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2008年09月29日
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カテゴリ:信仰
ケリー・ケネディの「Being Catholic Now」を読みました。


数週間前、ニューヨーク・タイムズに紹介されていて、ぜひ読みたいと思っていたのが、図書館の新刊の棚に並べてあったのです。喜び勇んで借りました。

長年?プロテスタントだったのをアメリカに来てからカトリックに転会したものですから、「今カトリックであること」というのは、気になるテーマなんですよね。大統領選の真っ最中でもあり、キリスト教保守派の行動なども目立つときですし・・・。


この本、ジョン・F・ケネディの弟で、やはり暗殺されたロバート・ケネディの娘が著者。アイルランド系カトリックである自身の生い立ちと信仰を語る序章に続き、現在、各界で活躍するカトリック信者へのインタビューがまとめてあります。

前から好きだった作家のアナ・クインドレンをはじめ、厳しい政治風刺のコメディアン、ビル・マー、女優のスーザン・サランドン、俳優のマーティン・シーン、下院議長のナンシー・ペロシ、2000年の民主党選対本部長ドナ・ブラジル、等々、この人もあの人もそうだったんだー、と、ミーハー的わくわく感も味わえました。

アイルランド系の家庭で育ったという人が多かったような気がします。こどもの頃のカトリック環境がその後に大きく影響したというのは頷けます。(日本では、よほどでないと宗教教育は強調されませんし、宗教は興味のある人が大人になってから選んではいるものという受け止め方も多いですから、その点、違うよなーと。)

三十数人のインタビューです。アンチ宗教、イスラムへの改宗者、性的被害にあい教会には通ってない人もいれば、修道女、神父、元大司教、保守派もいます。それぞれ興味深かったのですが、なかでも強烈な印象があったのは、アンドリュー・サリバンのものです。



アンドリュー・サリバン。ジャーナリストです。名前は知っていましたが、カトリックだということやゲイであること、また、HIV患者であることは知りませんでした。

ご存じだと思いますが、カトリック教会では同性愛は良くないことだと「されています」。そういったなかで、ゲイであるとカミングアウトすることはどんなにしんどいか、想像にあまりあります。

常に突き詰められた状況で自分の信仰を見つめているサリバンの話は、痛いほど刺さってきます。こども時代からはぐくまれた信仰、自分自身であることを否定される「教会の教え」、親友の死を通しての死後の世界の確信・・・。

カトリックだからこそ、カミングアウトしたというサリバン。「信仰はメニューのなかからコースを選ぶようなものじゃない。信仰は道であり旅だ。その道や旅が、人生を通してある一つの組織のなかに入っていると思うなら、そこから単に逃げ出すことは選択にはない。」



長い歴史のなかで「教会の教え」は、細かく細かくなってきてしまいました。それは、女性の働きを追従的なものとしか認めないところから、個人の性的傾向や避妊の方法にまでおよんでいます。そういう些末な事柄が、リトマス試験紙になり他人の信仰を云々しています。

アメリカではそういうアプローチが政治的に利用されていて、女性の選択権を認めるかどうかが争点になったり、政策が「教会の教え」と違うからと、政治家の聖体拝領を神父が拒否したりすることが報道されます。もううんざりです。

それでも、サリバンのように「教え」が自分を否定していても、イエスを救い主だと信じ、カトリックの伝統のなかで信仰する人がいます。



私がカトリックに転会するときに最後まで気に掛かっていたのは、「教会の教え」が、苦しんでいる人達を解放するイエスの教えとかけ離れているのではないかということでした。

私はゲイのどこが悪いのか全くわからないし、コンドームを使うのが悪だとか(エイズの問題が大きいアフリカの人達にまで!)いうことはばかげていると思います。命はもちろん大切だけど中絶を法律で禁止すれば命が大切にされたとは思えません。女性を聖職者にしないためにあれこれ理由をひねり出すことには、もうあきれかえるばかりです。


それでもカトリックになったのは、イエスがたてた教会に連なりたいという思いからでした。

とぎれることなく脈々と受け継がれた信仰。イエスの生涯をたどる教会暦、美しい典礼、手本となり家族となってくれる聖人達。

神が人となった神秘。それを体験できる聖体拝領。同信のものとの一体感。生活に結びついた伝統行事。歴史を自分のものにしたという実感・・・。



そういったことを、アンドリュー・サリバンのインタビューから、思い出すことができました。自分を振り返るいいきっかけになりました。読んでよかった。とてもいい本です。勇気を持って本心を語る人がこんなにいると励まされます。日本でもこういう本が出るといいのにと思いました。





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最終更新日  2008年09月30日 19時26分19秒
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