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![]() Dino Buzzati / Il segreto del Bosco Vecchio 『"古い森"という名の谷底の奥深い森の秘密』ディーノ・ブッザーティ 日本語翻訳版で『古森の秘密』という本が出ている。 『古森の秘密(はじめて出逢う世界のおはなし)』東宣出版 https://alexa.design/2pmvtxh 『古森のひみつ』岩波少年文庫 https://alexa.design/2orA8B4 イタリア語の本では"Bosco Vecchio"と「古い森」と固有名詞扱いになっているので、私はこうした。「老いた森」でも良いかも知れない。1935年の作品である。日本でいえば昭和のはじめ。先日読んだ『シチリア征服クマ王国〜』に引き続き、こちらも作家本人の絵筆による挿絵入り。ところどころにカラーの挿絵がある本は読みやすい。 キャッチコピーは La natura non mai in silenzio. 自然は決して沈黙していない。 谷の奥の古い森はいま、2人の新しい所有者のものになった。ひとりは決して笑わない男プローコロ大佐と、その甥っ子ベンヴェヌート。新しく所有することになったふたりは、森で起こることをまだ知らない。そして起こることに人間が関与出来ることと関与出来ないことがあることも。 古い森や古い手付かずの土地というものは、所有者が変わると往往にして新しいことが起こるものだ。精霊たちが棲み着いているからと手付かずになっていた森だった。横暴きわまるプローコロ大佐は金儲けのために森の伐採に取り掛かる。そして暴風の精霊マッテーオが封じ込まれた扉が開いた… 自然を守ろう、森を守ろう、という動きに対して森を伐採しようとする男。そしてその甥っ子である少年が少年であるがゆえに森や森のいきものたちと対話する。いわゆるありがちな勧善懲悪の物語かと思いきや… ディーノ・ブッザーティの物語は、自然信仰と聖人信仰、武力や知力、あらゆるものが混じりに混じる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年04月11日 03時36分53秒
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