テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
暑い夏に一服の清涼剤を… ケニー・バレル(Kenny Burrell)は、1931年生まれ(現在も84歳で存命中)でブルーノートの看板として活躍したジャズ・ギタリスト。対して、グローヴァ―・ワシントン・Jr(Grover Washington Jr.)は、1943年生まれ(1999年に56歳で没)のフュージョン・サックス奏者で、いわゆるスムース・ジャズの代表的な奏者である。 そんな二人の双頭名義で1980年代半ばに発表されたのが、本盤『トゥゲザリング(Togethering)』である。1985年のブルーノート復活(EMIの一部として)の際にこのレーベルから出されたものだが、ブルーノートを代表するイメージのケニー・バレル寄りの、ブルージ―なジャズの部分を残しつつも、軽やかで饒舌なグローヴァ―・ワシントン・Jrのサックスのテイストがうまく組み合わされた一枚に仕上がっている。 上で“うまく組み合わされた”と言ったけれど、ケニー・バレルは元々いろんな演奏者と一緒になり、相手のスタイルや特色に自分を組み合わせていくのが実にうまい演奏者だと思う(先日のこちらの盤もその一つ)。本盤でもその特技(?)が存分に発揮されている。他方、グローヴァ―・ワシントン・Jrの方はというと、ソプラノ・サックスを主に演奏し、気負うことなくマイペースで軽妙に演っているような感じを受ける。 とはいえ、結果出来上がった音楽全体に、さほど強いフュージョン臭は感じられない。ジャック・デジョネット(ドラム)とロン・カーター(ベース)がしっかり演奏を引き締めているであろうか。しかしながら、かといって、正座をして聴くジャズの雰囲気でもない(グローバー・ワシントン・Jrの軽妙なサックスにかつパーカッションの参加が勝っているのか?)…。などなどと考え出すと、何とも形容しがたい盤なわけだけれど、一つだけ、以下の楽しみ方はお試しいただきたい。暑い夏の庭かテラスに腰かけて(クーラーの効いた屋内ではだめ)、ビール片手に一服の清涼剤として聴く。特に1.「ソウレロ」~2.「セイルズ・オブ・ユア・ソウル」、5.「トゥゲザリング」~6.「ロマンス・ダンス」、さらには8.「ホワット・アム・アイ・ヒア・フォー?」あたりがお勧め。もちろんこれが唯一の聴き方などと言うつもりはないけれども、暑い日の清涼剤としてこんなに爽快な盤というのも、そうそう簡単に出会えるものではないと思う。 [収録曲] 1. Soulero 2. Sails Of Your Soul 3. Day Dream 4. A Beautiful Friendship 5. Togethering 6. Romance Dance 7. Asphalt Canyon Blues 8. What Am I Here For? [パーソネル・録音] Kenny Burrell (g. el-g) Grover Washington Jr. (ss, ts) Ron Carter (b) Jack DeJohnette (ds) Ralph MacDonald (per) 1984年4月5~6・23日録音。 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひ“ぽちっと”お願いします。 ↓ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016年08月24日 07時53分44秒
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