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深夜のラジオ歌番組で流れていた 歌手 北島三郎氏の唄う『風雪ながれ旅』という曲を聴いていて、唄い出しの歌詞フレーズ「破れ単衣に 三味線だけば」から唄い納めの 「留萌 滝川 稚内」までの全曲 この歌 今の若い人にどれだけ理解が出来るのかと云う事が気になった。
歌謡曲 流行り歌は、歌詞内容が正確でなければ 駄目という決まりは無いし、論理的整合性に拘らない事で、情緒的安定感を表現できるのだろう しかし歌詞の意味が解らないと心地よいメロディに何か歌詞が乗っているという感覚になるから 若い人向けに歌詞内容の洗い出しをしてみようと思う。 『破れ単衣』 単衣は裏の付いていない一枚物の夏着 古くは下着だったが 平安時代 小袖の付いた肌着が出来てから その上にはおる いずれにせよ薄物 夏の衣装である。今ならさしずめ 破れ単衣は 着古して綻び肌の見えるTシャツといった感じか。 『三味線だけば』 三味線を抱くというのは、歌の主人公が 門付(かどづけ)芸人 流しの三味線弾き 弾き語りをしながら何某の金を得る大道芸人 ストリート・アーチスト 衣装と配役が決まって 『よされよされと』 よされ・よされは、囃子言葉 東北地方の民謡に多くつく 酒盛り歌 盆踊り歌などを囃子立てた。 『雪が降る』 これがいけない 破れ単衣に雪が降ると確実に凍死のケース 津軽。八戸・大湊 港町を単衣で三味の流しは出来ない。 単衣を季節設定冬に合すと『破れ袷(あわせ)』で語呂が悪い。 『鍋のコゲ飯』 『袂でかくし』 『抜けてきたのか親の目を』 『通い妻』 其々に説明が要りそうだ。最近の炊飯器は機能が向上して、おこげも自動的に作れるようになっているらしいが、昔は大きな釜で米を炊いたから 火加減を少し誤るとおこげが出来た。『鍋のコゲ飯』 鍋は料理用の道具 正確には 釜のコゲ飯だろう。 袂(たもと)は和服の袖口から下 袋の様に垂れ下がった部分 コゲ飯を隠すには格好 これは今の生活に適当に言い表す言葉が無い。『通い妻』親の目隠れての男女関係 男が通うのではなく女が通うから、一見女性主導の男女関係の様に見えるが其の辺りの機微は歌詞だけでは判らない。 流行り歌と言うのは、聴いて心地良ければそれで良いのだから こういう事を書くのは野暮と言われるかも知れないが、我々の世代だけで終わらせるのは勿体ない 歌い継がれるには若い人の理解が必要と一助になれば良い ふと思い出した別の歌手の歌詞フレーズ『私は港の通い妻』大月みやこさんが唄っている。風雪ながれ旅も、大月さんの『女の港』も作詞は星野哲郎氏 作曲は船村透氏。 通い妻がお好きだったのかも知れない。
http://www.youtube.com/watch?v=KpFjuI6iQrg http://www.youtube.com/watch?v=jQAg8WXDJ-oお気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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