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珍獣は闊歩する!

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2020年04月28日
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デカメロンの2日目まとめです。
2日目からは、話に自信のあるディオーネオが、その日のテーマとは違う話をしてよいことになります。
あと、その日の司会(主宰者)は9番目に話し、ディオーネオが10番目に話すというルールも追加されました。ディオーネオがあまりにもあけすけな猥談をするので、一同は困惑しますが、次第に悪乗りして自分も思いっきり話してやろうという者も出てくるようになります。

2日目 主宰 フィロメーナ 

 散々な目に遭いながら、予想外なめでたい結末を迎える物語

 

11(ネイーフィレ)聖人アルリーゴを見たい! ドタバタ度★★★★☆

 トレヴィーゾのアルリーゴという聖人が亡くなったのでフィレンツェの男3人ステッキ、マルテルリーノ、マルケーゼが遺体を見に来た。聖人の遺体に触れれば、病気が治るというので、広場は人でいっぱいだった。街は騒動が起きないように兵隊まで配置していた。寺の中は人でいっぱいで、もう一人も入れないという噂だったので、マルテルリーノが足なえの振りをして、ステッキとマルケーゼが介護者として両側から支えて連れて行けばいいと考えてその通りにした。しかし、フィレンツェ出身の人に見られ、足なえの振りをしていることがばれた。トレヴィーゾの人たちはそれを聞いてマルテルリーノをボコボコにした。そこで、マルケーゼは兵隊の隊長にこう言った。「あそこの悪い奴はオレの財布を盗んだのです。捕まえてください。」マルテルリーノは兵隊によって市長の館へ連れられていった。マルテルリーノをボコした連中も、マルテルリーノに笑い者にされた恨みで財布を盗られたと口々に言った。市長の判事は人々にいつ財布を盗られたのか聞くと、人々は「8日前」「6日前」とバラバラなことを言った。ステッキとマルケーゼは、主君と仲の良いカンドロという人に相談し、マルテルリーノと主君を会わせた。マルテルリーノは主君にいきさつを説明すると、主君は大笑いして、3人に服をプレゼントし、故郷に帰らせた。

 

12(フィローストラト)商人リナルドと盗賊 面白さ★☆☆☆☆ ラッキー度★★★★☆

 リナルドは、仕事でボローニャに来た帰り、盗賊に身ぐるみはがされてカステル・グイリエルモについたときには日が暮れていて城門が閉まっていて街のなかに入れず、凍死しかけた。城壁の上には家があり、アッゾ侯爵の愛人が住んでいた。アッゾ侯爵のために風呂と食事を用意していたが、急用で侯爵が来れなくなり、一人で食事を食べていた。風呂に入っているとリナルドの声が聴こえたので館に入れてもてなした。翌日、カステル・グイリエルモの城門が開くと、リナルドは自分の下男(げなん)を見つけ、衣服に着替えた。おいはぎの3人組はその後の悪事で捕まり、市中へ連行されてきた。そして、盗まれた馬、服、金は全て戻ってきた。紛失したのは靴下どめだけであった。おいはぎは翌日に死刑になったそうである。

 

13(パンピーネア)ニート3兄弟、ランベルト、テダルド、アゴランテの人生逆転 面白さ★☆☆☆☆ 他力本願度★★★★★

 騎士の息子の三兄弟は、父テバルドの遺産で遊んで暮らしていた。財産が無くなってきたので、フィレンツェを発ち、ロンドンで金貸しとなった。資産を増やして、家産を買い戻し、アレッサンドロという甥をロンドンに残して、フィレンツェに帰った。それでまた遊んで暮らすようになった。しかしイギリスで内戦が起き、城を借金の形にできなくなったので、金貸し業もできなくなった。3人の兄弟は金を使い果たし、逮捕された。

