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りゅうちゃんミストラルの日記 [全2713件]
今日21日の朝日新聞朝刊に一面を使った意見広告が出ていた。 その広告によると、タバコを1箱1000円にせよという内容だった。 この広告を出しているのは日本禁煙学会。 よくわからない団体だ。 タバコは火事の原因になる。 各種病気の原因にもなる。 私はタバコを吸わない。 だから喫煙者の気持ちがまったくわからない。 だからかもしれないが、タバコ1箱1000円にするのは賛成しかねる。 どうせならタバコを売らなければいい。 過去、こんな記事も書いたことがある。 タバコなんて売らなきゃいい! あれだけ環境問題を訴えていた筑紫哲也もヘビースモーカーだった。 肺がんで「NEWS23」を降板。 筑紫哲也、肺がんで番組休養 筑紫は2008年11月7日に肺がんのため亡くなった。 米ABC看板キャスター・ジェニングズ氏もまた肺がんで亡くなった。 そのことについてはこのページに少しだけ書いた。 報道〜クロンカイトと筑紫哲也〜 禁煙出来ない人はこの世にたくさんいる。 上のページでも紹介したが、「トムソーヤの冒険」で有名なマーク・トウェイン。 彼はこんなことを言っている。 「禁煙なんて簡単だ。その証拠に私はもう1000回も禁煙している」 タバコには依存性がある。 禁煙出来ないのは病気だからだ。 *********************** 関連記事 意見広告に意見!タバコ1箱1000円 *********************** ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 最終更新日時 2009年11月21日 19時44分53秒 トラックバック(0) |
宮部みゆき「誰か」を読んだ。 (この記事はネタばれあり) この話は杉村三郎という35歳の男が主人公。 妻の父は財閥の会長。彼は「逆玉の輿」というわけだ。 そんな杉村は会長から依頼を受ける。 実は会長お抱え運転手が自転車による交通事故で死亡した。 運転手にぶつかったのは少年らしいがまだ特定されていない。 この運転手には二人の娘がおり、父親の思い出を本にしたいのだという。 その本がきっかけで、犯人が割り出せればいい。 それが狙いだ。 杉村は出版社出身。 今は会長の会社で社内報を作成している。 そのために会長は杉村に白羽の矢を立てた。 運転手の娘は姉の聡美と妹の梨子。 母親は父親より前に病死している。 本を出すという話に乗り気なのは妹の梨子。 姉の聡美は消極的。 それは、生前運転手をしていた父親に、暗い部分があったため。 悪い仲間がいたかもしれない。 しかも、事故現場にどうして彼が向かったのか。 それがわからない。 「知らなくてもいいこと」を自分たちは掘り出してしまうかも。 それが聡美の心配。 「人に歴史あり」 それがこの作品を読んで最初に感じたこと。 その歴史は明るいものばかりではない。 誰にでも人には話せない部分がある。 強盗や殺人を誰もが犯しているわけではないが。 宮部は国民的作家。 それは多くの人が認めるところだろう。 本の雑誌「ダヴィンチ」2008年ランキングでも上位だった。 今調査したとしても、宮部の人気は揺るがないだろう。 それでも私は思う。 彼女には、往年のパワーがない。 「誰か」で言うなら、無駄が多く感じる。 今までも「模倣犯」や「理由」などは長かった。 それでも飽きることなく読めたのは、宮部の実力。 しかし「誰か」では飽きた。 作家として読者が「飽き」を感じるのは内容に問題があるから。 梨子の性格なら、本を出すということに結びつかないだろう。 直線的な思考回路がそうさせないはず。 きっと最初から犯人探しのチラシを思いついたのではないか。 そこに「誰か」の弱点がある。 本が出てこないと杉村の出番はない。 無理に杉村を出したことで、単調さが鼻につく作品となった。 また、杉村のキャラクターは女性的。 宮部に35歳の男を描かせるのは難しいのかも。 「今夜は眠れない」など少年が主人公ならまだよかった。 も少し考えないと、宮部にうじうじとした中年男性を描かせるのは無理。 