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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2010年08月09日
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テーマ:洋楽(3285)
カヴァーを聴くにつけ曲そのもののよさが明らかになる


 「アイ・アム・ア・パトリオット(邦題は「明日を夢見て」)」は1984年、ソロ活動に専念すべくE・ストリート・バンドを脱退したリトル・スティーヴン(Little Steven、スティーヴ・ヴァン・ザント)が発表したセカンド・アルバム『ヴォイス・オブ・アメリカ』に収められた曲。E・ストリート在籍中に発表したファースト・ソロ・アルバム『メン・ウィズアウト・ウィメン』が基本はロックながらブルー・アイド・ソウル風の味付けであったのに対し、セカンドでは音も思想も過激になった。ちょうどスティーヴの活動が反アパルトヘイトのプロジェクトとそのアルバム『サン・シティ』へと向かっていく時期と重なっている。

 そのセカンド・アルバムに収録された「アイ・アム・ア・パトリオット」は、レゲエ調のリズムに乗せて、「俺は~主義者じゃない」という詞を連発し、「自由(Freedom)」だけが拠り所の「愛国者(Patriot)」だという、実に政治的な意図の見える歌詞である。『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』で爆発的ヒット中のB・スプリングスティーンのバンドのギタリストがソロでアルバムを出せば、内容に関係なく売れるんじゃないかと思うだろうが、正直ここまで政治性を帯びるとファンは“ひいて”しまったのだろう。結果、大したセールスは残さなかった。

 とはいえ、1989年にジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)がこの曲のカヴァーを自身のアルバムに収録した。ジャクソン・ブラウンはこの曲をいたく気に入ったようで(だからといって、彼のファンもそれを気に入ったとは限らないみたいだが)、ライヴのアンコール曲の定番にするほどの惚れ込みようだった。このジャクソン・ブラウンのヴァージョンは、原曲と違いまさしくシンガーソングライター風で、どちらかと言えばさらりと歌い上げている感じである。これを聴いて初めて気がついたのだが、本来の曲自体が非常によくできている。元のレゲエ風ヴァージョンしか聴かなかったら気づかずにいるところだった。

 他にもこの曲をライブ等で取り上げているアーティストは多いようで、筆者が確認している限りでは、ジョン・ボン・ジョヴィ(ボン・ジョビのヴォーカリスト)やパール・ジャムといった著名アーティストがこの曲を取り上げている。けれども、聴いた中でいちばん気に入っているヴァージョンはと言うと、結局は原作者のリトル・スティーヴンに戻ってきてしまう。それも元のアルバムの・ヴァージョンではなく、スティーヴ自身のセルフ・カヴァーのライヴ・ヴァージョンである。入手の難しい音源なのだが、イタリアで制作されたプライベート盤で、サウスサイド・ジョニー&リトル・スティーヴンの『アンプラグド(Unplugged)』(1993年11月21日、NYでのライヴ)に収められたものである。このアコースティック・ライヴは、サウスサイド・ジョニーを中心に旧友リトル・スティーヴンが合流し、以前からサウスサイド・ジョニーのアルバムにも参加していた(そして、今ではE・ストリート・バンドの準メンバーとなった)ヴァイオリニストのスージー・ティレル(Soozie Tyrell)も参加したものである。

 このライヴ・ヴァージョンでのリトル・スティーヴンは、基本アコギの弾き語り形式をベースにした(本当の弾き語りではなく、上記スージーのヴァイオリンもフィーチャーされている)、原曲とはまったく違うアレンジで、体内から絞り出すように淡々と歌い上げる。聴くたびに、やっぱり曲そのものがよかったのだろうと感じる。あくまで“たられば”だけれども、こういう政治的な歌詞じゃなくてもっとありきたりな日常や人生観でも歌った詞をつけていたら、そしてレゲエ調ではなくこういうアレンジで最初から提示していれば、実はロック史に名の残る名曲かつヒット曲になっていたんじゃないだろうか。



[収録アルバム]

レゲエ調の元ヴァージョン:
 Little Steven / Voice of America (1984年)
 Little Steven / Greatest Hits (1999年、ベスト盤)
 Various / Music Inspired By Fahrenheit 9/11 (2004年、コンピ盤)

ジャクソン・ブラウンによるカヴァー:
 Jackson Browne / World in Motion (1989年)
 Jackson Browne / The Very Best of Jackson Browne (2004年、ベスト盤)

L・スティーヴンのアコースティック・ライヴ・ヴァージョン:
 Southside Johnny & Little Steven / Unplugged (1994~95年頃?、プライベート盤)






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