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カテゴリ:本のある暮しあるいは村上春樹
スピーチ全文1・スピーチ全文2
村上春樹さん:カタルーニャ国際賞スピーチ原稿全文 3 日本で、このカタルーニャで、あなた方や私たちが等しく 「非現実的な夢想家」になることができたら、そのような国境や文化を 超えて開かれた「精神のコミュニティー」を形作ることができたら、 どんなに素敵だろうと思います。それこそがこの近年、様々な深刻な 災害や、悲惨きわまりないテロルを通過してきた我々の、再生への出発点 になるのではないかと、僕は考えます。我々は夢を見ることを恐れては なりません。そして我々の足取りを、「効率」や「便宜」という名前を 持つ災厄の犬たちに追いつかせてはなりません。我々は力強い足取りで前 に進んでいく「非現実的な夢想家」でなくてはならないのです。人は いつか死んで、消えていきます。しかしhumanityは残ります。 それはいつまでも受け継がれていくものです。我々はまず、 その力を信じるものでなくてはなりません。 最後になりますが、今回の賞金は、地震の被害と、原子力発電所事故 の被害にあった人々に、義援金として寄付させていただきたいと思います。 そのような機会を与えてくださったカタルーニャの人々と、 ジャナラリター・デ・カタルーニャのみなさんに深く感謝します。そして先日 のロルカ の地震の犠牲になられたみなさんにも、深い哀悼の意を表したいと 思います。 (バルセロナ共同) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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