杉村、姉妹、会長、梶田夫妻。 私は登場人物の誰にも感情移入できなかった。 教訓はただひとつ。 「不倫はいけない」ということだけ。 だがこの教訓は「誰か」を読む前から心していたこと。 この作品を読んで何かが変わったわけではない。 「秘密は人を孤独にする」 というフレーズは覚えているかもしれない。 「誰か」には続編がある。 それが「名もなき毒」だそうだ。 図書館に置いてあったら読んでみるかもしれない。 だが「どうしても読みたい」というわけではない。 *********************** 関連記事 誰か [宮部みゆき] 「誰か」宮部みゆき 「誰か」宮部みゆき 宮部みゆき:「誰か」 「誰か」 宮部みゆき *********************** ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 最終更新日時 2009年11月21日 19時19分56秒 トラックバック(0) |
最近ではいたるところに設置されているAED(自動体外式除細動器)。 だが、そのAEDに問題があるとしたら、助かる命も助からない。 AED作動せず死亡 全国設置の4割 10万7000台改修へ(東京新聞) 上記東京新聞の報道によると、ポイントは以下の通り。
AEDは心室細動が起きた場合に電気的ショックを与える。 そうすることにより、心臓を正常に戻す働きをする。 心臓が血液をうまく循環させられない場合。 回復しても脳にダメージが起きることがある。 血流を正常に戻すことは、患者を助けるためにどうしても必要。 このためにAEDがあちこちに設置されている。 患者にとってこの装置は「最後の命綱」と言える。 今回問題となった会社は以下のようにコメントしている。 「不具合発生の確率は極めて低い」 (上記、東京新聞の記事から引用) だがこの装置を必要とする患者の家族にとって。 「極めて低い」は救いにならない。 AEDは「必要な時、確実に動く装置」であることが必要だ。 それが100万件に1件だとしても。 その1件で人が亡くなってしまったら。 亡くなった人が自分の家族だったらさぞかし空しいだろう。 何の意味もない。 患者が死亡しても会社側は「因果関係が証明できない」と言い張るのか。 東京新聞の報道にある八十代の女性だどうだっただろうか。 実際にAEDを使ってみて作動しなかったら。 現場にいた人たちはどう感じるのか。 想像しただけで寒気がする。 しかも事故が起きたのは4月。なのに自主改修は今なのか? この対応、あまりに杜撰ではないか? AEDは電気で動く。 定期的なメンテナンスも必要だ。 もちろん使い方を知らなければ人は救えない。 厚生労働省はAEDのメンテナンスについて、以下の通達を出している。 自動体外式除細動器(AED)の適切な管理等の実施について AEDの点検をしていますか? 2004年7月から、医師でない一般人でもAEDを使えるようになった。 それは、脳への血流が止まる時間を少しでも短くしようという狙いがある。 救急の現場はそれだけ1分1秒を惜しんでいる。 あなたの近くにあるAEDは大丈夫? 使い方知っている? *********************** 関連記事 AEDは大丈夫か? -国内AEDの半分に故障の恐れ 困ります *********************** ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 最終更新日時 2009年11月21日 10時50分47秒 トラックバック(1) |
市川海老蔵と小林麻央の婚約。 ジョレー・ヌーヴォーの解禁。 ![]() どちらも私には関係ない。 無理にブログ更新する気になれない。 こんな日があってもいいんじゃないか。 ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 最終更新日時 2009年11月20日 17時47分4秒 トラックバック(0) |