 アレッサンドロはイタリアに帰ることにした。道中、ブリュージュの城門で修道院長を目にした。修道院長はアレッサンドロを気に入り、一緒にトスカーナの方へ行かないかと誘った。アレッサンドロは修道院長の秘書のような存在となり、宿の手配をした。ある時、小さい宿で修道院長と同じ部屋で寝ることになった。アレッサンドロが穀物を入れる櫃(ひつ)の上に布団を敷いて寝ようとすると、修道院長は自分の横で寝るように言った。そして、自分は男装している女性であり、国王の娘でもあり、内戦のため男装して法王に会いに行き、婿選びをする予定だったが、あなたのことが好きになってしまったと打ち明けた。二人は結婚し、夫人は3人の叔父を牢屋から解放し、借金を片付けた。アレッサンドロは国王と王子を和解させ、スコットランドを征服し、その国王として戴冠(たいかん)されたとのことである。(アゴランティ家は当時、フィレンツェのアディマーリ通りに住み金貸し業を営んでいた。)

 

14(ラウレッタ)海賊になった商人ランドルフォ 面白さ★☆☆☆☆ ラッキー度★★★★★

 コスタ・デ・アマルフィの町の中にラヴェルロがある。そこにランドルフォという商人が住んでいた。在庫をだぶつかせて破産寸前となり、盗みを働く海賊となった。トルコ船を狙い、損害を取り戻し、倍の利益を得た。交易を辞めて、故郷に帰ることにした。エーゲ海でアフリカからのシロッコが吹き出し、海は荒れた。翌日は強風でランドルフォの船はチェファローニア島の浅瀬の岩に激突した。船はバラバラになり、流れてきた箱に飛びうつって生き延びた。コルフの島の浜辺に流されて、通りすがりの女に介抱され健康を取り戻した後、箱を開けてみると中には宝石がどっさり入っており、女やお世話になった人にお金を分け与えて、残った金で豊かに暮らした。

 

15(フィアンメッタ)アンドレウッチョ・ディ・ピエートロ 馬を買いに行きルビーの指輪を得る 面白さ★★★☆☆ 中世らしさ★★★★★

 ペルージャのアンドレウッチョは500フィオリーノを持って馬を買いに行った。ナポリの市場でパンパンになったサイフを見せびらかすと、シチリア出身の美人詐欺師が目を付けた。アンドレウッチョの父の奉公人をしていた老女から、アンドレウッチョの半生を聞き出し、「生き別れの姉」という設定でアンドレウッチョに近づいて自分の家に招いた。詐欺師の家はマルペルトゥージョ(通称“悪穴”)にあったのだがアンドレウッチョは自分に一目ぼれをした女だと自惚れて、のこのこ会いに行った。美人詐欺師は風俗嬢でもあり美しい服を着ていたのでアンドレウッチョはそれを見て貴族の婦人だと思い込んだのだった。

 詐欺師は御馳走でもてなし、今日は泊まるように言った。食後にアンドレが用をたしにトイレに行くと、トイレを自立させている板が一枚抜かれていたのでそのまま汚穢だめ(おわいだめ)に落ちた。詐欺師は部屋に置きっぱなしにされたアンドレウッチョの服から全財産を盗んだ。アンドレウッチョは金を盗まれたことに気が付いて怒って暴れたが、詐欺師の用心棒の大男にうるさいと言われ、諦めてルーガ・カタラーナ通りを上手に向かった。2人の墓荒らしの男に会い、フィリッポ・ミヌートロ師の死体からルビーの指輪と服をはぎとる仕事を手伝うことになった。アンドレウッチョは墓の中に入り、フィリッポの棺桶の蓋を開けてもらい中に入るとまず、ルビーの指輪を死体から抜き取り、自分の指にはめた。フィリッポの衣服ははぎ取って2人の男に渡した。男たちは「ルビーの指輪を出せ!!」と言ったが、指輪は見つからなかったとウソをついた。怒った二人はアンドレウッチョが棺桶から出てきていないのをいいことに、急いで棺桶の蓋を閉めて逃げ去った。アンドレウッチョはフィリッポの死体と一緒に棺桶に閉じ込められて絶望していると、なんと幸運なことに、別の墓荒らしの男達がやってきて棺桶の蓋を開けて足を入れてきた。アンドレウッチョはすかさずその足をひっぱり、おどろかせた。墓荒らしは恐ろしくなってダッシュで逃げた。それでアンドレウッチョは棺桶から出て、ルビーの指輪をはめたまま自分の家に帰った。

