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有名なSFを読んでみる第4回です。
コールドスリープとタイムマシンを使った時間旅行の話です。 発明家のダニエル・ブーン・デイヴィスはベルというサイコパス美人秘書に騙され、会社を取られてしまった。コールドスリープで1970年から2000年に時間旅行したデイヴィスは、自分の作った家事ロボットの進化系ともいえるロボットが国中で活躍していることに感動を覚える。しかし、デイヴィスが買っていた自分の会社の株券の証券会社は倒産しており、ベルと組んでいた親友のマイルズは死亡しており、ベルは65歳くらいになり、薬と酒浸りの落ちぶれた生活をしていた。国の官庁で余剰生産調整局というところがあり、そこから与えられた、新品の高級車を潰す仕事でお金を貯め、リッキーというマイルズの義理の娘を探しに行く。しかし、リッキーは祖母とアメリカのどこかの田舎にいて、見つけることはほぼ不可能だった。主人公はトゥイッチェル博士というタイムマシンを開発した博士を焚きつけて、2000年から1970年に移動することに成功する。目的は自分の飼い猫のピートを助けること。そしてリッキーに自分の株券を託すこと。そしてベルに完璧に勝利すること。主人公はそれを達成できるのか……? この小説はコールドスリープに入る前の前置きが100ページ以上あり、そこがダルいです。あと、ベルがサイコパスで猫を邪険に扱うのが不愉快でつらいです。そこさえ乗り切れば面白くなります。タイムマシンで過去や未来に行って、もしこういうことをしたら…という話はドラえもんやハリー・ポッターで知っている話なので、驚くことはないのですが、2000年の世界がわりと冷めた世界で、家事が完全自動化されていて人が余っていて、コールドスリープから目覚めた人が過去に帰りたくて絶望する話とか、現代社会をよく予想しているな~と感心しました。2000年の食事はどこの店も美味しいらしく、作中の「そりゃおいしい店」がどんななのかとても気になりました。なにが10ドルでそんなに美味しかったのか……。パスタかグラタンかハンバーグか?それともチーズリゾットなのか?理性的な作者の作品らしくテキパキした文章でしたがもうちょっと遊び心が欲しかったかな……。詐欺師のベルの変貌ぶりにはスカッとさせられました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年02月17日 01時43分49秒
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