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カテゴリ:経済
株主総会のシーズンになってきましたが、日本の株式会社もやっと株主総会を真面目に開かなくてはならなくなりました。株主持ち合い制度が経営者にモラルハザードを起こさせていたのをバブルが弾けるまで国民の目から隠蔽されていました。
銀行の不良債権が無節操に積み上げられたのも経営者が責任を取らなくてもよい制度があったからです。欧米ならば旧経営者は株主代表訴訟により多額の賠償金を払わされていたはずですが、日本では旧役員に退職金まで払う始末です。 バブルが弾けた責任を労働者に取らせて自らは高額の報酬を得ていた旧経営陣の多くは多額の報酬を得ていました。リストラの波におそわれたのは真面目に働いてきた中高年労働者でした。彼らには再就職の機会すらありませんでした。 サラリーマン社長の横暴に多くの社員が泣かされてきましたが、猫の首に鈴を付けるだけの勇気のあるものはいませんでした。シャンシャン総会で終わる株主総会は、経営陣から緊張感を失わせモラルハザードは底抜けの様相を呈していました。 ホリエモン、村上ファンドは日本の未成熟な市場に咲いたあだ花でしたが、彼らの主張にも共感を覚えた人も少なくありません。彼らが市場の目を覚まさせ、日本の市場が欧米のヘッジファンドの草刈り場になるところを防いだ側面もあります。 会社は誰のものであるかという問いかけは新鮮な響きを持ちました。双六の上がりが社長になりますが、彼らを監視するシステムが日本には存在しませんでした。オーナー社長には独裁の権利がありますが、雇われ社長の横暴は理解できません。 経営資金をバブル時代に自社株の時価発行にシフトした会社の持ち合い株の比率が低下したのもバブル崩壊に際し他社株を売り抜けたのも日本にはよい機会であったのかもしれません。経営責任を言い逃れる手段がなくなったからです。 アメリカ型の企業を渡り歩くCEOによるアングロサクソン型略奪主義システムは短期間で成果を上げれば膨大な報酬を得られるシステムですから長期的な経営方針が軽んじられる傾向があります。ゴーン社長のカリスマも地に落ちました。 日本人にはアングロサクソンのような略奪主義を身につけようとしても無理でしょう。歴史が違いすぎます無理でしょう。むしろトヨタ型の物作利に特化した経営、長期的ビジョンに基づく経営が農耕民族である日本人には相応しいのでしょう。 グリーンメーラー的なM&Aはアメリカでは時代遅れのようですが、ヘッジファンドはアジアの市場、特に日本を標的にして攻勢を仕掛けてくるでしょう。第二の黒船だといわれますが、これを機会に第二の和魂洋才にしてしまえばよいのです。 世界はバブル時代に突入しているような気がします。いつのバブル時代でも人々はバブルが永遠に続くと錯覚しましたが、バブルは弾けました。中国のバブルは誰が見ても危険水域に達していますが、アメリカのバブルも危ないような気がします。 日本経済はおそらく調整期に入っているのでしょう。安定成長への道も開かれてきたようですが、バブルの二の舞を演じるのだけはやめて欲しいと思います。地道にものを作り続ければ日本は世界から必要とされます。それが日本の安全保障です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/06/18 08:33:32 PM
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