 

16(エミーリア)バラバラになった国守(こくしゅ)の家族 面白さ★☆☆☆☆ 史実が気になる度★★★☆☆

 皇帝フェデリーゴ2世の死後、マンフレーディがシチリアの王だった時代、マンフレーディの寵愛を受けたナポリ出身の紳士、アルリゲット・カペーチェという男がいた。妻はベーリトラ・カラッチョラといった。シチリア島の支配権を掌握していたが、アンジューのシャルル1世がイタリアに南下し、ベネヴェントでマンフレーディの軍を破り、マンフレーディをうち殺した。そして全王国がいまやシャルル王に帰順したときくや、アルリゲットは「シチリア人は信用できない」と不安に感じ、自分の主君の敵の家臣になることを拒絶して、逃げだす準備を整えた。しかしこのことがシチリア人に漏れ、彼とマンフレーディの友人や、家臣の多くは捕えられ、シャルル王に引き渡された。島全体もフランス兵の配下に収められた。ベーリトラ夫人は夫のアルリゲットがどうなるかわからず、身の危険を感じ、ジュウフレーディという8才の息子と舟でリーパリの島へ逃げた。そこでもう一人の男児を産み、スカッチャートと名付けた。そしてナポリの親元へ帰ろうとした。しかし、風に吹き流されてガエータ湾の無人島、ポンツォ島に着いてしまった。しかも婦人が泣き暮れているあいだに海賊が2人の息子と乳母をさらってしまった。一人取り残された婦人は草をはみ、鹿が暮らす洞穴の中で暮らした。そこでクルラードという紳士が婦人を発見し、クルラード婦人に仕える者として一緒にルニジャーナへ連れていき、クルラードの城にとどまった。

 さて、一方さる海賊は、ジェノヴァの名門グワスパリーノ・ドーリアに2人の息子と乳母を引き渡し、奴隷として使わせた。乳母は、2人の息子の身元は明かすまいと思い、上の子の名前をジュウフレーディからジャンノット・ディ・プローチダに改めさせた。その後、ジャンノットも16歳になり、奴隷としての生活に我慢できず、グラスパリーノの館を飛び出し、放浪の旅に出てルニジャーナの土地に至り、そこで、クルラード・マラスピーナに取り入れられ、得心(とくしん)のゆく扱いを受けて侯爵に仕えた。クルラード婦人に仕える自分の母親を見る機会はあったが、親子だとは気がつかなかった。ジャンノットはクルラードの娘スピーナと恋仲になった。森の中で恋の楽しみにふけっていると、クルラード侯爵と婦人に目撃された。罰としてジャンノットとスピーナは別々の牢屋に入れられて極限の生活を強いられた。

 1年後、アラゴンの国王ピエートロはシチリア島に反乱を起こさせ、島をシャルル王から奪いとった。クルラードは皇帝党であったから、この事態を喜んだ。このニュースを獄吏から聞いたジャンノットはグチを言った。そして自分はアルリゲットの息子であるとカミングアウトした。クルラードはベーリトラ夫人に息子の存在を確認した。そして娘のスピーナとジャンノットを結婚させれば大きな利益があることを知り、2人の結婚を認めた。ベーリトラ夫人とジャンノットの再会も果たされ、ジャンノットは生き別れの弟と父アルリゲットの捜索を依頼した。

  弟のスカッチャートはグワスパリーノ氏により解放された。父アルリゲットも生存が確認された。アルリゲットはシャルル王の手で牢獄に投ぜられ、みはりがついていたが、王に対する反乱が発生するや、民衆は牢獄に押し寄せて獄卒を殺害し、アルリゲットを外へ連れ出した。アルリゲットこそシャルル王の最大の敵であったから、民衆はアルリゲットを大将に祭り上げ、フランス兵を追い立てて皆殺しにした。そのため、アルリゲットは今や大した御身分である。夫人と子息のことを聞くや、大喜びで家族を出迎えるために船をよこした。そしてスピーナを加えた家族は船でシチリアに帰った。パレルモの港でアルリゲットの盛大な出迎えを受け、家族は楽しく暮らした。

