宮本輝「約束の冬」上下
宮本輝「約束の冬」上下 文春文庫 読了。ストーリーは…どう説明すればいいのか難しいので読んでいただくとして…宮本輝の小説の特徴の一つは、ストーリーの大筋とは直接関係のないサブストーリーに、ふと心にひっかかるものを配置することだと思います。この小説においては「空を飛ぶ蜘蛛」もしかして羽が生えた蜘蛛がいるのだろうかと思って読み進むと、そうではありませんでした。蜘蛛がお尻を上に向けて4,5本糸をぴゅ―っと吐き出し、凧のように飛ぶと言うのです。そうやってテリトリーを広げるのだと。うまく上昇気流に乗れず、ぽとんと落ちてしまうもの、風に巻かれて糸が玉になってしまって落ちてしまうもの、心ならずも何かに引っかかって2,30メートルしか飛べないもの、うまく飛んだがゆえに鳥に見つかってしまって食べられるものいろいろだそうです。でも、うまく何キロも飛ぶ蜘蛛も居るそうです。小説の中では岡山県総社市で見かけていることになっていますが東北、北海道でも見ることが出来るとか。なぜかそのあと雪が降ることが多いので「雪迎え」と言われているそうです。私はそんな風景見たことないのですが、ご覧になったことがあるかたいらっしゃいますか?ものすごく珍しいことかと思ったのに、私の知り合いには4人も見たことがあると言う人がいました。全員近畿圏に住んでいます。悔しいよう。死ぬまでに一度は見てみたいものです。なんだか宮本輝の小説とは関係ない話で、テーマに沿わなかったかなぁ?すみません。