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カテゴリ:外交
アメリカの中間選挙では野党民主党が12年ぶりに与党共和党に対して地滑り的な勝利を治めました。上、下院の過半数を野党が占め、知事の改選数でも野党が上回りました。ブッシュ大統領の政権運営に手枷足枷がはめられたようです。
アメリカは三権分立が徹底した国なので大統領の権限は強く、基本政策は変わらないでしょう。2期目のブッシュ大統領は再選を意識する必要がありませんので、議会を敵に回しても最後の勝負を賭けた戦いを挑むかも知れません。 今回の選挙の争点はイラク問題でした。イラクが混迷の度を増すにつれ、国民は事態の打開を望みました。共和党は12年間も議会を制してきましたので腐敗が蔓延し、醜聞も広がりました。新しい政治の風が吹くのを国民が望んだのです。 ブッシュ大統領がラムズフェルド国防長官を更迭し、イラクに対する政策変更を模索しているようです。イラク戦争では戦争の大義が否定された上に、3000人に近いアメリカ兵が戦死している現状に国民がノーを突きつけたからです。 しかし、アメリカが始めた戦争ですからアメリカが責任を取らなくてはなりません。アメリカの政治状況がどう変化しても、アメリカがイラクから撤退することは許されません。イラクの治安を回復させる義務がアメリカにはあるからです。 日本にはアメリカの対北朝鮮政策が変わらないのかが気に掛かるのですが、おそらくブッシュ大統領は北朝鮮を核保有国として認めることはしないはずです。6カ国協議の場でも、金融制裁の解除を条件とした交渉に応じないと思います。 安倍首相にはジュンイチロー、ブッシュの関係は期待できませんが、安保条約による日米同盟は維持されるでしょう。日本に核の傘を提供するのはアメリカにも利益ですし、北朝鮮の核ミサイルを抑止する力を持つのはアメリカだけです。 レイム・ダックになったブッシュ大統領は北朝鮮、イランの核開発を阻止するのを歴史的使命だと考えているのではないかとも思えます。ブッシュ大統領は敬虔なクリスチャンですから、神から与えられた使命には従順に従うからです。 国際社会には様々な問題が山積していますが、イラン、北朝鮮の核開発を阻止できなければ国際社会はカオスに引きずり込まれます。テロ組織に核兵器が渡れば世界は破局に向かいかねないからです。デッドライン、最後の一線だからです。 日本は国際社会の先頭に立って北朝鮮に制裁を加え、中国にも北の将軍様に圧力をかけ続けさせなければならないのです。中国も日本の軍事大国化は望まないはずです。況や、日本が核開発を始めれば中国には軍事的な脅威になります。 日本には非核三原則がありますが、北朝鮮からの具体的な脅威がある中で、非核三原則を国民的な議論に掛けるべきです。小沢代表、鳩山幹事長は非核三原則に対する議論を封印しようとしていますが、過去の発言を忘れた暴論です。 北朝鮮からの核の脅威に晒される中で非核三原則を守り抜くためには国民の意思統一が必要です。戦争を知らない世代には非核三原則を墨守する理由が理解できないからです。理屈抜きに肌で理解できるのは団塊の世代から上の世代だからです。 日本の進むべき道を今議論しなければ、時機を逸すると思います。非核三原則、平和憲法を議論しなければ、戦争体験を次の世代に引き継げないからです。平和憲法を双手を挙げて受け入れた事実を語り継がなければならないからです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006/11/09 10:29:12 PM
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