カテゴリ:🔴 C 【文化・歴史・宗教】
正月の1月7日付の朝日新聞朝刊の「オピニオン」というページに、「戦後60年 日本・アジア・世界」と題した対談が掲載された。
私なりに、ダイジェス & リライトトしてみた。 対談者 梅原猛(うめはら たけし) 哲学者・歴史家 国際日本文化研究センター顧問。 五百旗頭真(いおきべ まこと) 広島大学助教授 政治外交史専門 司会: 朝日新聞論説委員・薬師寺克行 国家主義復活が不安 ========= ○梅原 国家主義がまた復活してくるような感じがする ○五百旗頭 戦後60年がたち、日本は経済大国になった 当然、世界の安全保障にも参画しなければ行けない 対米関係を機軸にするのは正しい選択だが、米国の意向だけを日本の判断基準にするわけにはいかない ○朝日 最近、国内で北朝鮮や中国に対する強硬論が目立つ ○五百旗頭 毅然として対決せよと言う威勢のいい発言があるが、実は日本にそんな力は無い 米国の軍事力を当て込んだもの (alex 同感 だが、同じように非戦・平和を唱える人たちも、米軍の存在をあてこんでいる) ○五百旗頭 脅威のある国とはむしろその国と仲良くするというのが外向的な知恵 (alex 中国と北朝鮮と仲良くするという方向は総論賛成だが、そうは簡単に仲良くできる現状ではない 理想論だけなら、私でも言える その具体論が欲しい) ○梅原 中国との友好と日米同盟が矛盾しないことを政策の基本にすべき (alex これまた、理想としてはそうだが、政治家と日本国民は、その各論を求めて行くべきだろう) ○五百旗頭 日本は、戦前の極端な戦争好きから、戦後はその反動で、自衛のためでも(戦争は)いけないという度を越した戦争嫌悪へと、極端から極端に振れた (alex GHQの思想改造が功を奏したとも言える) ○五百旗頭 最近は、感情的・排他的なナショナリズムの気運 (alex 確かにその風潮がある 特に若い人たちの間の、嫌韓・嫌中は歴史的な学習の上と言うより、戦争ゲームの感覚のように思える では、私はどちらかというと、私も、嫌韓・嫌中の気味がある) 寛容な多神教にならう = 梅原 米政治の復元力に期待 = 五百旗頭 ================ ○朝日 米国の力が突出した一極構造が国際社会の不安定要因になっていませんか ○梅原 近代欧州を指導した文明の基本思想は二つある ひとつは「人間が自然科学によって自然を認識し支配する、デカルトやベーコンの人間主義」 もう一つは「ホッブスに代表される国家主義」 米国はこの二つの思想を信じて豊かで強い国を作った これに対し欧州では、それらへの反省が出て来ている 人間中心主義への反省から環境問題に熱心になり また国家主義への反省から、「民主主義国が持つ理性によって戦争は避けられる」と主張したカントの思想の流れをくむ国連を重視し、独仏はイラクへの武力行使を認めなかった カント的な考え方は、近代を超えた「超近代」思想につながってゆく (alex ちょっと独仏を買いかぶりすぎではないかな? 欧州のイラクへの不参戦には、もっと現実的な利害が背景にあったと思う) ○五百旗頭 米国は振幅が激しい ブッシュは9.11で立ち上がり、アフガン・イラク攻撃にまで至り、過剰反応して、不正確な力の行使に傾いた 今後の世界はその負債に苦しむことになる (alex 同感 特にイスラム社会全体を敵に回した どうしてくれるんだ?) ○朝日 どうしてブッシュはカント的になれないのか? ○五百旗頭 ナショナリズムの勃興でしょう キリスト教保守派の内向きのナショナリズム それでもって世界を作り替えようと言う使命感がある ○梅原 米国の農村にはキリスト教が強い キリスト教には一神教に特有な排他性があり、それはカトリックよりプロテスタントの方が強い その(キリスト教的)原理主義が好戦的思想になり、イスラム教原理主義とぶつかり合っている 宗教が平和をもたらすのではなく、宗教が平和をけ飛ばすという皮肉な状況になっている (alex 同感) ○朝日 日本の仏教が力を失ったのはなぜでしょう? ○梅原 明治初期の廃仏毀釈の影響が大きい 神と仏を切り離して、仏を殺したら神も死んでしまった 代わりに国家を神としたが、敗戦で否定され、神が無くなった 一神教の排他性が戦争を起こしている今、寛容な多神教の意義をもう一度見いだすべき (alex 同感 日本の神道はもとは、アミニズム 一神教に支配される世界は怖いというのが私の考え方) 義理・人情 首相は混同 = 梅原 他国の尊厳も大事に = 五百旗頭 =============== ○朝日 ナショナリズムにどう対処すべきか? ○五百旗頭 開かれたナショナリズムであること 世界の現実は相互依存 他国の尊厳も大事にしないと良好な関係は持続できない 靖国神社は国際問題であることを逃れない 日本人は隣人の尊厳を損なったことに無神経になってはいけな ○梅原 靖国神社というのは日本の神道の伝統ではない 出雲大社の要に、征服された敵方を、味方よりも大きな神社でまつると言うのが伝統です (alex これはどうかな? 梅原さんの持論では、出雲大社や法隆寺は、それぞれ大和民族や藤原氏が、滅ぼした出雲族や聖徳太子一族の怨霊の仕返し・恨みを恐れて建立したのではなかったかな? 目的がちがうのでは?) ○梅原 靖国神社には戦争の反省がない 隣人の気持ちを考えるのが義理です 小泉首相はあれほど歌舞伎を鑑賞していながら、義理と人情の別がわかっていない (alex 確かに靖国神社は、伝統の神社とは性格を異にする 反省がそこにないというのも一理ある やはり、神道と切り離して、西洋的な無名戦士の墓のようなものを新たに作るのがいいかもしれない) ○梅原 ソクラテスは本当のことを行って殺されたが、弟子のプラトンがソクラテスの死を深く考え、哲学を樹立した 何を言われようが、正しいと思ったことを言い続けることが必要です それが種となり、やがて必ず実を結びます == 異論・反論などあるでしょうが、とりあえず アップします == お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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