国際赤十字連盟・赤新月社連盟(IFRC)の次期会長に近衛忠テル氏が決まった。 (テルは火へんに軍) 日赤・近衛社長、国際赤十字連盟会長に アジアから初(asahi.com) 近衛氏は日本赤十字社社長。 アジア人として始めての国際赤十字連盟会長職。 ベネズエラのマリオ・ビラロエル氏を選挙で破った。 近衛氏は、細川護熙元首相の実弟。 母は近衛文麿元首相の次女。 赤十字の創始者はアンリ・デュナン。 彼の出身国であるスイスの旗が赤十字の旗のモデルになったと言われている。 十字はキリスト教を連想させるため、イスラム圏では赤新月社となっている。 デュナンは第1回ノーベル平和賞受賞した人物。 その賞金は全額赤十字に寄付された。 奇遇なのは、デュナンと近衛氏は誕生日が5月8日で同じ。 IFRCは自然災害被災地で救援活動をする。 日本人が会長ということで組織の何が変わるか。 その行く末を注目したい。 ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 最終更新日時 2009年11月19日 20時14分5秒 トラックバック(0) |
19日午前10時ごろ、柏崎刈羽原発3号機で火災があった。 07年7月の中越沖地震後、今回で火災は11件目になる。 柏崎刈羽原発:3号機のクレーンでボヤ 地震以来11件目(毎日新聞) 地震による影響だけでも原発は住民にとって不安でしかない。 にもかかわらず、2年あまりで火災が11件起きる施設。 それが柏崎刈羽原発の実態だ。 「科学の粋を集めた」原発がこの有様で、営業運転再開が可能なのか。 新潟県の泉田裕彦知事でなく、小学生でも判断できることだ。 もし、あなたの近くに2年で11件の火災を起こす工場があったら。 「あの工場は何やってんだ!安全対策がなってない!」と思わないか? しかも原発は核燃料を扱う。 安全にはより高い対策が求められる場所。 そもそも、この原発近くには活断層があるといわれている。 柏崎原発沖の活断層(Wikipedia) 原発の火災ですら防止できないスタッフ。 予測できない地震にどう対応できるのか。 原発の防火対策とともに、地震対策をもう一度見直すべき。 それまでは当然、営業運転は不可能。 新潟県は営業運転再開を認めるな! ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 最終更新日時 2009年11月19日 17時31分59秒 トラックバック(0) |
第140回芥川賞受賞作、津村記久子の「ポトスライムの舟」を読んだ。 29歳から30になる派遣社員の女性ナガセが主人公。 彼女は工場でクリームの検品作業をしている。 友人のカフェでアルバイトもしている。 老人相手のインターネット講師とデータ入力も兼任。 豊かではないが忙しい毎日だ。 その工場で、彼女は一枚のポスターを見つける。 163万円で世界一周ができるというクルーズ船の募集だった。 (この値段から考えると、ピースボートあたりしかない) この金額は、彼女の年収とほぼ同じ。 ナガセは離婚を経験した母親と実家で同居。 倹約生活で163万円貯めようと決意する。 だがナガセの家に、元同級生が幼い娘とともに転がりこんでくる。 夫との相違から、離婚を考える元同級生。 女性の視点であることがよく分かる小説。 少し前に「対岸の彼女」(角田光代)を読んだだけに余計そう思う。 人は、途中を生きている。 始めと終わりを見た人はいない。 歴史の途中で人は生まれ、最後を見届ける前に死ぬ。 日常を描くとはそういったことだと私は考えている。 小説の目的は以下の二つの集約される。 「人生とは何か」「人とは何か」 刺激的な小説もあれば、退屈な小説もある。 それはそれでいい。 しかし、退屈な小説であっても主人公に感情移入できる部分がほしい。 「ポトスライムの舟」に、私はその部分を見つけられなかった。 読者が一度でもそのように意識してしまった場合。 残りを読むのは苦痛でしかない。最後まで読んだら失望が残る。 「十二月の窓辺」 この本に収録されているもうひとつの作品。 印刷会社勤務の女性ツガワが女性係長からパワハラを受ける。 結果としてツガワはこの会社を退職する。 その間の葛藤が描かれている。 ツガワの選んだ退職の判断は正しいと私は考えた。 退職というとこんなこと言われるかもしれない。 「何だ我慢のない!」 「次の職場でもきっと同じだよ」 作品の中でも表現されていたが、こうした意見は昔もあった。 