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柳居子徒然
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柳居子の日記 [全1311件]

物見遊山だけでは無い京都観光 

 

 京都新聞日曜版連載のソフィア文化会議欄に、花園大学副学長の芳井敬郎氏が 『京都が持つ老成の美学』 という一文を寄稿されている。

 http://www.kyoto-np.co.jp/info/sofia/20091122.html

 日本人の本質的な変化 若い事 若々しい事が美しく良い事。老い 老人は頑迷 年寄りの存在位置の低下は、大家族制度の崩壊に伴い 伝統的な価値観が、類型的 創造性に乏しいと排除され 若さや直情的 合理的な価値観が広く行渡ったと説かれている。1960年代 核家族が唱えられた時代から日本人が変わってきたと云うご指摘 柳居子もこの60年代というのが一つの変わり目として歴史に記されるべき一時代という認識を持つ。

 行を変えて芳井氏は 今 京都を訪れる観光客が、伝統都市の本質をどの程度理解しているのか 異空間 日常とかけ離れた体験として 諸外国の観光地訪問と同列ではなかろうかと云う感想を述べられている。京都を訪れる観光客と芳井氏との接点がどの程度有ってのお言葉かは知らぬが、柳居子は、ほぼ毎日のように 朝コーヒーを飲みに出かける喫茶店で多くの観光客と接点・会話がある。朝の早い其の店は 『京都の朝はイノダから』 というキャッチフレーズがあるくらい観光客を集めるスポットになっている。朝早く朝食を済ませて 京都市内方々を巡るのは時間の使い方を計算した旅慣れた人達 皆 始めて京都へ来たという人たちではない。   柳居子は京都の事に付いては決して暗い方ではないと自負している。地元紙が聞きに来るような領域にも興味の趣くまま知り及ぶ事も有るが、観光客の中には、舌を捲くような京都通が居るのである。 定期的に訪れて顔馴染みになる人も何人か居る。

 其の人たちの考え方の立脚は、芳井先生の仰る逆である。日常をすなわち非日常と考える心である。致し方なくマンションの高層に住んでいるが 本来は庭のある一軒家 木造の家並の揃った京都の町家で営まれる京都の町・生活を見て 本来 本質的にはこういう家に自分達の先祖は住んでいて 自分達にもそれに憧れる血が流れている。日本人である事の自己証明と云うと大袈裟だが 民族としての同一性を感得 若しくは忘れない為の旅 そういう位置づけのようである。

 60年代萌芽の若さ至上主義だけでは収まらない何かの高まり 行き詰まりの閉塞感が何かを求めて京都へ途切れる事のない観光の列では無いかと柳居子は考える 芳井先生は柳居子と同年輩 拝眉の機会が有れば意とするところがもっと正確に伝わると思う。

 

柳居子花徒然

トルコキキョウ




Last updated 2009.11.23 10:47:21
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2009.11.22

好奇心  (2)

 

  溢れる知識欲の塊のような若い時ならいざ知らず、老境に入ると何となく未知の事柄 領域に興味を抱く事が少なくなってくる。 自分の判る範囲 今まで過してきた営み以外に何を知る必要が有るのか、これは一理ある 平穏無事と云うのは刺激の少ない事だろう。

 思いもかけぬ人に 本サイトを読んで頂いていて 『柳居子君は、好奇心の塊ですなぁ』と言われ平身低頭 『お恥ずかしき次第』と話題を切り換えたのだが。自分自身 好奇心が旺盛などと考えた事が無いが、只インプットされる情報 (新聞・テレビ・ラジオ・ウェブサイト・人に聞く話) に対して本当なのか 正確か と疑って 何故かを合わせ考えると、一つの情報が大きな拡がりを持つことになる。 如何いう視点で書かれた記事か 新聞を例に取ると 同じ情報の取り上げ方の差を読むことで、事実の正確な像の浮かび上がる事もある。