 

17(パンフィロ)アラティエルの9人の夫 面白さ★★★★☆

 バビロニアのサルタンは娘の一人アラティエルをアフリカのサラセンの国、ガルボ国王の嫁として送った。船は嵐にあい、マジョルカ島の海岸に漂着し、ペリコーネという城主の妻となった。しかし、ペリコーネの弟マラートがアラティエルを略奪した。しかし、マラートに雇われている水夫の兄弟も、アラティエルのからだ欲しさに、マラートを海に捨てた。水夫の兄弟はアラティエルを取り合って、殺し合った。生き残ったほうの男とアラティエルはキアレンツァについた。そこでモレーアの太子と結婚することになった。しかしアテネの大公も美人のアラティエルの噂を聞きつけてやってきて、アラティエルを見るなり好きになった。アテネの大公は部下に命じて、モレーアの太子を殺した。そしてアテネの大公はモレーアの太子の振りをして、アラティエルと寝た。アラティエルが眠っている間に馬に乗せてアテネの地所に連れていった。一方、キアレンツァの人々はモレーアの太子の死体を発見してアテネの大公が犯人だと気がついた。アテネを攻めるべく、キアレンツァを出発した。アテネの大公はその話を聞きつけ、防衛のため全兵力を動員した。大公の妃は、コンスタンティノスとマノヴェルロに、「夫がアラティエルに熱を上げたせいでこんなことになってしまった」と嘆いた。二人はそれを聞いて、アラティエルに会いたくなった。コンスタンティノスはアラティエルに会うと、大公から女を奪うことのみを考えるようになった。キアレンツァとアテネの戦争が始まると、コンスタンティノスは体調不良を訴えてアテネへ戻り、アテネの大公の妃に、アラティエルを離れた土地に住まわせることを提案し、自分が指定した土地に住まわせた。コンスタンティノスはそこからアラティエルをさらってキオス島で暮らすことにした。なんとそこにトルコ王ウズベックが攻めてきて、全てを盗み、アラティエルはウズベックの妻となった。しかし、ウズベックはカッパドキアとの戦争で戦死し、ウズベックの家臣アンティーオコと暮らすことになった。カッパドキア王バザーノが来ると知り、二人はロードス島へ渡ると、アンティーオコは死病にかかった。アラティエルをキプロス島の商人に託した。商人とアラティエルはキプロス島のパフオスの港に着くまでの間に愛し合った。パフオスに住んでいるアンティーゴノという紳士はアラティエルを知る人だったのでアラティエルをひとめ見てピンときた。アラティエルはアンティーゴノに今までのいきさつを話した。アンティーゴノは、アラティエルに、今までのいきさつを他人にどのように説明していけばよいかアドバイスした。

 そして、アラティエルは実家に帰り、父にはこのように話した。

 「船が難破し、西方のエーグモルトに打ち上げられました。2人の男に捕まり、4人の男に修道院に連れていかれ、ヴァルカーヴァの聖クレッシに仕えました。そこでは、キプロス出身だと嘘をついておきました。2か月前、フランスから善良なかたが夫人同伴でまいられ、エルサレムに行く途中でキプロスに連れていってくれると言われたのでついていきました。パフオスに到着し、そこでアンティーゴノとお会いしたのでございます。そして私をキプロス島の国王のもとへ連れていき、国王様が父上の元へ送り返してくれたのでございます。」

 父サルタンは喜んでキプロスの王にお礼をし、また、ガルボ国に嫁がせたということである。

 

18(エリッサ)馬丁になった騎士 面白さ★☆☆☆☆ ガッツ★★★★☆

 ローマ帝国の皇統がフランク族からドイツ人の手に渡ったために、諸国の間に非常な不和が生じ、苛烈な戦争が勃発して長く続いた。そのために自国の防衛のためにも他国の攻撃のためにもフランスの国王と息子はまず王国の総力を、次いで友人、親族など出来る限りの力を動員して巨大な軍隊を整えた。いずれ敵に襲いかかる心算である。しかしそれに先立って王国を統治者なしにしておくわけにいかない、アントワープの伯爵のグワルティエーリに国王父子の出征中は国王父子に代わってフランス王国を統治する全権を付与することにした。グワルティエーリは穏健(おんけん)で賢明な人で、国王父子の忠実な友でありまめまめしく仕える家臣であった。