だが、入水自殺騒動を起こすのなら退職のほうがいい。 現代社会は狂っている。 だからこそ鬱になったり、自殺者が3万人も出たりする。 いくつか苦言を。 係長の悲劇が本当なのか否かは分からない。 だがそのことがエピソードとしてどういった影響があるのか。 それが私には分からなかった。正直、消化不良だった。 理解しにくい部分すらあった。 アマゾンで検索してみると、この作品は評価が分かれている。 正直に書くと、私が考えるより評価が低い。 文学と読者の乖離は数年前よりさらにひどくなっている。 そう考えるのは私だけではあるまい。 「芥川賞受賞作は純文学だから売れない」というのは常識。 しかし「売れなくてもいい」わけではない。 読者に迎合してまで売れる必要はない。 結果として「売れなくても仕方ない」ということ。 何人かの選考委員と呼ばれる「常識人」。 彼らによってこの作品は芥川賞が決まった。 だが私にはその理由が理解できない。 「如実に現代社会を表現できている」とでも言うのか。 津村記久子の作品は他にもいくつかある。 しかし私はもう一冊読みたいとは思わなかった。 読者には内容が批判でも書評を書くこと。 そして「もうこれ以上読まない」という選択肢がある。 読みたい本は他にも沢山ある。 それは彼女の作品である必要を今は感じない。 *********************** 関連記事 新芥川賞作品「ポトスライムの舟」を読む ↑この小説について書いた記事。 この方も芥川賞受賞について疑問を投げかけている。 この記事に寄せられたコメント(それに対する反論)も参考になる。 ポトスライムの舟 津村記久子 ↑この作品に対して高評価の記事。 その理由についてこう記述している。 >人間を人間として扱わなかったことが何を引き起こすのか、そして今の日本の搾取の構造も含めてこの作品が突きつけたものは重い。 不公平にならないよう、こうした記事も紹介しておく。 『ポトスライムの舟』津村記久子 ポトスライムの舟 ポトスライムの舟 / 津村記久子 「ポトスライムの舟」津村記久子 *********************** ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 最終更新日時 2009年11月19日 18時52分8秒 トラックバック(0) |
イエメンで誘拐された日本人男性。 州当局は開放されたとロイターに伝えた。 イエメンで拉致の邦人解放、仲介者が保護=地元当局(ロイター) ![]() この誘拐事件については以下の記事で書いた。 イエメンで日本人技師ら誘拐 男性は仲介者と一緒で、2時間以内に首都サヌアに到着するとのこと。 この記事は速報。開放が確認されるのを待ちたい。 続報が入り次第新しい記事に切り替える。 追記 その後も日本人開放は確認されていない。 イエメン:日本人誘拐 解放確認に至らず 複数の情報筋「男性は元気だ」(毎日新聞) 今(18日午後5時現在)、誘拐された日本人はまだ犯人が拘束している模様。 早まってこの記事を書いたが、勇み足だったようだ。 *********************** 関連記事 イエメンで拉致の日本人解放? *********************** ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 最終更新日時 2009年11月18日 17時22分31秒 トラックバック(1) |
東野圭吾「赤い指」を読んだ。 (一部ネタばれあり) この作品は直木賞受賞後第一作。 流行作家、東野圭吾のデビューから60冊目だそうだ。 私は東野の作品を、それなりに読んでいる。 「容疑者Xの献身」 「ガリレオの苦悩」 「聖女の救済」、 「さまよう刃」 「宿命」 「白夜行」、 「むかし僕が死んだ家」 「変身」 「分身」、 「天空の蜂」 「レイクサイド」 「探偵ガリレオ」「予知夢」 だが本作品は私にとって加賀恭一郎初登場。 別に狙ったわけではない。たまたまこうなっただけだ。 本作品の主なテーマは「親と子」。 「父親と子」と言ってもいい。 社会問題として介護や痴呆も絡んでくる。 少年法のあり方にもできたこの作品。 