忙しいのにきっかけがあると、本棚ごそごそ、あっちパラパラ、寒い所にががまって時間を忘れて、拾い読み耽るなんてことありますよね。
今日の本がそれ。きっかけはisemariさん。
上田敏氏が満州に軍医として行っていた森鴎外氏献じているとは、今日知る。
訳詩集なれど文語調の詩のかたちに、芸術的に高めている。
そう、教科書に載るものね。
有名なものは、
秋の日の
ヴィオロンの
ためいきの
身にしみて
ひたぶるに
うら悲し。
…ベルレエヌ
時は春、
日は朝、
朝は七時、
片岡に露満ちて、
揚雲雀なのりいで、
蝸牛枝に這ひ、
神、そらに知ろしめす。
すべて世は事も無し。
…ブラウニング
山のあなたの空遠く
「幸」住むと人のいふ。
…カール・ブッセ
なんだけど、ウイルヘルム・アレントという人の
「わすれなぐさ」
ながれのきしのひともとは、
みそらのいろのみづあさぎ、
なみ、ことごとく、くちづけし
はた、ことごとく、わすれゆく。
が、なぜか好きでしてね。
こんなのもあった。
「白楊」テオドル・オオパネル
落日の光にもゆる
白楊の聳びやぐ並木、
谷隈になにか見る、
風そよぐ梢より。
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