 先日も中国の新型インフルエンザの死者・患者数の実態が現場に立つ権威者が暴露していた。疑わしき死者の死因調査をせずに 罹患死者数に入れないと云う欺瞞である。この記事は本サイト発生当初中国の患者・死者数と諸外国との比較対照の数字を紙面に載せる事の不都合を指摘している。

http://plaza.rakuten.co.jp/camphorac/diary/200905200000/

『 感染者数を国別に世界地図の上に数字を並べ 何処で猛威を振るっているのか 感染者数世界で第四番目に日本と云う記事は如何いう根拠で発表しているのか疑いたくなる。全くメディアが並べ立てているだけの数字であろう。 中国の感染者数が中国当局発表のたったの四人と云う数字と、日本の数字を並べる事に 比較資料と読者に提供する事を可笑しく考えないのか 読者の誤解を招くと思わないのだろうか 柳居子思うに 既に新型インフルエンザは全世界に蔓延していると考えて間違い無さそうである。』

 新聞が遅れて報じる事と、自分が予測して書いた事が合致した時はしてやったり 言っていた通りだろうと 少し満ちた気分になる。是などは好奇心の範疇には入らず お節介と云うべしかと思う。

 

柳居子花徒然

満天星 照葉




Last updated 2009.11.22 06:40:25
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2009.11.21

出版計画  (1)

 

 印刷会社のデザイン部門の仕事をしているワタル先生を煩わして本を作っている。二人合作の一冊は絵本 恐竜好きの柳居子の孫への贈り物で、当初は一冊だけ作るつもりだったが 今のところ三冊 手元に置くのと ワタル先生の分を考えている。 孫の誕生日に恐竜と魚の図鑑を乞われて送り孫からお礼の電話を受けたとき 『今度は、京都の爺ちゃんが本を作ってあげる』 と約束したのが発端 孫との約束は大方の約束に優先する。 今 本文の校正と 挿画をワタル先生に考えてもらっている。挿画は白抜き 塗り絵の体裁 本人(孫)が色つけをする。 上手に色が塗れるように同じ大きさの 恐竜や 背景の線描だけの練習帳と色鉛筆かクレパスが付く。練習の初体験になるのかも知れない。 本文のほんの一部分を紹介する。

 『長いながいふねのたびをして、やつとしまにたどり着くと 恐竜さんがこうすけ君をでむかえてくれました。「こうすけくん よくきたね ガォー」とびっくりするほど大きなこえです。』

 祖父から孫への贈り物というごく個人的な本一冊だが、ワタル先生曰く 『ほんの少し 世に問うてみては』 三冊作るのも十冊・百冊同じ手間 同じように経費が要るという思いもあるのかもしれない。爺ちゃんがお前の為に一冊だけという本旨に外れるなあと言うと 手作りの本をプレゼントする運動や流れが出てきたら世のため 家族間が暖かくなるという社会的な行為などと先生何時に無く強弁。三月書房に並べてもらったら等とも言う。

柳居子花徒然

 

 




Last updated 2009.11.21 12:14:41
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2009.11.20

清さん 忠良さん  (1)

 

 仕事を終えてのいつもの日課 珈琲屋で熱い一杯を啜りながら、日経の夕刊のチェックをしていると、彫刻家の 高松清さんがやって来て 柳居子の直ぐ前に座った。 未だ時差ぼけが戻らぬと云う 『西へ行ったの』と聞くと『パリを中心に一週間出掛けていたと云う。 昭和元年か二年の生まれ もう八十歳は越えている。海軍航空兵の最終期が彫刻家になった変り種。 貴方の年で自分の足を使って行きたいところどこへでも行けるのは幸せな事だと言うと パリ在住の女の弟子が何か由緒の有る賞を取ったから見に来てくれと言うから出かけたそうだ。 一頻りパリの話 売春婦の事 街娼は厳しく取り締まるが飾り窓越しの交渉はお咎めなし オランダ アムステルダムへも足を伸ばしたのかもしれない。

 一週間の強行軍の末 帰ってきたら冷蔵庫が潰れていた 冷凍庫に入れておいた食材一切アウト 彼は先年細君が先に亡くなって自炊している。http://plaza.rakuten.co.jp/camphorac/diary/200703050000/

 潰れた冷蔵庫は20年程使ったのだから寿命が来た 仕方が無いと云う 『あんたの年で 何処にでも出かける事のできるのは、亡くなった奥さんが 少しでも元気に私の分まで長生きしてね、と見守っているのだよ』 晩年痴呆の出た細君を傍目で見て、よくあれだけ務まると思うほど世話をし尽くした。 ふと目元を見ると赤く潤んでいる 泣かしてはなるまいと話題を切り替え 冷蔵庫は同じ大きさのを買ったのと聞くと 潰れたのと同じようなのを買ったと答え 今は六年間保障してくれるらしいと言う。 柳居子返し 毎年潰れても買い換えるから 私の寿命を六年間保証してくれと頼まなかったのかと言うと そういう言い方があつたなぁと 破顔一笑