だがその部分は薄い。 少年法については映画化された「さまよう刃」に込めたと解釈しよう。 捜査一課に抜擢された松宮。 練馬署の加賀は伯父に当たる。 その松宮は殺人事件の捜査で加賀と組むことになる。 だがその松宮は加賀にいい印象を持っていない。 父を亡くした松宮母子に対し、加賀の父親は何かと援助してきた。 その父親が癌で余命わずかというのに、加賀は見舞いにも行こうとしない。 理解に苦しむ松宮。 事件は死体遺棄で始まった。 幼女の遺体が公園で見つかった。 首を絞めて殺されていた。 その遺体をどうやって運んだか。 加賀の推理は「普通の家庭」前原家から真実を導き出す。 ここで重要なのは「真実は何か」ではない。 それはすでに読者が知っていること。 加賀が「どうやって真実にたどり着くか」。 これを作者の東野がどう描くか。 そこに作家としての力量が試される。 繰り返しになるが、読者は知っている。 誰がどうやって幼女を殺したか。 その犯罪を犯人の家族がどう隠そうとしているか。 ここにも道を誤った親と子が出てくる。 この一家には救いがない。 人を殺しておいてなお身勝手な息子。 「息子を守る」という意味を勘違いしている母親。 そして結局はくだらない計画を立てる父親。 息子が人を殺したなら、両親のどちらかは警察へ連絡するだろう。 前原家はこの親にしてこの子ありだ。 だが、この親子を批判していられるのはこれが小説だから。 もし実際に自分の息子が人を殺したら。 この家族を批判できないかもしれない。 その状況になって初めて、自分の判断力は試される。 当たり前だが被害者の家族にもまた家族がいる。 被害者の幼女は何の罪もなく殺された。 被害者の両親にも非はまったくない。 時間の経過とともに、世間から忘れ去れられる事件。 それがいかに多いか、ここで語らなくても理解できるだろう。 この作品を読むのに長い時間を必要とはしなかった。 これなら加賀が出てくるシリーズを読むのに苦労はしない。 ひとつ苦言を。 認知症を家族に装うのは、かなりの演技力が必要。 この点で本作品はリアリティーに欠けている。 もし日本国内で認知症を演技している老人が多く存在していたなら。 この国は何と救われない暗い国か。 そうでなくてもため息の出る事件が起きているというのに。 イジメや介護だけでなく社会問題は山積しているというのに。 救いがあるとすれば、それはエンディングにある。 なぜ加賀は父親の見舞いに行こうとしなかったのか? それでも警察官親子の間にはつながりがあった。 もし終わり方がこうなっていなかったら。 救われない気分が読者に残っただろう。 *********************** 関連記事 赤い指 東野圭吾 小説『赤い指』 東野圭吾 赤い指/東野圭吾 「赤い指」 四つ葉書房 「赤い指」 東野圭吾著 赤い指 東野圭吾・著 赤い指 東野圭吾 読書感想 *********************** ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 最終更新日時 2009年11月18日 18時5分37秒 トラックバック(0) |
第132回直木賞受賞作、「対岸の彼女」を読んだ。 私が角田光代の作品を読むのはこれがはじめて。 特にこの作品については前から気になっていたうちの一冊。 彼女の文章は読みやすい。 ページの割りに、するすると読めた。 専業主婦の小夜子には幼い娘がいる。 「公園デビュー」に失敗した小夜子は、働きに出る。 面接でいくつか落とされた後、採用されたのが葵の会社。 旅行関連会社ではあるが、家庭の清掃を請け負う事業を始めるという。 その清掃事業の中心が小夜子だ。 物語は二つの話が交互に描かれて進む。 ひとつの話は小夜子中心。 報われない主婦業。 しかも夫や姑との関係が重くのしかかる生活。 結婚前に勤務していた会社での人間関係から小夜子は脱したはずだった。 しかし新しい世界にはまた別の人間関係がある。 もうひとつの話は葵とナナコの高校生時代の話。 イジメがあり、家庭崩壊がある。 主婦の公園と学校は、下らない集団を作るという点で同じ。 この二つの話が終盤、一つになる。 