 それでグワルティエーリが軍事にも通暁(つうぎょう)していたにもかかわらず、国王父子には彼は戦地より国政に適任と判断したのである。こうして、国王父子は征途についた。グワルティエーリは40歳くらいの貴族であり、騎士でもあった。フランス王と王子は戦争に出陣していたが、その間にグワルティエーリ夫人が亡くなり、2人の男子と女児が残された。そんな中、太子妃はグワルティエーリに惹かれ、不倫をしようとした。しかしグワルティエーリが断ったので「グワルティエーリに襲われた!」と嘘をついて騒いだ。グワルティエーリは人が集まってくる前に子どもを連れて逃げた。イギリスのロンドンに着くと、娘をヴィオラントからジャネットに改名して英国王支配下の一元帥の婦人に養女として差し出した。ロンドンを出て、ウェールズの国に着くと、息子のルイをペローとし、ウェールズの元帥に養子として差し出した。伯爵自身はアイルランドのストラングフォードにつくと、そこの騎士の馬丁として雇われた。ロンドンでは、元帥の息子がジャネットに恋をしていた。そして、恋焦がれて死にそうになったので、元帥も結婚を認めた。ウェールズでは、ペストが流行しウェールズの元帥は亡くなった。元帥の令嬢と、ペローと、何人かの下男しか生き残らなかったので、ペローは婿になりウェールズ元帥となった。パリ逃亡から18年後のことである。父はイングランドへ渡り、元帥となった息子を見たとロンドンのジャネットを見た。しかし自分の身元は明かさず、ジャケ・ラミアンというジャネットの夫に物乞いをして館に入れてもらった。ジャネットには数人の子どもが生まれていて、乞食同然のアントワープ伯爵にはなぜかなついた。

 フランス国王は亡くなり、皇太子が戴冠された。あの妃の息子であるイギリス国王は、新しく親戚関係に入ったよしみとして、フランス国王のもとに元帥のペローともう一人の元帥の子息であるジャケ・ラミアンの指揮下に多数の軍勢を援軍として派遣した。グワルティエーリも後者の軍の一員として出征し、馬丁としての役目を果たした。例のフランス王妃は重病になり、以前グワルティエーリにかけた冤罪について悩み、大司教に懺悔しただけでは気が済まず、そのことは国王の耳にも入った。国王陛下のおぼしめしにより、伯爵は本来の地位に戻った。王はこの件の情報提供者には報奨金が支払われると布告を発した。グワルティエーリはその報奨金は娘の夫であるジャケ・ラミアンが受け取るように計画を練り、ジャケが国王の御前に出て、ペローとグワルティエーリを王に見せて、いきさつを説明して報奨金をいただいた。グワルティエーリは以前に優る高い地位を得た。そしてジャケ、ペローとともにパリで暮らした。

 

19(フィロメーナ)絶対に浮気しないベルナボの妻ジネーヴラ スカットジャパン度★★★★☆

 ジェノーヴァの商人ベルナボには自慢の妻がいて、不倫しないことを誇りに思っていた。ゲスな性格の商人アンブルオージュオロは、その妻を寝とってやると宣言した。アンブルはベルナボの家に侵入し、妻の裸を盗み見て、胸の下にホクロがあることを覚えた。さらに、腰帯、指輪、財布、晴れ着のガウンを盗みだしてきてベルナボに見せた。乳房の下のホクロを話題にして、ベルナボは妻がとうとう不倫をしたと思い込んだ。そして妻が不倫をするかどうかという賭けに負けたので、5000フィオリーノをアンブルに支払い、妻を殺そうと思った。奴隷に妻の殺害を命じたが、妻は奴隷に命乞いをしたため、奴隷は殺害を諦めてボロの服を渡し、この土地から姿を消すように頼んだ。妻は言う通りにした。さらに、妻は水夫の姿に男装してシクラーノと名乗る商人となり成功し、サルタンから依頼されるほどの商品護衛部隊の隊長兼指揮官までのぼり詰めた。その時にいた土地で、なんと自分がベルナボと住んでいたころの服が売られているのを発見し、「これは誰の品か。」と周りに訊くと、アンブルの商品だとわかった。そこにいたアンブルは面白そうに、服を手に入れたいきさつをペラペラ話した。そうして妻は、夫がいきなり自分を殺そうとした理由を理解した。妻はうまく取り計らって、ベルナボがこの地に来るようにした。(妻がいなくなった後のベルナボは勘が鈍り、困窮していたのだった)