 其処へ 数学者 忠良先生がやって来て隣に坐る。彼は本職数学の学究以外にも中々の碩学で 柳居子も彼の前では大人しく承る内容の話が多い。http://www.kyoto-np.co.jp/info/sofia/20090607.html

例え新聞の折込広告一枚でも疎かにしない 銀閣寺前町の大きな土地の販売広告 哲学の道近く西田幾多郎先生が思惑にふけりながら 散歩した事から名付いた 

http://www.ginkakuji-maemachi.jp/location.html

 

 『思惑』は 明らかに『思索』の間違いであろうと忠良先生の指摘。 件の土地は地元住民が環境破壊と大反対運動をした 山(確か東山三十六峰第九峰北白川山か)を削った造成地 曰く因縁のある土地  売主 富士ランディング株式会社が 売れるか売れないか思惑で買った土地だからつい広告にも西田先生思惑が出たのかもしれないなぁと 忠良先生と又一笑い 笑い二題 些事を長々と書いて御免。

 

柳居子花徒然

パンダブルー

 

 

 

 




Last updated 2009.11.20 08:40:42
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2009.11.19

森繁節

 

 好きな歌手や曲は繰り返し聞く事になるから当然の事と言えばそれまでだが、最初の歌いだしワン・フレーズを聞いた時点で、誰のあの曲と思い浮かべる。 誰もが思い思いそのような曲を持っているのではなかろうか。世代や男女 又好みも色々とあるが、歌いだしの一声で誰とわかる歌手は普遍的にみて人気歌手なのだと思う。

 先日亡くなった森繁久弥氏は、NHKの元アナウンサーの前歴を持つ唯一の紅白歌合戦の出場者(歌手)である。 生前のインタビュー番組を追悼で流していた。 唄は余技と言いながら 呻吟を重ねての一期一会のような事を喋っておられた。 「知床旅情」 「銀座のツバメ」とよく知られた歌以外に『フラメンコ・カッポレ』というコミックソングがある。 アドリブか 計算され尽くした唄なのか 其の境目すら感じさせないのが森繁節の楽譜すら超越した真骨頂なのだ。

 余聞 『屋根の上のバイオリン弾き』を見た 世界的に有名なバイオリニストか指揮者かが、森繁を楽屋に訪ね 顔を見るなり抱きついて 『貴方には私達と同じ血が流れている。ユダヤだろう?』と尋ねたと云う

我々の想像の付かない 深い 頼もしい演者だったのだろうと改めて思う。

柳居子花徒然

 




Last updated 2009.11.19 10:28:33
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2009.11.18

本を頂く

 

 気鋭の茶道家 木村宗慎氏が、先月上梓発刊した本を届けてくれた。 阪急コミュニケーションズ PEN BOOKS 『茶の湯のデザイン』 続刊として 『利休の功罪』 という少々物騒なタイトルの本もシリーズ二冊目として出したようだ。 写真を多用した入門ガイドブックの体裁 続刊を読んでから内容詳らかにしたい。

http://books.hankyu-com.co.jp/_ISBNfolder/ISBN_09200/09216_chanoyu/chanoyu.html

 柳居子の周辺にはお茶人さんと呼ばれる人が居たし今も居る。又 お茶道具を商う美術品商も、数多く知っている。 茶の嗜みは身につけねばと、門戸をたたきかけた事も有るが、師に付いてお茶を学ぶと云う事は無かった。 茶や茶道を比較的近い位置で、眺め続けてきたと言えるかと思う。

 家元制度というある種の新興宗教のようなシステム化された権威付けは、伝統を伝えるという面では実に上手く機能するし 実績を積んできた。 しかし伝統文化を伝えると云う事は旧態を脱皮して新しい価値観を作り出さねば先細りになる事を真剣に考えねばならない時代だとも思う。 時代の迎合ではない必死の覚悟の変身である。

