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2年前、急傾斜対策事業によって出た土砂により、子どもらの安全のためにと門前の池を埋め立てようとしたところ、風致の問題を唱えての反対にあい、埋め立て撤回となった一件がありました。
裏山の急傾斜対策事業も、いよいよ最終工期に。 住職から、腫れ物を触るかの如く放置された池は、蒲などが生い茂っての荒れ放題になってしまい、出入りの植木屋さんも嘆くほど。 これでは、今後いっこうに埒明かない。譲歩を得るなら今しかない!ということで、住職には内緒で、反対者宅まで談判に伺うことにいたしました。 約束の時間に玄関に立つも、所用が済まぬからと店内の座椅子に腰掛けて待つこと15分。 ようやく部屋に通され、早速に池の話を出したところ、やはりサッと表情が強張りました。 しかし、前回は突然池の埋め立てが始まったことによる反発。 今回は、ゆっくりと事情を説明。 整備するにも、大規模な改築工事を済ませたことで、当分は寺の財政が厳しいこと。 私が隣接施設の責任を持つ中で、子どもの安全は、一層危機感を持って対処すべき現状であること。 長引く工事で運動場が使えず、子どもの遊び場がないこと、などなど。 そして、池を全て埋め立てるのではなく、石垣の側に水路としての堀を確保し、植木屋さんと景観を考えつつ整備する案を伝えました。 ところが、「先代は、行く行くは施設を廃する方向でと考えていたはず。私は何度も、そう聞きました。」との意見。 「先代が、社会の要請によって出来た施設であるから、社会からの要請が無くなれば、廃してもよいと申していたことは、現住職より伺っています。今、責任を持つ立場となって、先代の気持ちもよくわかるようになりました。心は形になって表れるとも言いますが、大切なのは、ただただ形を受け継いでいくのではなく、心を受け継いでいくことが肝心で、その時代の中で柔らかに形が変容することも良し。お茶の世界も同じ事だと思います。」と返答。 意見を伺うこと15分。 「観光寺院になるようなことだけは、許しませんよ。」 「もちろん端からそのような気持ちはありません。」 渋々ではありましたが、承諾を得ることが出来ました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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