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カテゴリ:経営 編
お茶の霜害を防ぐ茶畑の扇風機のおはなし。
3月中旬から5月初旬までの一番茶の 新芽の萌芽から摘採までの 時期に発生しやすいのが、お茶の霜によ被害です。お茶の新芽は約 ―2℃の温度にあうと、細胞が凍結により破壊され枯死してしまう のです。 〔凍結した時期や程度により差がありますが〕摘採/茶摘が近くなっ て、この凍霜害にあうと、当然のことながら一番茶の収量は大幅に 影響を受けるために経営上の大きな打撃となってしまいます。 ・・・ということで、今回はそのような霜害をふせぐだめの技術に ついてのおはなしとなります。 ↓ お茶畑に物干し竿の先に取り付けた扇風機みたいなもの・・・あれが 「防霜ファン」です。ちょうどいまごろからの春先の霜による茶の葉の 凍害を防いでくれるという、ありがたい機械なんですよ。 「広い茶園の・しかもあのような高い場所に・数台しか設置されてい ないはずの扇風機」が、なぜに霜の害を防いでくれるのかと、不思議 に思われる方も多いのではないでしょうか。 これにはつぎのような、自然現象が関係しています。それは 霜が降りるような寒い朝。しかしそこには、高さによる空気の層の 温度の違いがあり、『地上6メートル付近の空気層は、地表の空気 層に比較して、4度~5度も温度が高い』 というもの。 これが「気温の逆転現象」とよばれているものなんです。 したがって地上6メートル付近の暖かい空気層を、地表に送ることが できれば、お茶の凍害はおこらない。 ということで、茶畑の物干し竿の先に取り付けた扇風機である この 扇風機は、地上6メートル付近にある 暖かい空気を地表部分に移動させるための道具 ということになります。 この画期的な発想から生まれた技術・システムは、昭和54年・55 年におこった全国的なお茶の大霜被害の際に歴然とした効果を発揮し、 その効果が認められたあと急速に各地に普及していったという経緯が あります。 現在での普及面積は、全国で2万ヘクタール。 くぼ地のような不適地を除けば、 日本の茶園のほぼ100パーセ ントに普及したといってよいすぐれた技術となっていますよ。 そして余談ですが・・・防霜ファンといえば「あれは暑い夏場の作業 時に作業する人を涼しくしてくれる扇風機」であるとか、「自家用風 力発電用のプロペラ」などといったジョークが、つきものの機械でも あります/笑。 防霜ファンの技術開発のはなしにつづく・・・。 この送風による防霜技術は、最近では茶園以外でも サクランボ・リンゴ・ナシなどでも利用され、果樹栽培にとっ ても、なくてはならない技術のひとつ となっております。 また、日本の開発した技術として、海外にも輸出されていると とで、そんな話しを聞くとなんだか誇らしい気分になるもので すね。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 11, 2013 11:52:57 AM
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