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2015年10月03日
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テーマ:ニュース(99432)
カテゴリ:政治問題
 日本が憲法を踏みじにって安保法を強行採決したことについて「哀れなほど小さな変化」と発言したブルース・クリングナーのコメントについて、作家の赤川次郎氏は9月27日の東京新聞コラムに、次のように書いている;


 安倍首相が「日本を戦争から守る」ためと称して強引に成立させた安保法。その実態を至って分かりやすく説明してくれているのが、米ヘリテージ財団上級研究員ブルース・クリングナー氏のコメント(9月20日6面)である。

 今までは国連PKOで自衛隊の参加は他国による護衛が必要でかえって迷惑だったが、法成立で少しは役に立つようになった。しかしこれはまだ「哀れなほど小さな変化」にすぎないと語る。

 他の国に向かって「哀れ」とは驚く表現だが、この「上から目線」に徹した元CIAの発言は安保法の本当の目的が、後方支援だけでなく、現実の戦闘への参加にあることを明示している。

 しかも、日本の軍国主義復活を危供する人々を、祖父がアルコール依存症だったからといって酒を飲まないようなものだと語っているのだ。日本人だけで三百数十万、他のアジア諸国を含めれば膨大な死者を出した戦争への反省として平和憲法を選び取った国民に対し、「アルコール依存症」とは・・・。

 安保法を成立させた「愛国者」の方々は、この言葉に腹が立たないのだろうか。

 このクリングナー氏、CIAの間違った情報によってイラクに派遣された多くの米兵の死にも全く責任は感じていないようである。

 クリングナー氏のコメントとは対極にあるのが、アフガン支援のペシャワール会代表中村哲氏の談話である(9月19日夕刊7面)。アフガニスタンで紛争の真っただ中、医療活動だけでなく、井戸を掘り、用水路を造り「農民を土地に定着させる」ことこそ平和につながるとして、30年にわたり活動して来た。

 紛争の中、診療所が襲撃されたとき、「死んでも撃ち返すな」と言った。報復の連鎖を断つこと、「裏切られても裏切り返さない誠実さこそ」が「武力以上に強固な安全を提供してくれ」ると言う。

「平和とは理念ではなく、現実の力なのだ」

 これを真の勇気というのである。中村氏は広大な砂漠を作物の実る緑の大地に変えた。安保法がもたらすのは、不信と荒廃だけである。

 法成立直後の五連休。観光地は人であふれた。休暇を取り、旅を家族で楽しむのは大いに結構。ただ帰り道、ふと足を止めて考えてみてほしい。こうして家族で楽しめるのは、平和なればこそである。

 米国の戦争に自衛隊が参加するようになれば、いつこの平和が失われるか知れない。この前の旅で一緒だった家族が、次は一人欠けているかもしれないのだ。その想像力が、今必要なのである。これからが特にジャーナリズムの正念場だ。安保法のその後を見続けよう。戦争に行くことを拒否して立ち上がった若者たちの思いを裏切ってはならない。
(作家)


2015年9月27日 東京新聞朝刊 12版 5ページ「新聞を読んで-ジャーナリズムの正念場」から引用

 私たち日本人は、二度と侵略戦争はするまいとの決意から平和憲法を制定し、戦後70年経って今ではすっかり定着したのであるが、ブルース・クリングナーのようなアメリカ人は、かつての日本の軍国主義者と思想やマインドが一致しているから、我々日本人の「過去の戦争への反省」が理解できず、祖父がアル中だったからオレには酒を飲ませるな、などと矮小化した話でしか認識ができないわけだ。この程度のレベルの人間がCIAの要職を務めていたとは恐ろしい話で、根拠もなく攻撃されたイラクの市民は浮かばれない。米国の戦争に自衛隊が参加したら、日本はどうなるか、赤川氏の警告は傾聴に値する。






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最終更新日  2015年10月03日 10時50分02秒
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