 何に合わせねばならないかと言うと 日本人 今の日本人の平均寿命 急激に伸びた寿命は、お茶に関わる停年若しくは限界年齢のようなものを頭に入れねばなるまい。茶掛けと呼ばれる席に掛けられる伝世の軸物 書いた人の年齢 其の時代の平均寿命 その人が幾つで死んだか等と明らかにすると今と書かれた軸物の内容とは理解の出来ない隔たりが感じられるかも知れない。 立礼の事は以前本サイトに揚げたことが有るが、維新後 博覧会にやってくる外国人に向けての趣向だったがもう少し掘り下げて今の日本人の多くが外国人と見立てをする必要があるように思う。

裏は立礼の一つの型として胡坐の席と云うものを提唱しているようだ。 現実 椅子暮らしのお年寄りに本席での長時間の正座が叶うことではなく 茶離れの大きな因であろう。若者の正座はそれ以上にハードルが高い。 日本の精神文化の精髄という自負があるのなら、お年寄りの体の弱った入院患者でも 楽しく 昔を懐かしむ 品性 節度の有る点前を誰かが考え付かないかと期待している。

 平面的デザインだけでは対応の出来ない所作を 立体的デザインを加味した所作が考えられても良いとは 柳居子の素人考えである。

 

柳居子花徒然

クリスマスブッシュ

 

 

 




Last updated 2009.11.18 09:14:26
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2009.11.17

緑と青

 

 日本人全体が持つ曖昧(あいまい)な認識の一つに、緑と青の色の使い分けが有ろうかと思う。可視光線をスペクトル分光して計ると 赤・橙・黄・緑・青・藍・紫 と波長の長短の順に並ぶ。明らかに緑と青は違う色に関わらずゾーン分けがはっきりとはしない様だ。最近の信号灯 輝度の高い青色(空色)になつているが 少し前までは緑の範疇の色だった。俳聖 「日光山に詣づ」との前詞の『あらたふと青葉若葉の日の光』の一句の 青葉は信号灯の青かと言うと決してそうではない 若葉はおそらく淡い緑色では無いかと考える。信号灯の青色と云うのは自然界にはない色だろう。

 緑と青の認識の曖昧さは、絵具の名前にも及ぶ。糸偏の付く植物染料系の絵具は除外して 岩絵具と呼ばれる鉱物性の絵具に緑と青のかかわりが深い。 緑青(ろくしょう) 群青(ぐんじょう) 双方に青が付く。緑青は孔雀石と呼ばれる銅鉱石の錆の色 中国名は石緑と表記される。群青は藍銅鉱を原料にして中国名は石青と呼ばれる。鉱石の石に色名を付けた中国読みは判り易いが 緑青・群青と並べて字面だけで色の正確な認識の出来る人は少ないのではと思う、青が群れるという語源は一体何だろう又 群青と緑青を合わせた色を「群緑」という呼び方も有るそうだ。慣用色名とでも言うべしか。

 山海経(センガイキョウ) 中国古代の百科事典のような本には 絵具の材料 『丹』 水銀に付いての記載が何箇所か有る。辰砂と呼ばれる水銀は朱(あか)の色絵具の材料だが、丹には 白・朱・青の三種があると伝えている。白は自然界で液状で存在する 昔体温計に使った水銀柱の事 鉛白 鉛を主原料に白を作った前の時代の白絵具が水銀だった。高価で普及しなかったようだ。 昔 伊勢白粉(おしろい)には水銀が使われていた 水銀は皮膚からは吸収されないから鉛のように毒にはならなかったようだ。青丹と呼ばれる 丹は山海経をはじめ 文献に現れるだけで何を指す言葉かは未だ解明されて居ない。

 丹の一字の付いた仁丹など 微細な量は薬になるのか そういえば赤チン 水銀処理ができないので廃業という記事の出たのは随分昔の事。金の精錬には欠くことのできない水銀だが メディアに上がる水銀は公害のレッテルが貼られ旗色悪しである。

 

 昔からそう呼んでいるとか そうなっているという慣用言葉と云うのは世に沢山有る。理に適った正しい呼び名をつける普及させると言うのに我々一人一人の人生は余りに短い 慣用で皆が納得すればそれで良いものなのかも知れないと柳居子思う。

 

 

柳居子花徒然

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Last updated 2009.11.17 12:29:26
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