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カテゴリ:音楽・映画
2009.12.13。TOHOシネマズ新居浜で鑑賞。劇場はガキだらけだったが、途中から、かなりのガキが飽き飽きしていた様であった。このストーリーは子供にはちょっと判らないだろうな。
~~~ 冒頭10分。カール坊やと少女エリーが出会い、成長し、恋して結婚して年老い、エリーが先立ち、独り残されたカールじいさんになるまでのストーリーが一気に描かれる。音声はほとんどなく、ごくわずかな映像の断片を重ね合わせて、描かれていない大部分を全て想像させる語り口がすばらしい。涙もろい人は、ここでもうノックアウトされるはずだ。そして私もノックアウトされた口である。 カールとエリーの結婚式。集まったカールの親戚が全員暗~い、静かな人達というのも笑わせるし、産婦人科医に不妊体質であると告げられているであろう二人のうなだれた姿も印象的だ。なにもかもがこの冒頭に集約されている。 想い出の家でひきこもり、時代に取り残されたあげく、近隣の地上げ騒動に巻き込まれたことからふと冒険が始まる。冒険開始後すぐ登場するデブでうっとおしいガキのラッセルも、なんかうっとうしいなと思いながらも、両親が離婚してメイドが彼の世話をしているらしい複雑な状況が、カールとラッセルの短い会話で明らかになる。 二人の冒険と正義の闘いの後、エピローグで語られるカールとラッセルの物語、そしてエンドロールに貼り付けられた写真の数々が語る後日譚に再びノックアウトされて、ボーダの涙に暮れた人は数多いだろう。当然私もその一人である。 ただひたすら夢が詰まっているような単純な物語ではなく、登場人物の誰もが暗く、苦い物語を背負っている。思えば『トイ・ストーリー』も、そうした苦い部分が、明るい色彩で語られる物語の背景にあったのだった。 ただこのレビューを書きながら、先日のオバマ大統領のノーベル賞授賞式における「戦争と平和」に関するスピーチを思い出していた。アメリカという国は、やはり闘いから抜け出すことは出来ないのだろうか?悪者を設定して、そいつをやっつけないとダメなのだろうか?そんなことを漠然と考えてしまった。 それはさておき、登場人物達が苦い物語を背負いながら、その向こうにある、未来に希望を持っている部分が救いであり、そうした部分にリアルに感激してしまうのかも知れないと思った。 それにしても、杖をついてよたよた歩いているカールじいさんが土壇場で見せる元気さにはちょっとびっくりだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.12.13 18:52:08
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