夜にも恋をしました。闇にも恋をしました。
誰だって文句はいう。文句だけで成立している人間も中には存在する。
人間は皮膚表面から優しいパワーを発しており、熱気をもって感じる。そのパワーは渦巻いており、皮膚から2,3センチの所まで吹き荒れている。優しいスローカーブだ。
ゆっくり ゆっくり
耳だって敏感だ。優しい耳への愛撫が忘れられない夜に。とろけそうで壊れそうな世界も中には存在する。
攻撃的だ。どこまでいっても攻撃的であり続ける形。
萎えてしまうかもしれない。惜しすぎるクールダウンだ。
誰も読んでいない。眠ることも可能。
連れ込みホテルのガレージに続く不健康な白い壁に影が映った気分だ。
そっとキスをした。歯の折れぬ程度に。
どうしろというのだ。なけなしの金をはたいて、健康的過ぎる程、紺碧な空の下、シャンバラ行きの片道チケットを取るために並んでいる老人のような青年も存在する。
店を閉めて掃除をしろ。刷り込みという仕事が残っている。結局、ボクらの快楽は、そういった犠牲のもとに成り立っている、としか考えられない。
独り立ちは困難だろう。人生地獄ルーティンだ。
下水が流れている音がする。汚水が下水管を磨いている。明日始まる同時性的生活様式が裸にされるであろう。
あのとき、あの暑さの中、地下の調理場で働く女のことを考えてしまったのだ。そして特定されてしまった恥ずかしさというものも存在する。
どうせそんなことだろう。どうせ、と文句をいう日がまた巡ってきた。今日は疲れていない、体が機械化してるだけ。
誰も働かない。誰も動かない。誰も力がない。
そっと消え行く。優しい緩やかなカーブを描きながら、そっと消え行く黒。