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 マムの素 *             青カバ・ウィリアムはかく語る

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2007.01.21
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   思わず、テレビを消してしまう。・・・そんな耳をふさぎたくなる

   ような出来事がここ数年おこり続けています。

   特に若いこれからの人が起こす事件には、

   マム自身が八つ裂きにされるような痛みと

   哀しさを感じてやみません。

                 *

   「海辺のカフカ」になれなかった少年たち

                 *

   マムはこのごろ上記のような思いを強くします。

                 *

   海辺のカフカはさらりと読めば、

   暴力とセックスと不思議の物語です。

   はじめて村上作品をお読みの方は

   意味不明の展開や登場人物に

   泡をふかれることと思います。

   拒絶反応さえおこしかねない!

   村上春樹さんにつきものの評価のわかれる

   小説です。

   が、

   マムは村上さんの小説は「喪失と再生の物語」

   だと思っています。

   村上さんの作品の中にオウム真理教がおこした

   地下鉄サリン事件に遭遇してしまったひとたちへの

   聞き取りをまとめたものがあります。

   「アンダーグラウンド」という本です。

   これは非常に真摯で丁寧につくられたドキュメント

   です。このとき村上さんはオウム真理教と彼なりに

   対峙したわけです。

   そして益々、従来からの喪失、再生、再興を

   モチーフとした作品をうちだしていく

   ようになっていったのではと・・・思います。

   海辺のカフカはそのような命題をもった作品の

   ひとつだと思います。

                  *

   15才のカフカは誕生日に呪われた家をでます。
  
   そして四国へひかれるように進みながら

   子供と大人との現実の迷宮にさまよいこみ

   壮絶な葛藤のなかで成長し再生へ息吹いていくわけです。     

   当然ながら、村上さんの不思議ワールドが展開、炸裂 

   していきます。

                  *

   「これからの人」が目の前の現実に押しつぶされて

   とり返しのつかないことをしてしまう。

   一番手っ取り早い手段を使って

   時間をとめてしまう。

   暴力的でありながら

   これほど非力なことはありません。

   これほど哀しいことはありません。

   ・・・・・

   そのようなことをしては

   いけないのですよ。

                  *

   どうぞ「わかい人」、「タフ」になってください。
  
   迷宮にまよいこんでも、時間をとめないでください。

           トップの画像はdeco7さんのブログより            
             カフカがさまよいこむ深い森を彷彿させたので
             拝借しました。




  


             





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Last updated  2007.01.21 17:16:13
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