 妻はサルタンの前でアンブルが例の話を話し、ベルナボ自身がそこにいあわせるような場をセッティングした。そして、正しく完璧に話すよう、アンブルを脅迫した。アンブルは、正しいことを話しても、盗んだ服と5000フィオリーノを返済するだけの話だと思ったので、正直に話した。妻は、「騙されたベルナボが許されるようご配慮いただけるなら、その妻(かっこ自分)をここに連れて参る」と宣言した。すばやく胸をはだけさせると、皆に自分の胸を見せた。そこにはホクロがあった。「一体いつ、お前と一緒に寝たというのか!!」「……。」アンブルは驚いて何も言えなくなってしまった。サルタンはアンブルを杭にしばりつけ、身体に蜜を塗りたくって虫に喰わせた。アンブルの資産はジネーヴラ夫人に引き渡され、サルタンからは宝石や食器、お金を授かった。そして夫婦でジェノーヴァに帰った。

 

20(ディオーネオ)リッカルドおじいさんの妻、バルトロメーア、海賊の妻となる 面白さ★★☆☆☆

 ピーサの判事、リッカルド・キンチカは若いバルトロメーアを妻としたが、精力がなく、夜の勤めがおろそかになっていた。2人で釣りに行ったとき、ガレー船が現れて、海賊がバルトロメーアをさらった。海賊の名はパガニーノといった。パガニーノとバルトロメーアは楽しく暮らし、そこにリッカルドが妻を返すようにと戸口に立っていた。パガニーノはリッカルドを女の元へ案内し、こう言った。

 「あなたの言う通りなら、あなたと一緒に帰りたがるでしょう。しかしそうでない場合は、あなたは女を私から奪うというけしからぬ企みを働いたことになりますよ。」

 さて、バルトロメーアはリッカルドを見るなり、無視した。リッカルドはバルトロメーアを個室に連れていき、なぜ私がわからないのだ!?と問い詰めた。そこでバルトロメーアはリッカルドの性欲の無さを責めた。リッカルドはひどい精神錯乱に陥り、妻の奪還を諦めた。そして街の人に会う度に、「悪い穴に休みなし」とぼやくようになり、まもなくして亡くなった。パガニーノはバルトロメーアを正妻として、よく働く男になったということである。

15番の話の、詐欺師の女の家のトイレについてですが、当時は室内にトイレはなく、建物と建物の間のスペースをトイレにしていたらしく、アンドレウッチョは詐欺師の女の家の2階の窓から外に出て、建物と建物の間にの板がかけてあるところにしゃがみ込んで用を足していたことになります。この話では「板が抜かれていた」ので落ちましたが、板が抜かれていなくても落ちる危険はありますよね。本当に危ないと思います。
16番と18番は中世に流行した典型的な騎士物語ですね。身分の高い人がアクシデントから身分を落とし、持ち前の高貴な振る舞いから一発逆転してもとの地位(もしくはもっと高い地位)につくというもの。当時の貴族は、自分の身分が落ちないかと常にヒヤヒヤして生活していたからこういう話が作られたと歴史本で読みました。しかし、そんな無難なお話が続く中、男性の中で最年長のパンフィロがハメを外しはじめました。美女アラティエルの話は2日目のなかでは結構面白いです。






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最終更新日  2020年04月28日 22時25分51秒
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