村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」。 そして手塚治虫「火の鳥」太陽編でもこの手法は使われた。 私はまだ読んでいないが、話題の「1Q84」もこの手法を用いている。 タイトルにある「対岸」。この意味は何だろうか? すぐに思いつくのは小夜子と葵の対比。 奇遇にも同じ大学の同級生だったが、別の道を歩んでいる。 主婦とビジネスウーマン。 もうひとつあるのはナナコと葵の対比。 私はこの本を読んでいて、ナナコの家庭環境に興味があった。 物語序盤ではそれを表現する部分がない。 それだけに「何かある」とずっと感じていた。 問題はそれが何かという点だ。 (ナナコの両親については結局分からずに終わる) 終盤、もう一度ナナコの出番はあるのか。 私はそれも気になっていた。 個人タクシーの運転手をしていた葵の父親。 彼のはからいでナオコと葵は高校生のうちに再会する。 しかしその後は音信不通。 これにはいろんなことが考えられる。 本文中に出てきたように「怖かった」から連絡しなかった。 ひとつにはそう考えられる。 ナナコは手紙を書いたが、葵の母親がそれを隠していた。 実はプラチナのリングも母親が隠していたかもしれない。 そう考えることもできる。 答えのない疑問についてあれこれ考えるのは楽しい。 それは小説を読む醍醐味のひとつとも言える。 もうひとつの醍醐味。 それは「この話を別な作家が描いたらどうなるか」という点。 重松清なら、別のアプローチだったろう。 石田衣良なら、二人の女子高生についてどう描いたか。 成長した葵と小夜子についてもそれは同じ。 当たり前だがこれは女性の視点で書かれた小説。 読んでいてそのことを強く感じた。 特に、小夜子の夫とか木原など男性陣が見事に脇役。 この点がいかもに女性作家。 印象に残ったのが以下の部分。 「ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよね」 「ひとりでいてもこわくない」 そう思えるまで人間は時間がかかる。 「ひとりは嫌だ」と思いつつ死ぬ人も多くいる。 人は集団でいることにより安心する。 逆に、孤独は人をどこまでも不安にさせるもの。 不器用であればあるほど、組織(集団)に対する依存度は高まる。 それは女子高生でも主婦でも代わりがない。 だからこそ、この小説は成り立つ。 「負け犬」「勝ち組」「女の友情」女性の人間関係ではいろんなことが言われた。 女性の読者は、この小説をどの視点で見るのだろうか? 分析してみたら面白いかもしれない。 蛇足になるが、ラオスの名誉のために書いておく。 物語の終盤、ラオスのバス停が出てくる。 私はかつてビエンチャンとワンウィエンの間をバスで旅をしたことがある。 ラオスという国はのんびりとした素朴が自慢の国。 葵のような被害に遭うことは少ない。 ただし、ワンウィエンから北の国道13号線は事件が起きている。 世界遺産の街、ルアンパバーンまでの道はバスも襲撃されたことがある。 葵が金を奪われたのは実に運がない。 いくら素朴なラオスといっても、知らない人についていくのも問題あり。 (ナナコの名前が彼女をそうさせたというのは十分理解している) 今後も角田光代の作品を読むことはあるだろう。 私は読みやすい作品を書く作家を歓迎する。 「じっくり描いて説明じみていない」という点も好感が持てる。 エンディングに希望があるのも救われる。 正直、この作品を読んで損はなかった。 *********************** 関連記事 『対岸の彼女』 角田光代 (文藝春秋) 「対岸の彼女」角田光代 角田光代「対岸の彼女」 対岸の彼女 対岸の彼女 「対岸の彼女」角田光代 ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何か *********************** ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 最終更新日時 2009年11月17日 20時49分16秒 トラックバック(0) | |一覧| |
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