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やっぱり読書  おいのこぶみ

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2018年12月10日
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​​​​​​​​No2 高見 順<たかみ じゅん>
(1907~1965)58歳で歿

「わが小説」には『今ひとたびの』を取り上げて、断絶と分裂時代に「統一的な原理」を求めた

このコラムを書かれたのは55歳の時(昭和37年年)
「私の青春は昭和とともに始まった」だから昭和時代を小説に書き残したいそうだ。

その青春の昭和時代とは「アメリカニズムがはんらんし、その一方で階級意識が高まった時代で」その分裂した時期に「私の心は後者に傾いていた」「ファシズムのあらしが吹きすさび、日本は戦争に突入した。それは敗戦という悲劇で終わったが、その後の十数年もまた苦難にみちたものだった。」波乱に満ちた時代だから小説になるとおっしゃる。

「昭和初期の近代主義と社会主義、ナショナリズムとインタナショナリズム等々、この分裂は今日も尾を引いている。分裂の連続という点でのみ断絶の昭和時代はひとつの連続性を保っている。」

これを書かれて3年後になくなった高見順氏には想像できなかっただろうが、その後昭和は四半世紀、63年まで続いたし、そしてそのあと平成も30年が経ち、終わろうとしている今もまた世界は分裂して波乱に満ちていることは同じであるけれども。

年表によると
高見順氏は戦前、左翼的思想から転向した経験を持つ、しかも疑似転向と思われて終戦まで監視が続いたそうである。インテリ的リベラリスト的左派的だったのか、それは多くのインテリゲンチャの陥ったところ、戦前も戦後も。

そんな八方ふさがりも分裂を誘う。このコラムで高見順氏は分裂を埋めるものは「統一的な原理」=「愛情」に求めて『今ひとたび』(昭和21年)という小説を提示した。その小説はモダニズムによる性の解放の荒廃に対する純愛を描ききるというかたちなのであると。

他作品
『如何なる星の下に』(昭和15年)『わが胸の底のここには』(昭和33年)『死の淵より』(昭和39年)『生命の樹』『激流』(昭和42年)『過程的』(昭和25年)

*****

話題
ひところ盛んにTVを賑わしていたスレンダーな高見恭子さんは高見順さんのお嬢さん。といっても一緒に暮らしたわけでもなく、7歳くらい幼いときに高見さん亡くなってしまわれた。でも、TVの彼女は好感が持てましたよね。この新聞のコラムお写真などにも彼女に似ていますね。文庫本(講談社文芸文庫)の解説にある高見順さんの写真も背が高くハンサムなのも納得。

*****​​​​​

次ブログでは『如何なる星の下に』の読書メモになり、「No3 石川達三」に続くのだが、こんなふうな新聞切り抜き「わが小説」の内容は要らないように思うので省き、参考にしながら作家の作品を読んで行くことにする。
​​​





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最終更新日  2018年12月10日 09時57分55秒
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