあえず人権とかパワハラとかコンプライアンスとか気にするとしたら向いてないからやめときな」と断るかな。 「二つ目までの生活費で100万貯めました。住み込みで何でもやらせていただくので弟子として置いてください」くらいの気概見せてきたら考えるけど。 ま、今の時代に住み込み弟子なんてほとんどないけどね。 でも今の時代って昔と違って前座の方が少なくて真打が一番多い逆ピラミッドだからね。 昔より前座は大事にされるし、それこそ芸協なんかは桂文治とか瀧川鯉昇とか爺さんクラスは楽屋でも「前座さん」とか呼んでるし前座の扱いは昔より格段に良くなってるからな。 ま、芸協自体が落語協会より若干緩いって風土もあるけど。 そういえば笑点の木久扇の引退に伴い後任の人選が話題ですが… ま、桃花か倅の木久蔵あたりが本命視されてますな。どのみち枠の関係で同じ落語協会から出る気はしますが。 ただ「大喜利」が向いてる落語家と向いてない落語家ってのがいる。 落語家と言えば謎かけと思われがちだが、謎かけ大嫌いな落語家もいる。なんせ司会の昇太が謎かけ嫌いで有名だった。 オレ個人的には、大喜利向いてて笑点向きで年齢的に40~50代の真打で選べと言われたら…桃月庵白酒とか?一般の知名度は無いけど。 「あんま忙しい売れっ子は断るだろな」と思ってたけどクソ忙しく年間で数百席はやってた一之輔が出たくらいだからな。 いっそ立川流から吉笑とか放り込んだらいいんじゃないか?まだ二つ目だけど真打内定してるし。 まぁでも、フェミニスト界隈が幅利かせてる昨今だから女流入れる流れになるとしたら蝶花楼桃花とか林家つる子とかになりそうだな。 まぁオレは仕事あるから笑点は見てないんですけどね。

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