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書評日記  パペッティア通信

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Apr 1, 2006
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カテゴリ:政治
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▼ 前原誠司代表をふくむ、民主党執行部が総退陣することになった。

▼ それにしても、岡田克也といい、前原誠司といい、将来を嘱望されていた政治家が、切迫した党内事情で代表に祭りあげた挙句、周囲が成熟を待つことなく、ハシゴを外して使い捨てにされてしまうのは、何とかならないものなのなんだろうか。民主党は、功労者へのいたわりがない。功労者は、熊谷弘にしても、岡田克也にしても、藤井裕久にしても、祭りあげられ、実権が奪われてしまう。岡田克也は、実権があるとされる「代表」になったが、組織人として頑固な彼のこと、おそらく彼の思想・信条・見解は、前回の総選挙で少しも反映されていないだろう。「酒は古酒、女は年増」という。若くして未来を失うというのは、なんともやりきれない。

▼ 世は劇場政治。いったん一大事が起きると、よってたかってヒステリーにかかってしまう。マスコミ受けを狙わなければならない「風任せ」の政党であることの必然的な帰結なのかもしれないが、なんともドライな政党だ、と思わせてしまうのは、あまりにも損失が大きい。これでは、だれもこの政党に忠誠を尽くそうとはしないだろう。永田議員の居直りも、その辺が理由なのではないか。こんな所にも、危機管理の乏しさが現れているような気がしてならない。思えば、一昨年の年金政局。公明党の幹部は、年金未納だったにも関わらず、一連の騒ぎの終結を待って、「公式発表」というあざとさを見せた。この辺の手際のよさは、民主党も見習うべきだろう。

▼ さて、聞くところによれば、後継代表選びは、小沢一郎を軸に進んでいるという。世代交替や政治手法という観点からすれば、小沢代表の誕生は巷間に流れているように大いに問題があるだろう。小沢一郎のもつ「壊し屋」「純化路線」は、いまだに記憶に新しい。ただ、この2つが民主党に向かわないのであるならば、民主党の路線を考えると、穏当な所だろう。戦略的には、菅直人のもつ「市民運動」による日本の革新の方が、対立軸が明確になるだけにはるかにいいが、小沢一郎でも困ることはない。できれば、仙谷由人、河村たかし、あたりに期待したいのだが、健康問題などもあるので、まあ無理だろう。個人的にファンである枝野元政調会長は、温存しておいてもらいたい。今のままでは、「ポイ捨て」されかねない。

▼ そもそも民主党は何者なのか。何を行わなければならないのか。

▼ とくに民主党内の右派が、誤解をしがちで、しばしば暴走さえみせているが、何もそんな難しいことではない。ひと言でいってしまえば、民主党の存在意義とは、自民党の左に政権交替の受け皿をつくる、以外のなにものでもない。日本の政治構造からいえば、自民党の右に受け皿を作る必要など、どこにもない。すでに、自民党が十全に果たしている。防衛政策でいえば、自民の穏健派から中道~左派まで糾合することが可能な、幅広いの現実的な政策を提示できるかどうか。経済・社会政策でいえば、小沢一郎も唱えた「フリー・フェア・オープン」の原則の下、所得再分配の機能を残しつつ、政治的リベラルの「受け皿」になりうるかどうか。

▼ わかりやすくいえば、社民党や共産党の跋扈をおさえつつ、自民党支持層を蚕食して政権交替を目指さなければならない。このポイントさえ押さえておけば、民主党は混乱することはない。あとは、民主党に期待して参加する者たちのもつ、バラエティにゆだねられるべきものだろう。西村慎吾にさえ、熱心な社会主義者の側面があった。民主党は誰のものでもない。個人の政治的信条を仮託する場所ではない。国民政党とは、「空の器」である。「空の器」は、誰にでも開かれているべきで、参加者と期待者の「幻想」によって、そのギャップは埋められるべきものなのだから。

▼ とはいえ、近年、そのギャップが開きすぎていた感がある。それは、支持団体が労働組合と市民団体のはずなのに、再分配を重視する国家主義者(西村慎吾)と市場原理主義者(松下政経塾)という、本来なら摩訶不思議な取り合わせばかり、メディアに取りあげられていた歪みと無縁ではない。それは、「ヌエ的な民主」像を促進させ、2003年総選挙で獲得できた、一部支持層の離反を招くことにつながった。2005年総選挙で比例区における社民党がみせた復調は、「受け皿」としての民主党の限界を示すものだったのだろうか。2003年夏にもりあがった三党大合同が、辻元清美の秘書給与疑惑で話を進められずに、ポシャってしまった後遺症かもしれない。

▼ しかし、「受け皿」であることを止める訳にはいかないだろう。日本政治の損失につながるからである。そういえば、小沢一郎は、自衛隊海外派兵に対して、自衛隊にかわる常設の「国連待機部隊」をつくることで、最左派の旧・社会党の横路とも合意している。「人たらし」小沢一郎の面目躍如という所かもしれないが、これは個人的にとても評価しておきたい。なぜなら、「自衛隊」とは別にすることによって、過去50年におよぶ、保守・革新の対立そのものを完全に止揚してしまっているからである。これを批判する民主右派が若手を中心に存在しているという。その批判は、保革を止揚しなければならない、民主党の存在意義に叶った立論になっているとは到底思えない。

▼ 民主党議員が考えなければならないのは、個人の思想信条の実現ではない。「政権」をとるために必要な理念軸・政策軸は何か、冷徹な見極めであろう。それでなくとも、民主党の課題と宿題はとても多い。相手は、自民党ではなく、国家権力そのものなのである。市場原理主義的な若手の議論も、小泉改革とは違った、「社会的包摂」「環境整備型国家」などを軸として、うまく止揚させていくべきであろう。政権交替のためのなあなあの妥協など不要。むしろ支持者にとって虫酸が走るだけだ。必要なのは、あくまで対立する2つの立場双方を否定する「止揚」なのだ、と言っておこうか。誰であれ、「空の器」を壊す権利はない。「空の器」の占めるべき位置を考え、それに相応しい料理をもりつけること。小沢一郎は、すでにその課題を果たしている。彼がなるか、はたまた別人がなるかは知らないが、後継代表がその課題に果敢に取り組んでくれることを願ってやまない。

(この項、了)


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Last updated  Apr 2, 2006 06:52:14 PM
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